Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage
Date: Wed, 21 Jun 2006 14:04:57 +0900
From: 葵一 <gandalf@petmail.net>
Subject: [KATARIBE 29957] [HA06P]エピソード:『健康診断?』(改訂版)
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <20060621140231.4FDA.GANDALF@petmail.net>
In-Reply-To: <20060619175951.3FDA.GANDALF@petmail.net>
References: <20060619175951.3FDA.GANDALF@petmail.net>
X-Mail-Count: 29957
Web: http://kataribe.com/HA/06/P/
Log: http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/29900/29957.html
こんにちは、葵です。
台詞修正頂きましたので、修正して蛇足を追加してみました(w
**********************************************************************
エピソード:『健康診断?』
==========================
登場人物
--------
如月 尊(きさらぎ・みこと):FLOWER SHOP Mikoの店長。最近正式に彼氏
からコクられたラシイ。
http://hiki.kataribe.jp/HA06/?KisaragiMikoto
本宮和久(もとみや・かずひさ):とっても真面目な県警のお巡りさん。
でも真面目すぎて周りからは朴念仁とも。
でも最近、意中の人にコクったラシイ。
http://hiki.kataribe.jp/HA06/?Motomiyakazuhisa
如月 夾(きさらぎ・きょう):如月しすたーS’末妹、おねえちゃん想い
のとっても良い子。
http://hiki.kataribe.jp/HA06/?KisaragiKyou
奈良井・トレース・知恵(ならい・−・ちえ)
:沈着冷静爆弾発言娘。如月しすたーS’三
女相変わらず引き金を引いてくれます。
http://hiki.kataribe.jp/HA06/?NaraiChie
花屋の夕暮れ
------------
春が過ぎ去り、近い夏を感じさせる暑い夕暮れ。
汗を拭き拭き花屋に向かう和久君。
和久 :「あっついなぁ……もう夏だよなぁ」
スーツの上着を腕にかけ、流れる汗を拭う和久君。
暑くても私服という訳に行かないのが硬いお仕事の辛いところ。
和久 :「こんなに暑いんじゃ早く行かないと溶けるな」
一人ごちながら片手に提げたシュークリームの箱を眺める。
中身は、最近県警近所にオープンした新進のケーキ屋のアイスシュークリーム
で、尊が食べてみたいと言っていたもの。
別にしょっちゅう手土産を持ってく必要も無いと言えばないのだが。
やはり喜ぶ顔は見たいもの。
特に、誰かさんの顔は。
和久 :「尊さん、甘い物『も』好きだからなぁ……」
総じて女性は割と甘い物好きというのが世の定説ではあるが。
尊の甘い物好きも相当凄い。
和久も嫌いではないが、尊が食べるのを見ているとあの体の何処に入って
しまうかと不思議になるくらいである。
閑話休題。
和久 :「夾ちゃん、こんばんは」
夾 :「あ、おにいちゃん、こんばんはです! お姉ちゃんなら
:二階で夕食の準備始めてますよ」
和久が声をかけると、片付けの手を休め居並ぶ花も褪せるような爛漫な笑顔
を返す夾ちゃん。
和久 :「なんだか悪いね、いつもお呼ばれしちゃって、あ、これ
:お土産」
提げていた箱をひょいと手渡す。
夾 :「あ、アイスシュークリームですかっ(嬉々)お姉ちゃん
:喜びますよっ」
自分が、ではなく、お姉ちゃんが、と言うところが夾ちゃんらしい。
和久 :「そ、そうかな……(照)」
夾 :「とりあえず、上にあがって下さい、あたしもこっち片付
:けたらすぐ行きますから」
和久 :「うん、じゃぁあがらせて貰うよ」
トントントンと外階段を上がってドアをノックしようとしたら……。
花屋の二階
----------
知恵 :「尊さん、我侭言わないで下さい」
尊 :「やだったらやだったらやだぁっ!」
ドアの中からえらく珍しいやり取りが聞こえてきましたよ?。
和久 :「(ドア開けて)こんばんは、尊さん?知恵さん?」
知恵 :「ただ今手が放せませんので奥へどうぞ」
和久 :「は、はぁ……」
ぽてぽてぽてとスリッパ履いてリビングに向かうと。
知恵 :「ほら、尊さん、いい加減我侭言わないで下さい、本宮さ
:んに笑われますよ?」
尊 :「絶対やだーっ(ソファーの上でクッション引っかぶってる)
:……って……かずひさくん?」
引っかぶったクッションのしたからひょいと見上げると。
和久 :「えーと……その……こんばんは」
事情がわからず突っ立ってる和久君。
尊 :「(がばっとはね起きて)あ、あは、その……いらっしゃ
:い(汗)」
和久 :「一体どうしたんですか? 何をそんなに嫌がってるんで
:すか?」
尊 :「その……えと、あのね(赤面)」
知恵 :「和久さんからも行ってください、ちゃんと病院行くよう
:にと」
和久 :「え?……知恵さん、それどういう事?」
知恵 :「病院からの通告が来ているのに、尊さんが無視して行こ
:うとしないのです」
微妙に勘違いはしているが、嘘は言っていない所が、知恵ちゃんくぉりてぃ。
知恵 :「尊さん、わがままは言わないでください。手遅れになっ
:たら、取り返しがつかないのですよ、和久さんからも、尊
:さんを説得してください」
知恵ちゃん、普段にもまして真剣な顔で言うもんだから。
和久 :「……尊さんっ(厳しい顔)」
尊 :「はいっ(びくっ)」
和久 :「そこ座ってください(厳しい顔のまま腕組み)」
尊 :「はい……(しゅん)」
ほら、勘違いした。
ひじょーにレアな和久君お説教モード発動。
和久 :「尊さん(ぢっと見て居住まい正して)ちゃんと病院でみ
:てもらって下さい」
いつに無くまぢな眼差し。
尊 :「いや、あのね、それは(ぼそぼそ)」
和久 :「痛くても、怖くてもちゃんと病院行かないと、尊さんの
:身体は尊さん一人のものじゃないんですよ?」
尊 :「あ、え……」
思わず真剣に諭す和久君。
それって……? と言いたげに、じぃっと下から見上げる視線。
和久 :「え、その、みんな心配するんです、だからちゃんと病院
:行ってください」
尊 :「はぁい(赤面)」
何となくかゆい空気が漂っていますが。
でも、勘違いしたままなのも問題なので。
尊 :「でもね、和久君、べつにどこか悪いとか、そういうわけ
:じゃなくて……病院から来たのは健診の案内なんだけど」
和久 :「健診?」
尊 :「そう、健診」
和久 :「……」
尊 :「……」
……きまづい。
和久 :「ま、まぁでも、健診もちゃんと受けないとダメですよ?」
尊 :「う゛ー……どうしても?」
ちょっと涙目で抗議してみるが。
和久 :「ダメです、病院嫌いでも、痛くても健診はちゃんと受け
:なきゃ」
尊 :「……健診がコレでも?」
テーブルにスッと差し出される
『診断のしおり 〜マンモグラフィー診断について〜』
と題された健診案内の冊子。
和久 :「まんもぐらふぃー?」
聞きなれない単語に首を傾げつつ差し出されたしおりを開いてみる。
和久 :「なになに、えーと、マンモグラフィーは乳癌の早期発見
:に役立ち……にゅうがんっ!?(更に読んでる)機械で……
:挟んでっ!?(読み終わった)えっと……その……」
しおりを読んで固まってしまった和久君から目を逸らせつつ、おもむろに床
に転がっていた軟球のテニスボールを拾い上げる。
尊 :「あのね、胸を……こう(ぶにゅっとテニスボールを平た
:く潰す)やってレントゲン撮るの……痛いんだよ?(真赤)」
和久 :「え、あ、う……えーと(真っ赤)」
別に意識しなければなんてことは無いんだけど。
一旦、意識してしまうと、見るまい、見るまいと思っても。
ついついチラチラと『健診対象』に行ってしまう視線。
しょうがないよね?(笑)
尊 :「あ゛(ばっと両腕で視線から隠して後ろ向き)やっぱり、
:健診受けなきゃダメ?(涙目)」
和久 :「えーと、その……そう……ですねえ、やっぱり受けとい
:た方が……」
暫し沈黙。
尊 :「……(ぷっ)……はぁい……じゃ、頑張って受けてきま
:す(くすくす)」
和久 :「健診を頑張るってのも……なんか変ですけど(笑)」
紅い顔で笑いあう二人。
一方、こちらは夕食の準備を進める妹分二人。
知恵 :「どうやら和久さんが説得してくれたようです」
夾 :「でも……お姉ちゃん、ほんとに検査受ける必要あるのかなぁ?」
知恵 :「夾さんは検査受けないのですか?」
夾 :「(ぶんぶか首振って)え、遠慮しますですー」
その一週間後(蛇足)
--------------------
夾 :「おねえちゃーん、健診の結果が届いたですよー(葉書
:持ってとてとて)」
尊 :「んー、どれどれ(葉書受け取って見る)」
夾 :「大丈夫だったですか?(横から覗き込み)」
尊 :「そりゃーそうよ(苦笑) この身体で乳癌なんかになっ
:たら大問題よ……うん、特に問題無しね、当たり前だけど
:(笑)」
知恵 :「よかったですね尊さん、これで安心してお嫁に行けますね」
SE:だがしゃぁん
あ、見事なずっこけっぷり。
でも、スカートはいてやっちゃダメだよ、見えちゃうから。
尊 :「ちっ!ちえちゃっんっ!?何をっ(必死に復活)」
知恵 :「……お婿を貰うほうでしたか?」
尊 :「あう(再び撃沈)」
さすがは知恵ちゃん、破壊力はメガトン級。
夾 :「やれやれ……先が思いやられるです(二人を眺めてる)」
解説
----
健康診断はちゃんと受けましょうね。
時系列
------
2006年初夏の夕暮れ。
$$
**********************************************************************
---
葵 一<gandalf@petmail.net>
---------------------------------------------------------------------
http://kataribe.com/ 語り部総本部(メインサイト)
http://kataribe.com/ML/ メーリングリストの案内
http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/ 自動過去ログ
Log: http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/29900/29957.html