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Date: Mon, 19 Jun 2006 18:00:43 +0900
From: 葵一 <gandalf@petmail.net>
Subject: [KATARIBE 29955] エピソード:『健康診断?』
To: ML <kataribe-ml@trpg.net>
Message-Id: <20060619175951.3FDA.GANDALF@petmail.net>
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こんにちは、葵です。
「一枚の葉書」の続編になります(続けるのかよ
というわけでれっつごー
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エピソード:『健康診断?』
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登場人物
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如月 尊(きさらぎ・みこと):FLOWER SHOP Mikoの店長。最近正式に彼氏
からコクられたラシイ。
http://hiki.kataribe.jp/HA06/?KisaragiMikoto
本宮和久(もとみや・かずひさ):とっても真面目な県警のお巡りさん。
でも真面目すぎて周りからは朴念仁とも。
でも最近、意中の人にコクったラシイ。
http://hiki.kataribe.jp/HA06/?Motomiyakazuhisa
如月 夾(きさらぎ・きょう):如月しすたーS’末妹、おねえちゃん想い
のとっても良い子。
http://hiki.kataribe.jp/HA06/?KisaragiKyou
奈良井・トレース・知恵(ならい・−・ちえ)
:沈着冷静爆弾発言娘。如月しすたーS’三
女相変わらず引き金を引いてくれます。
http://hiki.kataribe.jp/HA06/?NaraiChie
花屋の夕暮れ
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春が過ぎ去り、近い夏を感じさせる暑い夕暮れ。
汗を拭き拭き花屋に向かう和久君。
和久 :「あっついなぁ……もう夏だよなぁ」
スーツの上着を腕にかけ、流れる汗を拭う和久君。
暑くても私服という訳に行かないのが硬いお仕事の辛いところ。
和久 :「こんなに暑いんじゃ早く行かないと溶けるな」
一人ごちながら片手に提げたシュークリームの箱を眺める。
中身は、最近県警近所にオープンした新進のケーキ屋のアイスシュークリーム
で、尊が食べてみたいと言っていたもの。
別にしょっちゅう手土産を持ってく必要も無いと言えばないのだが。
やはり喜ぶ顔は見たいもの。
特に、誰かさんの顔は。
和久 :「尊さん、甘い物『も』好きだからなぁ……」
総じて女性は割と甘い物好きというのが世の定説ではあるが。
尊の甘い物好きも相当凄い。
和久も嫌いではないが、尊が食べるのを見ているとあの体の何処に入って
しまうかと不思議になるくらいである。
閑話休題。
和久 :「夾ちゃん、こんばんは」
夾 :「あ、おにいちゃん、こんばんはです! お姉ちゃんなら
:二階で夕食の準備始めてますよ」
和久が声をかけると、片付けの手を休め居並ぶ花も褪せるような爛漫な笑顔
を返す夾ちゃん。
和久 :「なんだか悪いね、いつもお呼ばれしちゃって、あ、これ
:お土産」
提げていた箱をひょいと手渡す。
夾 :「あ、アイスシュークリームですかっ(嬉々)お姉ちゃん
:喜びますよっ」
自分が、ではなく、お姉ちゃんが、と言うところが夾ちゃんらしい。
和久 :「そ、そうかな……(照)」
夾 :「とりあえず、上にあがって下さい、あたしもこっち片付
:けたらすぐ行きますから」
和久 :「うん、じゃぁあがらせて貰うよ」
トントントンと外階段を上がってドアをノックしようとしたら……。
花屋の二階
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知恵 :「尊さん、我侭言わないで下さい」
尊 :「やだったらやだったらやだぁっ!」
ドアの中からえらく珍しいやり取りが聞こえてきましたよ?。
和久 :「(ドア開けて)こんばんは、尊さん?知恵さん?」
知恵 :「ただ今手が放せませんので奥へどうぞ」
和久 :「は、はぁ……」
ぽてぽてぽてとスリッパ履いてリビングに向かうと。
知恵 :「ほら、尊さん、いい加減我侭言わないで下さい、本宮さ
:んに笑われますよ?」
尊 :「絶対やだーっ(ソファーの上でクッション引っかぶってる)
:……って……かずひさくん?」
引っかぶったクッションのしたからひょいと見上げると。
和久 :「えーと……その……こんばんは」
事情がわからず突っ立ってる和久君。
尊 :「(がばっとはね起きて)あ、あは、その……いらっしゃ
:い(汗)」
和久 :「一体どうしたんですか? 何をそんなに嫌がってるんで
:すか?」
尊 :「その……えと、あのね(赤面)」
知恵 :「本宮さんからも行ってください、ちゃんと病院行くよう
:にと」
和久 :「え?……知恵さん、それどういう事?」
知恵 :「病院から来るようにと葉書が来ていたのに尊さんが行っ
:てくれないのです」
微妙に勘違いはしているが、嘘は言っていない所が、知恵ちゃんくぉりてぃ。
和久 :「……尊さんっ(厳しい顔)」
尊 :「はいっ(びくっ)」
和久 :「そこ座ってください(厳しい顔のまま腕組み)」
尊 :「はい……(しゅん)」
ひじょーにレアな和久君お説教モード発動。
和久 :「ダメじゃないですか、ちゃんと病院行かなきゃ」
尊 :「いや、あのね、それは……」
和久 :「痛くても、怖くてもちゃんと病院行かないと、尊さんの
:身体は尊さん一人のものじゃないんですよ?」
尊 :「あ、え……」
思わず真剣に諭す和久君。
それって……? と言いたげに、じぃっと下から見上げる視線。
和久 :「え、その、みんな心配するんです、だからちゃんと病院
:行ってください」
尊 :「はぁい(赤面)」
何となくかゆい空気が漂っていますが。
でも、勘違いしたままなのも問題なので。
尊 :「でもね、和久君、べつにどこか悪いとか、そういうわけ
:じゃなくて……病院から来たのは健診の案内なんだけど」
和久 :「健診?」
尊 :「そう、健診」
和久 :「……」
尊 :「……」
……きまづい。
和久 :「ま、まぁでも、健診もちゃんと受けないとダメですよ?」
尊 :「う゛ー……どうしても?」
ちょっと涙目で抗議してみるが。
和久 :「ダメです、病院嫌いでも、痛くても健診はちゃんと受け
:なきゃ」
尊 :「……健診がコレでも?」
テーブルにスッと差し出される
『診断のしおり 〜マンモグラフィー診断について〜』
と題された健診案内の冊子。
和久 :「まんもぐらふぃー?」
聞きなれない単語に首を傾げつつ差し出されたしおりを開いてみる。
和久 :「なになに、えーと、マンモグラフィーは乳癌の早期発見
:に役立ち……にゅうがんっ!?(更に読んでる)機械で……
:挟んでっ!?(読み終わった)えっと……その……」
しおりを読んで固まってしまった和久君から目を逸らせつつ、おもむろに床
に転がっていた軟球のテニスボールを拾い上げる。
尊 :「あのね、胸を……こう(ぶにゅっとテニスボールを平た
:く潰す)やってレントゲン撮るの……痛いんだよ?(真赤)」
和久 :「え、あ、う……えーと(真っ赤)」
別に意識しなければなんてことは無いんだけど。
一旦、意識してしまうと、見るまい、見るまいと思っても。
ついついチラチラとそこに行ってしまう視線。
しょうがないよね?(笑)
尊 :「あ゛(ばっと両腕で視線から隠して後ろ向き)やっぱり、
:健診受けなきゃダメ?(涙目)」
和久 :「えーと、その……そう……ですねえ、やっぱり受けとい
:た方が……」
尊 :「はぁい……じゃ、頑張って受けてきます(くす)」
和久 :「健診を頑張るってのも……なんか変ですけど(笑)」
紅い顔で笑いあう二人。
一方、こちらは夕食の準備を進める妹分二人。
知恵 :「どうやら本宮さんが説得してくれたようです」
夾 :「でも……お姉ちゃん、ほんとに検査受ける必要あるのかなぁ?」
知恵 :「夾さんは検査受けないのですか?」
夾 :「(ぶんぶか首振って)え、遠慮しますですー」
そんな夕暮れ(笑)。
解説
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健康診断はちゃんと受けましょうね。
時系列
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2006年初夏の夕暮れ。
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オチちゃえミ★
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葵 一<gandalf@petmail.net>
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