[KATARIBE 29909] [HA06L]チャットログ:『彼岸花一輪ほどの毒もまた良し』

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Date: Wed, 17 May 2006 04:58:00 +0900
From: chita <chita@ma.akari.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29909] [HA06L]チャットログ:『彼岸花一輪ほどの毒もまた良し』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <20060517045800.F90EA200.chita@ma.akari.ne.jp>
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Web:	http://kataribe.com/HA/06/L/
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http://kataribe.com/IRC/HA06-02/2005/10/20051010.html#000000
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[HA06L]チャットログ:『彼岸花一輪ほどの毒もまた良し』
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登場人物
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 達大     :青年
 六華     :冬女。生前は花魁だったと言う。達大の同居人
 アーシュラ  :あやしげな生花店主

1.
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[CshopNem] [HA06N] 小説『花魁華』 http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/29300
/29322.html
[ER]    (む)
[CshopNem] 身に毒を持つ、かぁ。
[ER]    てか、確かに六華ってのは、毒を含むよね。
      (書いてる奴が断言
[Hisasi]  そして毒にヤられちゃった若旦那
[Luna]   その毒をも愛す若旦那。
      <『花魁華』の感想
[CshopNem] 毒を含むというか、うーん。あまり毒って意識してことないかも
      しれませんねぇ。
      我が身を滅ぼす、と思わされたことがない。
[ER]    あ、なるほろ>我が身を滅ぼすとは思わない
[Luna]   毒と感じなければ毒ではないですのぉ

 達大     :「──あー、でも思わせないあたりが、本当に怖い毒なの
        :かもしれないですねぇ」

[ER]    うう>本当に怖い毒
[Luna]   『恋する心』は身を滅ぼす毒なり
      世の中のあらゆる生物の中でヒトだけが含有する毒なり
      そして
[ER]    …………
[Luna]   解毒剤はいまのところ発見されていない

 アーシュラ  :「そうですね。ヒガンバナは毒ですから、気をつけたほう
        :がいいと思います」
 達大     :「あの世とこの世の境に咲く花って言う位ですからねぇ」
 アーシュラ  :「つい、あるだけ食べてしまう」

[kisito]  # 突込みどころ違う!

       *       *       *

 達大     :「毒抜きをちゃんとすれば食べられるそうですけど──アー
        :シュラさんの場合は、花の方を食べますからねぇ」

[CshopNem] # 達大:「(しかし、さっきの独り言を聞かれたのは失敗だった。
         :なんでこんなところで呟いちゃうかなぁ)」
[chita]   # ヒガンバナを売っているから。

 達大     :「(あぁ──そうか。ふっと目を留めちゃって用もないのに
        :入っちゃったのか)」

[ER]    # わはは
      # あ、ちなみに達大さん(こそこそ)

 達大     :「アーシュラさん、一輪だけ彼岸花いただけます?」

[CshopNem] # あい?
[ER]    # その、曼珠沙華を贈ると、六華がとても喜びます(ふふ

 達大     :「プレゼント用に上手いことラッピングしてもらえると嬉
        :しいんですが──それは難しいですかね」
 アーシュラ  :(ヒガンバナの植えられた容器を細長いビニール袋で包み、
        :ガスを充填していた)「は?」
 達大     :「あ、そういうやり方もあるんですね。そっちの方があり
        :がたいや」
        :「(彼岸花だって土に根付いて咲く花なんだし)」

 アーシュラ  :「ああ、一つだけ。ご存知でしょうが茎も花も壊れやすい
        :ので、持ち帰りは慎重に」
 達大     :「ご忠告、ありがとうございます。アーシュラさんも、あま
        :り食べすぎないように気をつけてくださいね」
 アーシュラ  :(代金を受け取って、達大を見送る)

 達大     :(大事そうに彼岸花の鉢を抱いて歩いていく)

 達大     :「(あぁ、花魁の花かもしれないな。この線の細さも脆さも)」
        :「(でも、それでも。たとい毒を含んでいても、土に根を張っ
        :て咲く花なんだよな)」

 アーシュラ  :「私が周辺のヒガンバナを食べ尽くしてしまう事を懸念して
        :いるのだろうか」(もぐもぐ)

2.
--

 達大     :「そんなわけで、急に思いついたので、買ってきちゃいま
        :した」

[CshopNem] # 花魁華の達大サイドみたいになると面白そうだけど──毒って
       発想はその後になるのかなぁ。
[ER]    # って、それは誰に話してるのだろう(苦笑)>達大さん
[CshopNem] # もちろん、六華さんに決まってます(きぱっ > それは誰に
[ER]    # あうあう

 六華     :「…………(ほこーっと笑って、花を見てる)」
 達大     :「──あぁ、よかった」
 六華     :「……え?」
 達大     :「曼珠沙華って、見た目はたおやかで、でも艶のある綺麗
        :な華ですけど」
 六華     :(こくん)
 達大     :「毒があるでしょう? それに、彼岸と此岸の境に咲くって
        :言うから、嫌う人もいるかなぁと思って」
        :「でも、喜んでもらえたので安心しました」
 六華     :「……一番好きな花です」

[ER]    # ほんのりと笑って

 達大     :「そうですか」
 六華     :「……花魁に似ておりますでしょう?」

[ER]    # 小首を傾げて

 達大     :「花魁に?」
 六華     :「ええ」
        :「毒々しいほど鮮やかで、茎は真っ直ぐ伸びて……でも華
        :は少しだけ下を向く」
 六華     :「どれだけ意気地や張りを誇っても……金で買われる女で
        :す」

[ER]    # 微かに自嘲するように

 達大     :「花魁は──金だけでは抱かれないと聞きました」
 六華     :「それは、そう」
 達大     :「きっと、それがせめてもの矜持だったのかもしれません
        :が──でも、そんな意地の張りっぷりは、とても素敵だと
        :思いますよ」
 六華     :「……」
        :「殿方には、そうやって、意気地の一つも張り合わせられ
        :ましたけど」
 達大     :「けど?」
 六華     :「……女の方には、ね(苦笑)」
        :「あたし達は毒でしたから」
 達大     :「あぁ、なるほど──そんなところも彼岸花か」
 六華     :「……ええ」

       *       *       *

 達大     :(真顔になって見つめる)
 六華     :「……?」

[ER]    # どうしたんだろう、と
      # なんか気に障ることゆーたかなと

 達大     :「この花を見たときにね、ふっと思ったんです」
 六華     :「……」

[ER]    # 小首を傾げたまま、じっと見てる

 達大     :「この花は花魁の花なのかもしれないなぁ、と」
 六華     :「…………」
        :「綺麗な花でしょう?」
 達大     :「線の細さも脆さも。しゃっと背筋を伸ばしたところも。
        :それから、毒を含んでいるところも」

[ER]    # くす、と笑って

 六華     :「…………ええ
 達大     :「そう。とても綺麗ですよね」
 六華     :「昔知っている人が、そっくりだったのです」
 達大     :「でも、たとい毒を含んでいたとしても大地に根を張って
        :咲く花なんだよなぁと思いましてね」
 六華     :「…………」
        :「そして周りに人を寄せ付けない?」

[ER]    (くす、と

 達大     :「──そこまでは思わなかったなぁ」
        :「まぁ、確かに群れて咲く花かもしれませんが」
 六華     :「……ええ」

3.
--

 六華     :「互いしか仲間の無い華のように、あたしには見えて」
 達大     :「毒があると言ったって、食べたければ時間をかけて毒を
        :抜けばいいし」

[ER]    # あ、それ或る意味そうかも(笑

 達大     :「いや、まぁだからなんだと言われると困るんですけども。
        :なにぶん思いつきなので」
 達大     :(困ったように笑う)
 六華     :「…………達大さん」

[ER]    # 少し、切羽詰ったように

 達大     :「はい、なんでしょう」
 六華     :「毒を抜くのは、面倒ですか?」

[ER]    # どこかすがるように

 達大     :「まさか」(はっきりと分かるように頭を振って微笑う)
 六華     :「…………」

[ER]    # どこかおぼつかなげに、頼りなげに、笑って
      # 多分とても安心して
      # とことこ歩くの開始(笑

 達大     :「じっくりと時間を掛けて」
 六華     :「……」
 達大     :「ここまで時間を掛けたら、毒を喰らわば皿まで──って、
        :毒抜きの話にその喩えは可笑しいか」(苦笑)
 六華     :「…………(くす)」
 達大     :「(よし、笑わせた)」

[ER]    # おい

 達大     :「それじゃ、また。お引越しの時には声を掛けて下さいね。
        :お手伝いしたいので」
 六華     :「あ、はい」
 達大     :(手を振りつつ退場)
 六華     :「……ありがとうございます」

[ER]    (深く頭を下げながら

        *       *       *

[ER]    (てか、この二人のログも、微妙に溜まってるよなあ(えぐ
[CshopNem] # げふんげふん。> 微妙に溜まってる
[ER]    # でも、この場面はここらですな

時系列と舞台
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 2005年10月中旬、サトミマンション、桜木達大宅

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