[KATARIBE 29841] [HA06P] エピソード『ぽこぺん』

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Date: Tue, 4 Apr 2006 01:27:52 +0900 (JST)
From: 久志  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29841] [HA06P] エピソード『ぽこぺん』
To: kataribe-ml@trpg.net
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2006年04月04日:01時27分52秒
Sub:[HA06P]エピソード『ぽこぺん』:
From:久志


 久志です。
いつぞやのキャラ会話をEP化、、、といってもたいしていじってません。

登場キャラ説明は各々にまかせた!

-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
エピソード『ぽこぺん』
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登場キャラクター 
---------------- 
 戸萌葛海(ともえ・かつみ)
     :戸萌家当主の孫娘。ボクっ子眼鏡な中学三年生。

塾にて
------

 吹利とある学習塾にて。

 鋭司     :(ふらふら〜ん) 

 手にしたぽっぺんを鳴らしながら教室に入ってきたのはクラスきっての変人、
鋭司だった。というか、なぜにぽっぺん。

 優一     :「……また、古風な」 
 学      :「……なんか、スミくんは余裕そうだなぁ」
 鋭司     :「(ぽこぺんっ)?」 
 学      :「スミくん、それ何?」 
 鋭司     :「びぃどろ……(ぽこぺん)」 
 学      :(なんでこんなにいろんなモノ持ってるんだろう?)
 葛海     :「……また、しょーもないものもってきて」 
 鋭司     :「(ぽこぺん)戸萌嬢は、びぃどろはお嫌いかい?」 
 葛海     :「嫌いもなにも……しらないよ、そんなの」 
 鋭司     :「びぃどろを吹く女、と言う浮世絵を知らないかね」
 葛海     :「……知らないかも」 
 鋭司     :「むむ、それはいけないな」 
 学      :「えーと、喜多川歌麿だっけ?歴史の資料集で見たような
        :見なかったような」 
 鋭司     :「うんうん、十川氏は良く勉強しているね」 
 葛海     :「……ほっといてよ」 

 ポケットからうまい棒をだして差し出す。ちなみにめんたい味。

 鋭司     :「良く出来たでしょう」 
 学      :「わーい、うまい棒だー」

 そんなこんなで会話をしていると、教室のドアから夏澄が顔をだした。
 鋭司のてにしたぽっぺんを見て。

 夏澄     :「あ、ちゃんぽん」
 鋭司     :「しっけいな。これはビードロ。別名ぽっぺんだよ」 
 夏澄     :「え、ちゃんぽんじゃないの?私が持ってるのはちゃん
        :ぽんって書いてあったんだけど……」 
 葛海     :「呼び名変わるのかな」 
 学      :「どーなんだろう(もぐもぐ」 
 鋭司     :「ふむ……どうやらそのようだ」 
 夏澄     :「ちなみに福岡ドームの辺りで買ったんだけど。」 
 鋭司     :「ぽっぺん、ぽこぺんなどの呼び名もあるようだ。擬音に
        :よる命名だな」 
 夏澄     :「へーっ、おもしろいねぇ」 
 学      :「日本語っておもしろいよねー」 
 鋭司     :「ポルトガル語でのガラスの別名からビードロ細工。ビー
        :ドロと呼ばれ、その音からちゃんぽん、ポッペン、ポコペ
        :ン、ポッピン、などと呼ばれたらしい」
 葛海     :「くわしーね、鋭司クン」 
 学      :「スミくんって物知りだー」 
 夏澄     :「ものしりだねぇ」 
 鋭司     :「江戸時代には貴重品であり、一年の厄落としに吹かれた
        :もののようだ。ちなみに、必殺仕事人で殺し道具に使われ
        :たこともある」 
 夏澄     :「えっ、そうだったの!?くっやしー、みのがしてた」

 今時の中学生が何故知っている。

 学      :(ぽかーん) 
 優一     :「必殺仕事人って何?」 
 葛海     :「しごとにん……?」 

 そしてついていけない三人(それが普通)

 夏澄     :「お金を貰って悪い人をやっつける人たち、の時代劇だっ
        :たかな?説明下手なんだよね。」 
 鋭司     :「必殺仕事人と言うのは、俗に「必殺シリーズ」と呼ばれ
        :るテレビ時代劇のシリーズで、法によって裁けない悪人を
        :懲らしめる仕事人と呼ばれる裏家業の物語だ」 
 夏澄     :「そう、それそれ。」 
 優一     :「必殺って言う位だから殺すんだよね?」 
 夏澄     :「モチのロンよ。」 
 優一     :「……うーん(ものすごく嫌そうな顔」 
 葛海     :「それっておとーさんが若い頃とかにやってた時代劇じゃ
        :なかったっけ?何でキミ達がしってるのさー」 
 鋭司     :「一番初めは、「必殺仕掛人」そして「必殺仕置人」と続
        :き、必殺仕事人となるのは後半のシリーズからなのだ」 
 夏澄     :「え、再放送見たから。」 
 鋭司     :「殺し業の意外性と、時代考証を無視した脚本が人気の秘
        :訣だ」 
 優一     :「……あんまり見たく無いかも……」 
 葛海     :「……でも、テレビ見ながらご飯とかおばあちゃまが許し
        :てくれないからなあ」 
 優一     :「戸萌さんの家って厳しいの?」 
 葛海     :「ボクのお家ってふるーいお家だから、食事は家族一緒で
        :居間で揃って食べないといけないし。おばあちゃまは礼儀
        :とかすっごくうるさいから」 
 優一     :「うわぁ……」 
 鋭司     :「そんな戸萌嬢には、DVDをお勧めしよう」 
 葛海     :「……無駄遣いしたら駄目です、って言われるし」 
 優一     :「……それは僕も言われてる……」 
 鋭司     :「それは私も言われている」 

 なぜか嘘だといいたくなるのは気のせいか。

 葛海     :「それにそんな殺し屋さんのでてくる時代劇なんて見ちゃ
        :駄目って言われそう」 
 鋭司     :「時代劇を見れるなら、もんだいないであろう」 
 優一     :「どうだろうなぁ……」 
 夏澄     :「まぁ、ストレス発散には良いかも」 
 鋭司     :「舟和の芋羊羹でもたべて元気を出したまえ」

 どこからともなく食べ物を取り出す。というかドラえもんか君は。

 葛海     :「……ありがと」 
 夏澄     :「あ、美味しそう。」(いいな〜と 
 優一     :「……どこから出してるのかいつも気になる……」 
 鋭司     :「それは秘密です」 
 優一     :「秘密ですか。」 
 葛海     :「ヘンなの、もう」 

 ヘンとか言うわりには羊羹は貰う現金な戸萌嬢だった。

 夏澄     :「秘密、秘密ってね」 
 鋭司     :「おほほほほ、良い女には秘密が必要でしょ」 
 夏澄     :「そうですわね、奥さん」 
 優一     :「……わーおもしろいおもしろい(棒読み)」 
 葛海     :「……おばか」 
 夏澄     :「おばかでも良いじゃない。こういうことやりたいときも
        :あるの」 
 鋭司     :「つっこみがこなかった」(いじけいじけ) 
 優一     :「突っ込みいれて欲しかったのか……」 
 葛海     :「ツッコミまってるんじゃなーいっ!」 

 ぱしこーん、とツッコミクリーンヒット。

 夏澄     :「ナイス突っ込みっ!」(ぐっと 
 優一     :「……染み付いてるね戸萌さん」 
 鋭司     :「元気百倍、あんぱんまーん」(復活) 
 優一     :「顔変えて無いじゃんっ」 

 つっこむとこそこかい。

 鋭司     :「僕の顔をお食べ」

 と、どこからともなくアンパンマンの顔をかたどったアンパンを差し出す。

 夏澄     :「ていっ(先に頂く」 
 鋭司     :「バタ子さん、顔がとられちゃったよ」 
 葛海     :「……誰がバタ子さんだよ」
 夏澄     :(じたばたじたばた)<のどに詰まった 
 葛海     :「もー、あわててたべるからっ」 
 優一     :「はいお茶。」 

 背中を叩かれつつ、お茶を飲みつつなんとかパンを飲み込む。

 夏澄     :「―――……っはぁ、っはぁ、はぁ、ありがとう……」
 優一     :「あわてて食べるからだよ。」 
 夏澄     :「うん、慌てて食べたからだね。」 
 鋭司     :「慌てる乞食はもらいが少ないと言うしね」 
 葛海     :「おちついた?」 
 夏澄     :「落ち着いた。」
 鋭司     :「やれやれ、学徒の巣窟たる学習塾の講義室で、
        :何たる醜態」 

 仰々しく肩をすくめて溜息をつきながら。

 鋭司     :「そんなコトでは、立派な受験生にはなれなくてよっ」
 夏澄     :「は、はいっ、先生!」 
 優一     :「小芝居が始まった」 
 葛海     :「なんでオネエ言葉なのさっ」 
 鋭司     :「様式美と言う奴だネ」

 なぜか歯をキラリと光らせてニヒルに哂う。

 優一     :「別に立派で無くてもいいよ、合格できれば。って言うの
        :は駄目?」 
 鋭司     :「そういう理性的な答えはさびしいなぁ」 
 優一     :「むぅ……どうすれば……」 
 葛海     :「そりゃ合格すればいいけど。せっかく塾でも一緒で仲良
        :くなれたんだから、みんな一緒に合格して高校いってから
        :も仲良くしたいじゃん」 
 優一     :「じゃあ、友達が出来れば合格なんてっ……いや、それは
        :良く無いな」 
 鋭司     :「愛と努力と友情があれば、どんな事だってできるっ……
        :らしー」 
 夏澄     :「ああ、尊き自己犠牲。美しきかな美しきかな。」 
 葛海     :「どうせなら全部、かな」 
 優一     :「努力と友情はあるけど、愛は無いなぁ……よくわからな
        :いし」 
 葛海     :「……まあ、正直ボクもまだわかんないけど(ぽりぽり」 
 優一     :「あ、戸萌さんも?」 
 葛海     :「んー、まだ、そーいうのよくわかんない」 
 優一     :「だよねえ……」 
 夏澄     :「(愛なんて、かたれないよねー)」 

 まだ早いよ、君たちには。

 鋭司     :(私にゃ、分かる事はなさそうだな……) 

 ぼへっとした顔にどこか醒めたことを考えてる鋭司だった。

時系列 
------ 
 2006年01月後半。
解説 
----
 塾にて、のほほーんとすごす一同。
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以上。



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