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Date: Mon, 27 Mar 2006 19:14:09 +0900
From: Motofumi Okoshi <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29835] [HA06N] 小説『大手術』
To: KATARIBE ML <kataribe-ml@trpg.net>
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MOTOIです。
久々にもの書きしてみました。
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小説『大手術』
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登場人物
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榎愛菜美(えのき・まなみ)
:野球好きの元気な少女。実はアンドロイド少女。
榎士郎(えのき・しろう)
:野球好きの科学者。実はアンドロイド専門家。
榎愛子(えのき・あいこ)
:士郎の妻、兼助手。実はアンドロイド技術者。
神之木涼(かみのぎ・りょう)
:榎家のお手伝いさん(?)。実はアンドロイド、かつ魔術師。
手術
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「これより、手術を開始する」
そう言うと、士郎は道具を愛子から受け取った。
手術台の上では、愛菜美が、安らかな表情で眠っている。
その表情から、恐怖や怯えの様子は見られない。士郎を信頼しているからで
あろう。しかし、だからこそ、士郎にかかるプレッシャーも大きい。
士郎の表情が、いっそう緊張したものに変わる。
「……」
声も出さず……いや、出せずに、作業を進めていく。
手術室を支配するのは、無機質な作業音。
「……汗、拭きましょうか?」
「頼むよ」
時折、愛子が士郎に声をかける。
その愛子も緊張を隠せないが、助手として懸命に士郎をサポートする。
そして。
「……よし」
5時間後。
「手術完了……だな」
「お疲れ様です」
ようやく、手術が完了した。
士郎と愛子の安堵の表情が、手術の成功を表していた。
手術の目的は?
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「愛菜美様、大丈夫ですか?」
「え、何が?」
神之木の問いかけに、愛菜美がきょとんとした表情を浮かべる。
「何がって、手術を受けられたとお聞きしたのですが」
「あー、そのこと? なんにも問題ないよー」
あっけらかんと答える愛菜美。
「それは何よりです」
「パパも大げさなんだよ。ちょっと体の表面改造するだけなのに、ママまで
つき合わせて『大手術』だなんてさぁ」
「……は?」
神之木の目が点になる。
「……では、手術というのは?」
「金属探知機に反応しなくなるように、体の表面をコーティングする改造。
だって、あのままじゃ金属探知機に引っかかっちゃって、飛行機に乗れない
もんね」
「……」
「コーティング剤が定着するのに時間かかっちゃったけどねー。でも、これ
で安心して福岡に応援に行けるよ。さて、今日はもう寝よっと」
唖然呆然とする神之木を尻目に、さっさと自分の部屋に戻る愛菜美。
その夜
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「か〜みの〜ぎさ〜〜ん」
「愛菜美様、また……」
「よ〜ぱら〜っちゃ〜った〜〜」
自分の髪の毛をつかんで、首を提灯のようにぶらぶらさせる愛菜美。
そんな様子を見て、神之木は思った。
手術をするのであれば、首の外れやすさを改良すべきではないか、と。
時系列
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2006年3月中旬。
解説
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愛菜美が受けた大手術とは。
……一発ギャグです。
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