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Date: Fri, 10 Feb 2006 22:04:20 +0900
From: asakura <guilsn@boat.zero.ad.jp>
Subject: [KATARIBE 29760] [HA06N] 小説『慣れない力、言え無い悩み』
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どうも、輝士都です。
たまにはエピソード形式ではなく小説を書いて見たり。
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小説『なれない力、いえない悩み』
登場人物
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風祭 優一(かざまつり・ゆういち)
:ベクトル操作の能力を持つ中学生、まじめでやさしく怖がり。
:http://kataribe.com/HA/06/C/0606/
早朝の訓練
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「……」
早朝、日も昇ら無い時間に電気もつけず優一は自分を"視る"。
ほんの少し、集中するだけでいつも見ている日常は変化し、常人には見えな
い物が視えるようになる。
様々な大きさの矢印。
それらは色も大きさも向きも様々に優一の視界の中で踊っている。
(特定ベクトルのみを感知)
その中でもすべてのものに同様に存在する色の矢印がある。
地球の引力と、遠心力だ。
この二つの力が相殺しあう事で1Gという重力が保たれている。
ならば、この二つの力を操作する事で空を飛ぶ事は理論上は可能である。
(今度は……うまく行くかな……)
ただし、優一の力"ベクトル操作"は変化量ではなく変化率をコントロールす
るものである。
ゆえに、小さい力を操作する分には非常に扱いやすいが重力のような大きな
力を操作するものは非常に苦手とする。
1%の重みが違うのだ。
優一の力は割合操作の癖して限界値は変化量なので下手に大きな力だと1%
でも命取りとなる。
操作限界を超えた力はすべて自身にフィードバックするため場合によっては
命取りともなる能力だ。
前にも、重力制御に失敗し危うく圧死するかと思った。
「合成ベクトル、重力を感知」
万全を期すため、声に出して確実性を増す。
「異能発動、変化率は……」
にもかかわらず、挑戦するのはある思いのため。
(僕は……強くなる……)
そう、たとえこんな力があろうとも怖がられない程度に抑えられるように
力を使っていてもばれないように。
「マイナス100%」
次の瞬間、優一の体は飛び上がりそして落下した。
「……きゅう……」
優一には悩みがある、力の事を誰かに相談したいという思いと見られる事で
怖がられたくないという両立しない思いが。
不意のダメージで気絶している……この姿からは、想像しがたいかもしれな
いが……
優一の努力は続く、いつか……この悩みを打ち明けられる人が現れるまで。
時系列
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2006年1月
解説
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優一の朝の風景、に優一の悩みを重ねてみた。
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