[KATARIBE 29721] [HA06P] エピソード『咲き誇れ悪の華』

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Date: Tue, 31 Jan 2006 00:41:57 +0900 (JST)
From: 久志  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29721] [HA06P] エピソード『咲き誇れ悪の華』
To: kataribe-ml@trpg.net
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2006年01月31日:00時41分57秒
Sub:[HA06P] エピソード『咲き誇れ悪の華』:
From:久志


 久志です。
マメシバンプロジェクトスカウト編。またまたちょっぴり。

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エピソード『咲き誇れ悪の華』
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登場キャラクター 
---------------- 
 薗煮広矢(そのに・ひろや)
     :吹利県警広報に所属する『プロジェクト・マメシバン』仕掛け人。
     :その無茶苦茶な熱弁は薗煮時空と呼ばれている。
 相羽尚吾(あいば・しょうご)
     :吹利県警刑事部巡査、ヤクザも避けて通る、通称ヤク避け相羽。
     :意外とノリがよかったりする。犬というかぶっちゃけ狼。
 本宮史久(もとみや・ふみひさ)
     :吹利県警刑事部巡査、のほほんお兄さん。通称人間戦車。
     :相羽の長年の相棒にして、豆柴君の兄。犬に例えるとピレネー犬。

二大巨頭
--------

 夕方もとうに過ぎた、吹利県警。
 少々人のまばらになった県警内の休憩所にて、三人の男が椅子に座って向か
い合っている。

 相羽     :「宇宙刑事マメシバン、ねぇ」
 史久     :「……これはまた、随分と」

 隣り合って座りながら、手にした企画書を眺める二人。
 ヤクザも避けて通る、通称ヤク避け相羽こと相羽尚吾。昼行灯、人間戦車、
哂う悪魔、黒の系譜と様々な異名を持つ本宮史久。泣く子も黙る吹利県警屈指
の凶悪コンビである。

 薗煮     :「はい。途切れてしまった子供達との信頼を築き、共感し
        :合い、助け合いと優しさの心を教える真のヒーローとして。
        :真っ直ぐに子供達と向き合う為の企画です」
 史久     :「その志は……素晴らしいですね」

 握りこぶしを固めて語る薗煮にちょっと一瞬何か言いたそうな顔をするが、
疲れたように頭を振ってため息をつく。

 相羽     :「で、その主役のマメシバンがあの豆柴くんなわけか」
 薗煮     :「はい、我々の熱い想いに共感して快諾してくれました」
 史久     :「…………あいつは」
 相羽     :「いいんじゃないの?お似合いじゃん」

 思わず額を押さえて溜息をつく史久とにやにやと心底楽しそうに笑う相羽。
 二人を見据えて、こほんと小さく咳き込んで真剣に向き直る

 薗煮     :「そして、折り入ってお二人にお話があるんです」
 相羽     :「ん?」
 史久     :「僕らにですか?」

 一転して真剣な顔になる薗煮に思わず姿勢を改める。

 薗煮     :「宇宙刑事マメシバンのライバル、最強の敵にして吹利の
        :平和を脅かす悪の将軍……」

 手にした設定資料を掲げてびしぃと指差す。

 薗煮     :「この!ウルフ将軍役に是非、是非とも!相羽さんにお願
        :いしたくお呼びした次第です!!」
 史久     :「……は?」
 相羽     :「ほぉ」

 思わず脱力する史久とカエルの面に水といった風情の相羽。

 薗煮     :「悪役といっても、このポストは大変重要なんです!」
 史久     :「はあ」
 薗煮     :「マメシバンの最大最強のライバルにして吹利の平和を脅
        :かす悪の華!!ヒーローの存在を引き立たせ、目標であり
        :打ち倒すべき父なる存在でもあるのです!!」
 相羽     :「……へぇ」
 薗煮     :「その悪の華にしてダークヒーローであるウルフ将軍役に
        :是非とも、是非ともも相羽巡査についていただきたい!!
        :生半可な人物では勤まらないのです、ヒーローに負けない
        :圧倒的な存在感とカリスマ性が必要なんです!!そして、
        :この役に相応しいのは県警広しといえど相羽さんしかいな
        :いんです!」

 絶賛、薗煮時空展開中。

 薗煮     :「対抗する悪が華やかであるほど対なるヒーローがさらに
        :引き立つものなんです!!真にカリスマのある敵は幼稚園
        :バスをジャックしていてさえ神々しい悪のオーラに満ち溢
        :れているんですよ!!」

 どんなんやねん。

 薗煮     :「お願いします、相羽巡査!」
 相羽     :「いいよ」
 史久     :「……(ごほっ)」
 薗煮     :「本当ですかっ!!」

 先輩安請け合いしすぎ。

 薗煮     :「素晴らしいっ、敵幹部ウルフ将軍役に相羽さん。フーリ
        :基地のピレネー司令に史久さんの二大巨頭が……」
 史久     :「なっ」

 聞き捨てならない発言に思わず顔をあげる。

 史久     :「って、なんで僕までナチュラルにキャストに組み込まれ
        :てるんですかっ」
 薗煮     :「そんな!相羽さんといえば史久さん、史久さんといえば
        :相羽さん。古来よりピッチャーとキャッチャーは夫婦に例
        :えられるものではありませんか!」
 史久     :「誰が夫婦ですかっ!というか僕らはピッチャーでも
        :キャッチャーでもありませんっ」
 相羽     :「まあいいんじゃん?面白そうじゃん」
 史久     :「先輩も安請け合いしすぎです、というかどうしていつも
        :僕が巻き込まれるんですか……」
 薗煮     :「できる!できるぞ、最高のキャストが集結しつつある!
        :マメシバン!我々の夜明けは近いっ!」

 虚空に浮かんだ(薗煮脳内で)広報仲間にむかってVサインを決める薗煮。
 もはや止めるすべは無い。

 史久     :「……薗煮さん」
 相羽     :「聞いてないね、もう」
 史久     :「先輩……」
 相羽     :「まあ、たまにはいいじゃん」

 もはやこっちの話を聞いてない薗煮と、からからと他人事のように笑う相羽
に心の底から脱力する史久だった。


時系列 
------ 
 2005年末ごろ。
解説 
---- 
 ウルフ将軍、ピレネー司令キャスト決定。先輩
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以上。



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