[KATARIBE 29704] [HA06N] 小説『

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Date: Tue, 24 Jan 2006 19:59:13 +0900 (JST)
From: Tihiro <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29704] [HA06N] 小説『
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2006年01月24日:19時59分13秒
Sub:[HA06N]小説『:
From:Tihiro


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 [HA06N]小説『ちょっとした昔話』
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登場人物
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マスク・オブ・×:どこぞの異界の天使(?)。

×の所の神様:仕事いい加減かつ、怠慢気味。なぜこれが神様なのかは正直謎。

本文
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 気がつくと、いきなり天界(異界)に居た。この間休暇届出して3ヶ月も経っ
ていないのに、突然来たくも無い天界(異界)に居た。
 そして、自分の精神の変化に気づいた。
「……くっ、精神一つに戻ってる。ってことは…………」
 自分の背中に手を伸ばす。本音を言うと確かめたくはなかったが。
「……はぁ。やっぱりか」
 自分の後ろにある翼を触って確信した。天使、悪魔、堕天使の翼で3対6翼
、昔の姿に戻ってる。
「……なにがあったのやら。」
思わずため息を漏らした。
 ちょっと昔話をしようか。

×の昔語り
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 話は昔にさかのぼる。
 元々、俺は人格が3つあるわけではなかった。昔は『俺』の人格だけで、3対
6翼、つまり現在の姿だった。
 昔、この姿だったため、俺はいじめられっこだった。(まぁ、もちろんいじめ
られるだけの少年じゃなかったが。大抵相手の方が怪我してたがな。)
 その噂は昔の神様の耳にも届いていて、あるとき神様に呼び出された。(かな
り徳のある良い仕事してる神様だったしな)そして、人格を3つに分けられた。
翼も3つに分けられた。その結果、普通の生活ができるようになった。しかし、
世の中そうそう上手くは行かない、ちょっとした、問題点があった。
 どんなものかって言うと、感情が抑えられなくなった場合、簡単に言うと堪
忍袋の緒が切れたときとかだが、人格が入れ替わってしまうというものだ。
 3つに分けたといったが、結局の所、『俺』の中に3つとも内包しているわけ
で、ふとした拍子に入れ替わる。上に上げたもの意外でも、悪魔が混ざってい
たせいで、月の満ち欠けなんかも関係していた。

 こんなことを何度も繰り返していて、『俺』の中の天使をやってた奴が多少
(少々どころじゃなかったかもしれないな、うん)おかしくなってしまったり、
体調崩して3ヶ月くらい寝込んだりと、不安定だった。そして、最終的には自
分で人格交代を操れるようになってしまったわけだ。(何度もやってたらからだが覚えるって)
そして、そのまま仕事について今までやってきたわけである。それが突然昔
に戻ったわけだから、こちらとしても理由が分からないので、神の元へ向かう。
(仕事はしてないが、まぁ、状況を聞くには一番いいわけだな)

神様の実態?
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 今の神様は、俺の知り合いだ。正直、仕事あまりしないし、適当だが、猫被
って実績重ねて、今では神様の座にいる。神の座についたらついたで、また仕
事をあまりやっていないのだが。(それでも降ろされないから、やっぱそういう
ことは上手いんだよな)

……で、気は進まないが、奴の元へ向かうわけだ。うん。


 神の仕事場に行ってみると……ああ居た。椅子に座って寝てやがる。この野
郎。俺には沢山仕事押し付けてやがったのに。
「グランス、久しぶりだね。何のようかな、うん?」
 ……こいつ、狸寝入りか。猫被って、狸寝入りして、次は狐みたいに化かすか、オイ。しかもそっちの名前で俺を言う。ったく――
「ちゃんとおきてるなら仕事しろよ。第一、×って言え。」
「ああ、すまないね。久しぶりにそっちの格好だったから、つい、ね」
 絶対コイツ、意識してやってやがるな。昔も確信犯だったし。
 思わずため息が出た。
「それは良いとして。何でその姿に戻ったかだろう?」
「分かってるなら、とっとと理由を教えろ。」
 分かってるくせに、人に遠回りをさせる。というか、楽しむんだよな。性格
悪いぞ。言っても無駄だろうからいわないけどさ。
「ただで教えるわけ無いでしょ。また仕事に復帰してよ。そしたら良いよ♪」
ぐっ、人の痛いところを……
「それ以前に、お前が仕事をしてないのが悪い。どうせ仕事はたまってるんだ
ろう。そこは自分の責任だ。そしてこっちは神様に聞きに着たんだから、教え
ろよ。これも仕事だろうが。」
 すこしは抵抗してやる。……いや、多分負けるが。
「他の仕事が片付いてないから、君のは後回しになるなぁ。グランス君?」
 だめだ、何言ってもかてねぇ(元々こっちの方が不利だったのは確かにある
が)
「OK,OK、了解した。休暇取り消して、仕事に戻ればいいわけだな。そし
たらこっちの件の理由を素直に言うわけだな。」
「いいよ。第一僕はいつも素直だよ。グランス君も人聞きの悪いなぁ」
 嘘だ。絶対嘘だ。素直だったときなんて数えるくらいしかないぞ。そして、
グランスって言うなコイツ。
「もういいぞ……。分かった。素直に従おう。職場に戻るから、原因を頼む。」
 勝ち目無し。グランスでも何でも言うがいいさ。このやろう。
「はいはい、簡潔に言うと、前の神様が死んじゃって、君に掛かってた魔法の
効果が切れちゃったわけだね。あの魔法は使用者の力がないと駄目だし。」
「なるほどな。爺さんは死んだか。で、お前は掛けれるのか、それ。」
 コイツも神なので、望み薄だが聞いてみる。(なにせ、魔術じゃなく魔法だっ
たしな。)
「駄目に決まってるじゃない。お爺さんも教える体力無かったしね。病気だっ
たのは知ってるでしょ。」
確かに知っていた。もう先長くなかったはずだったしな。にしても、コイツ
が出来ないなら(大体魔術しかできなかった筈だし期待はしてなかったが)他も
駄目だろう。
「分かった。じゃあ、帰るぞ。」
「うん、仕事は明日来てね。沢山あるから、よろしくね」
 ひらひら手なんて振りやがって。帰るぞ。――っと、先に行かないとな。


―――――2時間後
「グランスも大変だね。まぁ、彼なら大丈夫だろうけど。」
ぼそりと神様が言う。横に居た事務員が不思議そうに尋ねる
「どうかなさいましたか?」
「なんでもないよ。」
昔の神様の前に添えてある花を見ながらつぶやく神様であった。


時系列と舞台
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 2005年、年末頃の事。

解説
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 ×が元に戻った時のことをやってみました。
それにしても、神様、こんなので……大丈夫かなぁ。(ぇ
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