[KATARIBE 29698] [HA06P] エピソード『プロジェクトマメシバン、始動』

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Date: Sun, 22 Jan 2006 23:52:31 +0900 (JST)
From: 久志  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29698] [HA06P] エピソード『プロジェクトマメシバン、始動』
To: kataribe-ml@trpg.net
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2006年01月22日:23時52分31秒
Sub:[HA06P] エピソード『プロジェクトマメシバン、始動』:
From:久志


 久志です。
マメシバンプロジェクト、ちょっぴり取っ掛かりなど。

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エピソード『プロジェクトマメシバン、始動』
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登場キャラクター 
---------------- 
 薗煮広矢(そのに・ひろや)
     :吹利県警広報部。明らかに就職先を誤ったノリノリ企画人。
 本宮和久(もとみや・かずひさ) 
     :吹利県警生活安全課巡査の生真面目さん。犬にたとえると豆柴。
 その他たくさんの大きなお友達
     :意外と県警内にいるらしい。

企画会議
--------

 吹利県、吹利県警。
 会議室の机には広報部の面々が顔を揃え、脇に置かれたホワイトボードの上
に黒マジックで大きく『交通安全・防犯運動キャンペーン企画案』と表題が書
かれている。だが、その下には何も文字は書かれておらず真っ白なままだった。

 広報1    :「ううむ、今年の吹利県警交通安全防犯運動キャンペーン
        :はどう行くか」
 広報2    :「毎年恒例の着ぐるみ動物とパーポくんとで交通指導とい
        :うのは」
 広報3    :「またアレか」
 薗煮     :「…………」

 会議室の席を埋めた一同の顔に、うんざりとした表情が浮かぶ。
 吹利県警、交通安全・防犯運動キャンペーン。
 その名のごとく幼稚園小学校の児童を対象にして、交通安全指導と防犯に対
する呼びかけをするというありがちなものである。
 毎年、動物やマスコットのパーポくんの着ぐるみを着た有志警察官達による
小さなショーを行いながら交流を行っていた。

 広報1    :「最近の子供はちょっと着ぐるみきた程度じゃ喜ばないか
        :らなあ」
 広報2    :「完全に舐められてますからねえ、父兄にも」
 広報3    :「真面目にこっちの話も聞いてくれないし」

 そうなのである。
 ここ数年、交通安全・防犯運動キャンペーンの人気は下降線を続けている。
 昨今、ちょっと大人びた最近のお子様たちは着ぐるみショー程度では喜んで
くれないのである。ショーや指導の間もこちらの話を聞かない、落ち着きなく
騒ぐ、着ぐるみ警官達に悪戯をするなどマナーも悪化の一途である。
 そして、そんな舐められっぱなしのショーの為にわざわざ時間を割いて着ぐ
るみを着て練習する羽目になる警察官達のやる気も下がる一方なのだった。

 広報1    :「有志のモチベーションも下がる一方だし」
 広報2    :「散々耐えてショーや指導をしても全く効果がないねえと
        :また上の人達から嫌味言われちゃいますねえ」
 広報3    :「……参加人数あつまるかな」

 ため息をつく企画部の面々の中、音もなく、立ち上がる一人の男。

 薗煮     :「……我々は、基本を忘れてしまってはいないか?」
 広報1    :「薗煮、どうした?」
 薗煮     :「子供たちの為といいながら、子供の立場に立って向き合
        :うことを忘れてしまっている」
 広報2    :「ど、どういう意味だ」
 薗煮     :「子供ならば着ぐるみを着てショーをやったら喜ぶだろう
        :という、まさに大人の視点から見下した立場で考えてはい
        :まいか?」
 広報3    :「そ、それは……」
 薗煮     :「子供とは純粋だ、それゆえに鋭い。そういうった我々の
        :態度や子供だましとしか思えないやる気のないショーを見
        :せられて喜ぶとおもうか?いや、悪戯に莫迦にされている
        :という反発心を産んでしまうだけだ!」

 ばん、と勢い良くホワイトボードを叩く

 薗煮     :「だからこそ、我々は真摯に子供達と向き合い、途切れて
        :しまった信頼を繋ぐべきではないのか? そしてその為に
        :我々は子供たちの視点に立ち、大人も子供も納得するよう
        :な企画を提案しなければならない!」
 広報1    :「し、しかし……それは、どんな企画を」
 薗煮     :「今の子供たちに欠けているものとはなんだ」
 広報2    :「え?」
 広報3    :「欠けているもの?」

 一瞬、顔を見合わせる広報たちの顔を眺めて小さくうなづく。・

 薗煮     :「それは、ヒーローだ」
 広報1・2・3:「ヒーロー?」

 薗煮     :「そう平和と正義を愛し、何よりも真っ直ぐに真剣に子供
        :達と向き合い、喜び悲しみを共有し、人を救いたいという
        :嘘偽りない気持ちを持ち、その為ならば自らの命を賭すこ
        :とも辞さない完全無欠のヒーロー! これこそ昨今の大人
        :を信じられなくなってしまった今時の子供たちに必要なも
        :のなのだ!」

 バシンと机を叩き、唾を飛ばして力説する薗煮。目が結構ヤバイ。

 広報1    :「しかし、そんなものが」
 薗煮     :「案はある」
 広報2    :「なんだと」
 薗煮     :「県警に勤めはじめてから長年暖め続けてきた、企画」
 広報3    :「それは一体……」

 広報達の視線が集中する中、一旦言葉を切って溜める。

 薗煮     :「それこそ……名づけてプロジェクトマメシバン」
 広報1・2・3:「……プロジェクト、マメシバン……」

 風が変わった。

 薗煮     :「このプロジェクト、必ずや成功させて見せる」

 吹利県警広報部、薗煮広矢、立つ。

 プロジェクトマメシバン、始動。

時系列 
------ 
 2005年末ごろ。
解説 
---- 
 吹利県警企画会議にて、プロジェクトマメシバン始動。
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
以上。

 マメシバン始動。というか薗煮くんノリノリすぎ。


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