[KATARIBE 29697] [HA06P]エピソード『食い倒れな貘(或いはバカ)がやってくる! (前半分)』

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Date: Sun, 22 Jan 2006 21:27:35 +0900
From: <cheka-s@infoseek.jp>
Subject: [KATARIBE 29697] [HA06P]エピソード『食い倒れな貘(或いはバカ)がやってくる! (前半分)』
To: "kataribe-ml@trpg.net" <kataribe-ml@trpg.net>
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 再びごきげんよう。蜃楼鋒です。
 チャット内でいくつか規約に反するという指摘を多々受けたので、
修正版を送ります。(汗
 完璧に修正してくださったので、これで大丈夫です。

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[HA06P]エピソード『食い倒れな貘(或いはバカ)がやってくる! (前半分)』
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登場人物
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 本多旅邁(ほんだ・つらゆき)  :普通科二年。食道楽な貘。
                :常に態度がでかく横柄な口調。
 高瀬夕樹(たかせ・ゆうき)   :実験科二年。歌詠み。この創作部で唯一
                :良識のある学生。
 御厨正樹(みくりや・まさき)  :実験科二年。魔導発明家、時々発明品を
                :爆発させたりする。他人に対する興味が
                :薄い。
 一之瀬二条(いちのせ・にじょう):実験科二年。外国から来た転校生。
                :料理上手。
 一之瀬京(いちのせ・きょう)  :実験科二年。外国から来た転校生で、
                :二条の義妹。料理上手その2。
 蒼雅紫(そうが・ゆかり)    : 実験科二年。蒼雅家、霊隼使いの天然
                :ドジっ子娘。鈍い
 呉羽(くれは)         :紫の使う霊隼。
 風祭優一(かざまつり・ゆういち):ベクトルを操作できる中学生。真面目で
                :優しいが、性格は暗い。

本文
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 きっかけは、風祭優一君に創作部の備品と思しき林檎を返しに行かせようと
して始めたらしい。
 ちなみに、その林檎は爆弾ではないとか。

 優一     :「……創作部はここかな……(道教えてくれた先輩は何だ
        :か怖がっていたけれど、何かあるんだろうか……)」
 優一     :「(こんこん) すみませーん」
 夕樹     :「はぁい、どうぞ」
 優一     :「(ガラガラガラ) しつれいしまーす」
 一之瀬    :「どなたでしょうか?」
 優一     :「あ……えっと中等部3年の風祭と言います。これはこち
        :らのものだと聞いて来たんですが……? (林檎を取り出
        :す)」
 夕樹     :「林檎? ……って、誰かナマモノ扱ってましたっけ?」

 部屋の中を見渡す。
 隅の方で、黒焦げになってる個所を見つける。

 正樹     :「……げほっ……ごほっ……」
 京      :「(頭から血が)」
 夕樹     :「ああ、さっきの……(正樹が盛大に吹っ飛ばした林檎か)」

 創作部の備品と思しき、乾燥しきって且つ重い林檎。
 それを正樹が、見事爆弾に仕上げたまではよかったのだが……

 夕樹     :「(苦笑)その結果がこれだもんね……」
 優一     :「あの、こちらでよろしかったんですか……?(おろおろ)」 
 夕樹     :「うん。多分良いんじゃないかな」
 一之瀬    :「(苦笑) 普通は林檎は飛びませんけどね……」
 正樹     :「りんごがどうかした?」
 夕樹     :「この子がわざわざ持ってきてくれたそうです」
 正樹     :「(すまなさそうに)あぁ……どうもありがとう」
 優一     :「いえ、どういたしまして(深深と)」

 ここで割り込む。

 旅邁     :「(勢いよく扉を開ける) 創作部はここか?」
 優一     :「(ビックリして、隅に退く)」
 夕樹     :「そうですが」
 一之瀬    :「…………はぁ」(手当て手当て
 旅邁     :「そうか。して、料理人は何処だ?」
 夕樹&正樹  :「……は?」 

 見事にはもった。

 一之瀬    :「あー、包帯がきれてる」
 旅邁     :「む、ここは“料理”創作部ではないのか?」
 正樹     :「(首を振る) 違う違う」
 京      :「(手当てをされながら) 私は料理出来ます」
 一之瀬    :「……いや、そこは答える場所じゃないですよ (汗)」
 正樹     :「うちは、“何かを”創作する部活」
 旅邁     :「(眉を顰める)間違いではないじゃないか。料理を創作す
        :る……のだろう?」
 夕樹     :「(苦笑) 料理限定じゃないですよ」
 一之瀬    :「(苦笑) まぁ、料理もありといってはありですが……」
 正樹     :「創作が料理だけだなんて世界が狭いぞ」
 旅邁     :「(再度眉を顰める)  ……普通そうではないのか?」

 この場に居る全員が脱力する。

 京      :「(キッパリと)違います。辞書で調べてみてはどうです?」
 優一     :「(口を挟もうとしてるが、願い叶わず)」

 左様。変人の巣窟、創作部をなめるでないよ。

 夕樹     :「僕は変人じゃないよ (苦笑)」

 誰に向かって言ってるんですか。

 旅邁     :「なら問題はないな」

 お前もお前で、何が問題ないんだ。

 旅邁     :「(余計なモノも含め、皆のクレームを綺麗に無視し、
        :満足したように頷く)入部を希望したい」

 夕樹     :「……あぁ、何だ入部希望の人だったか……ぶちょうー?
        :いますかー?」

 反応はない。

 夕樹     :「(すまなそうに)相変わらず、いるようないないような
        :部長です」

 形而上の部長。

 旅邁     :「(眉根を寄せる)お前が部長ではないのか?」

 部長はみんなの心の中にいる。
 振り向くと部長がいる。

 旅邁     :「気持ち悪いな (即、一蹴)」 
 夕樹     :「(苦笑)……まぁ、居る時には居るんで気にしない方が言
        :いさ」
 旅邁     :「(鼻を鳴らし)そうか」
 優一     :「(おろおろおろ……)」
 旅邁     :「(思い出したかのように)聞き忘れたが、お前も部員か
        :(優一に向き直る)」 
 優一     :「(ホッとして)あ、いえっ僕は違います (でも慌てて)」
 旅邁     :「(満足そうに頷く) なら問題はないな。貴様も僕と一緒
        :に入れ (強引に誘う)」
 優一     :「(戸惑い) いえ、僕は中学生なんで (何かやばそうな
        :ので) それでは、失礼します (慌ててそう繋ぐ)」
 夕樹     :「(思い出したかのように) ああ、わざわざありがとう」
 優一     :「(振り向かずに口だけで)いえ、どういたしまして(そ
        :のまま立ち去る)」

 風祭優一、退場。

 旅邁     :「(特に気にした様子もなく) んで、部員は合計何人いる?
        :(勝手気ままに話を進めて行く)」
 夕樹     :「えっと……部長、副部長、僕、正樹、一之瀬二条さん、
        :一之瀬京さん、後はこの場には居ないけど中内さんと……」
 呉羽     :「ピィッ」

 ばさっと羽を広げたハヤブサが舞い降りてくる 

 京      :「(捕まえる)」
 呉羽     :「ピィィっ! (バランスを崩して落ちる)」

 遠くで悲鳴。

 正樹     :「先に言っとく、食べるなよ」
 一之瀬    :「京、離しなさい」(汗
 紫      :「あいたたた……」

 ちょっと離れた位置で転倒している紫。

 旅邁     :「……ッチ (舌打ちすると、ナイフを懐にしまう)」
 正樹     :「……(えぇい、やっぱり食べる気だったかっ)」

 実に物騒な奴だ。

 一之瀬    :「あー、大丈夫ですか紫さん(慌ててて駆け寄る)」
 紫      :「(ぺこぺこと頭をさげて)すみません!日直のお仕事で遅
        :れてしまいました!(何度も繰り返す)」 
 一之瀬    :「こちらこそすみません。京が呉羽さんを捕まえてしまっ
        :て」(ぼそ 
 正樹     :「大丈夫、蒼雅さん? (こちらも心配そうに駆け寄る)」
 旅邁     :「(実に冷めた眼で見つめ)そいつは誰だ? (横柄に言う)」 
 正樹     :「蒼雅紫さん。この娘もうちの部員」
 紫      :「(旅邁に気付く)あ、新入部員のお方ですか? 初めまし
        :て、蒼雅紫と申します(ふかぶか)」

 既に、横柄な態度では何のリアクションも示さない創作部……
 それ以上の自体が多かったからなぁ (ぼそ

 旅邁     :「そうか。ソウガユカリだな? (名前の発音を聞く)」
 紫      :「はい、これからよろしくお願いします(又もふかぶか)」
 旅邁     :「こちらこそ。僕の連絡先は既に彼に言ってるから、(正
        :樹を指差す) 気が向いたら、いつでも連絡するといいさ」
 正樹     :「……人を指差さない(ため息)」
 旅邁     :「(指を下ろさずに) ……して、お前は誰だった?」
 正樹     :「(呆れたように) ……御厨正樹(みくりや・まさき)」
 旅邁     :「厨か……家は野菜屋やそれ関連の貯蔵庫か?」
 正樹     :「ぜんぜん違う (即答)」
 旅邁     :「む、変だな。厨は厨房のことを意味する字なのにな……
        :(残念だ、とばかりに溜息を吐く)」
 正樹     :「いまどき、苗字で職業なんてないだろう……」
 旅邁     :「それはそうと、まだ全員の自己紹介が済んでないな(綺
        :麗に無視する)」
 ダブル一之瀬 :「(顔を背ける)」
 夕樹     :「(苦笑)」
 紫      :「…………? (よく状況が捉めていない)」
 旅邁     :「(苦虫を噛み潰した表情になり)何故そこで沈黙してしま
        :う?」
 正樹     :「状況についていけて無いんだろう (呆れたように)」
 旅邁     :「(使えん奴等だ)右から、御厨正樹、一之瀬二条、一之瀬
        :京、蒼雅紫……この場に居るのはこれで全員か?」

 お見事。よく覚えていましたね?

 夕樹     :「(怪訝そうに)……そういうあなたの名前を聞いていない
        :気がしますけどね。聞き逃しただけでしょうか?」
 旅邁     :「む、言ってなかったか……(気を取り直して) 僕は本多
        :だ。本多旅邁。普通科の2年。よろしく、高瀬夕樹」
 夕樹     :「どうぞよろしく」
 紫      :「本多様ですね。お互い創作活動をがんばりましょう」
        :)うんうんと 
 旅邁     :「あぁ、よろしく(口だけで話すと) して、ちょっと聞き
        :たいことがある」
 紫      :「わたくしにですか?(肩にハヤブサを留まらせたまま首
        :を傾げる)」
 旅邁     :「部員申請をしたいのだが、ここの顧問は誰だ? Wikiを
        :見たが何も書かれてはいなかったが……」

 居るけど、名前不明?……どうやらそうらしい。

 旅邁     :「そうか。一度ゆっくりと話をしてみたかったが……これ
        :ではダメだな (肩を竦める)」

 日本史担当のお爺ちゃん先生とかいいかもしれませんね。

 紫      :「(心配そうに)本多様、どなたと会話をなさっているので
        :すか?」
 旅邁     :「安心しろ。(メタ発言は) よくある事だ」
 紫      :「……えっと……はぁ……(何があるのでしょうか?)」(汗
 正樹     :「(ようやく一区切りか……)自己紹介もすんだし、作業に
        :戻るわ……」
 旅邁     :「(折角なので)手伝おうか?(依然、高みから見た発言)」
 正樹     :「必要ない、むしろ邪魔(ばっさりと切り捨てる)」
 旅邁     :「(特に気にした様子もなく)失礼な奴だ」

 一瞬だけ、彼の眼が開いたような気がした。

 正樹     :「お互い様だ(作業に戻ろうと踵を返す)」 
 旅邁     :「待て。(正樹を引き止める) ならばその前に、これだけ
        :答えてから好きに戻れ」
 正樹     :「(鬱陶しそうに)  ……まだ何かあるのか?」
 旅邁     :「そうだ。(横柄な態度で) 僕は何を創作すれば良い?」

 ……まだまだ波乱は続くようだ (ぉ

時系列と舞台
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 2005年、部活動入部にはちょっと遅い時期での、創作部部室内でのやりとり。

解説
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 これが、創作部メンバーととあの阿呆との初めての接触シーンです。
 料理部を追い出された旅邁が、「創作」と言う言葉に釣られて興味半分で
覗いた時の話。ここら辺の詳しい経緯は次回に持ち越し。
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$$

 いや〜実に旅邁は横柄だ。これじゃぁ誰も係わってくれない訳だ。
尚、ふきらさんは、お手数ですがキャラ紹介の補完をお願いします。(ペコリ


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