[KATARIBE 29615] [HA06P]秦弥の贈り物

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Date: Sat, 24 Dec 2005 21:12:40 +0900
From: asakura <guilsn@boat.zero.ad.jp>
Subject: [KATARIBE 29615] [HA06P]秦弥の贈り物
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ども、輝士都です。
ちょこっとかいたので、送ります。
ぎりぎりですが、ネタを仕込んで置くw
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[HA06P]エピソード「秦弥のクリスマスプレゼント」
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登場人物
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 秋風 秦弥(あきかぜ・しんや):吹利学校高等部普通科2年、スポーツ
                 シューティング部部長。
                 現在、良い彼氏になるため奮闘中。
                 http://kataribe.com/HA/06/C/0496/
 
 佐上 氷我利 (さかみ・ひがり) :佐上雑貨店店長代理。
                 秦弥とは年の離れた幼馴染。
                 手先が器用で、店には彼お手製の小物が
                 並んでいたりもする。
                 http://kataribe.com/HA/06/C/0497/
 
 佐上 彩乃 (さかみ・あやの):氷我利の魔道杖、大事な相棒。
                 http://kataribe.com/HA/06/C/0502/
 
佐上雑貨店 居間
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 氷我利は、居間のテーブルにビニールシートを敷き、
 工作道具を広げていた。
 手にはデザインナイフ、机の上には秦弥が買って来たネックレスが
 固定してあった。
 氷我利は固定式のルーペを覗きながら、手を動かしている。

 秦弥      :「……ごくっ」
 氷我利     :(やれやれ……うらやましいこったな……)
 
 今、氷我利がしているのは記述式魔術の刻印作業だ。
 プロのレベルではないが、違和感が無いようにデザインに溶け込むように
 刻み込む。
 刻み込むのは夜間発光の記述。
 派手に輝くのではなく淡く、だが存在感のある光を生み出すものだ。
 色は白、うまく行けばネックレスの模様がより輝いて見えることだろう。
 本来なら、自分のプレゼントにこういうものを施すべきなのだろうが、
 そういう相手は、残念ながら今のところ居ない。
 
 氷我利     :(とはいえ、ほいほい出歩くような職業でも、性格でも
          無いんだよな、実際)
 
 作業自体はそんなに難しいものでもなく、さして時間もかけずに終わる
 だろう。
 
 氷我利     :(とはいえ、これだけだと面白くないな……何か無いか)
 
 作業の手を止めずに少し考える。何か、秦弥の手が入ったとわかりやすい
 物は何か無いだろうかと。
 
 氷我利     :(ふむ……やはり定番が一番だな、あいつには)
 
 変わった事をしても、秦弥がついていけまい。
 
 氷我利     :(追加記述エミュレート……よし。)
 
 ちょこっと、依頼以外の内容を記述して記述完了とする。
 
 氷我利     :「よし、終わったぞ」
 秦弥      :「あ、ありがとうございますっ」
 
 いつもと比べかなり素直だ、余裕が無いのだろう。やはり、うらやましい。
 さて、困らせてやるか。
 
 氷我利     :「ああー、ちょこっと追加記述してある。」
 秦弥      :「え? なんのですか? 」
 氷我利     :「それに魔力を込めつつ喋った内容が、相手が手にした
          瞬間に、脳内に再生される」
 秦弥      :「え゛……」
 氷我利     :「(おー固まっとる、固まっとる)ちなみに、メッセージ
          を込めないと光らないから」
 秦弥      :「なっ……」
 氷我利     :「あ、書き直すのは無理だから」
 秦弥      :「……」
 
 何故か打ちのめされたかのように店を去る秦弥。
 
 氷我利     :「くっくっく……いやぁ……楽しみだなぁ……」
 
 本当は、握った時の持ち主の気持ちが込められるのだが、それは
 秘密だ。
 記述の内容がわかっていた相棒の魔道杖がつぶやいた。
 
 彩乃      :「氷我利……後で撃たれるよ? 秦弥に……」
 氷我利     :「何、覚悟の上さ」
 
 まぁ、初めて出来た彼女だ大事にしてやれ……秦弥。
 

時系列
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2005年12月

解説
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秦弥のプレゼントにある魔術的細工を刻んであげた氷我利。
夜間発光、メモリー再生、あとちょっとしたお守りの効果がある。

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