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Date: Wed, 09 Nov 2005 01:11:15 +0900
From: "Hikaru.Y" <hukira@blue.ocn.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29505] [HA06N]小説『震えるふか』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200511081611.AA00112@hikaru-h8akl379.blue.ocn.ne.jp>
X-Mail-Count: 29505
Web: http://kataribe.com/HA/06/N/
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ふきらです。
三十分一本勝負（http://hiki.kataribe.jp/HA06/?OneGameMatchfor30Min）。
お題は
00:16 <Role> rg[hukira]HA06event: ふかが震えていた ですわ☆
でした。キャラチャの内容を再構成しています。
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小説『震えるふか』
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登場人物
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一白（いっぱく）：http://kataribe.com/HA/06/C/0583/
津久見神羅の式神。
ふか：http://kataribe.com/HA/06/C/0204/
ふか。
本編
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神社の境内の広葉樹はその葉の半分以上を赤く染めていて、秋が既にこの街
に染み渡っていることを示している。
太陽が出ているとは言え、朝は吐く息が白くなるほど寒くなっている。一白
は一人神社の境内をぼんやりと歩いていた。
そんなに高い位置にあるわけではない太陽が、境内に木々の影を落としてい
る。
ポツリポツリと点在する日向の部分だけを踏むようにして、一白は境内を
ピョンピョンと跳ねる。そして、ふとその日向の中の一つに白い毛玉のような
ものがいるのに気がついた。
「なんだろ？」
一白はしゃがみこんで、じっと見た。
その毛玉は小刻みに震えている。彼は恐る恐るその毛玉を突いてみた。
びくっ、とその毛玉は身を大きく震わせる。そして、くるりと振り向くと一
白の方をうるうるとした目で見上げた。
まだ震えている白い毛玉は、しばらくじっと一白の方を見つめると、彼の襟
元に向かって大きくジャンプした。
「うわっ」
思わず仰け反ってしまう一白。毛玉はそんな彼の着ている服の中に潜り込ん
でもそもそと動いた。
「ふはっ。くすぐったいよぅ」
その毛はふわふわと柔らかく、一白は少し身をよじった。毛玉はしばらくも
そもそとしていたが、やがて良いところを見つけたのか、ちょうど一白の胸の
真ん中当たりで静止した。
うるうるとしていた目が、次第にとろんとしてくる。どうやら外が寒かった
らしい。
一白は襟元から中を覗き込んだ。
「ところで、君は何なの？」
「ふかっ」
「ふか？」
それが一白の問いに対する答えなのか、そもそも質問を理解していたのか分
からないが、とりあえずふかという名前なのだろう、と一白は思った。
ふかは一白の服の中で気持ちよさそうに左右に揺れている。一白もその動き
にあわせて何となく左右に揺れてみる。
十分暖まったのかふかは一白の服の中から飛び出した。
「ふかっ」
大きく日が照っている部分にジャンプした。そして、その姿は光の中に溶け
るようにして消えてしまう。
「あ、消えちゃった……」
ふかが消えてしまった場所を寂しそうな表情で見つめる。
「また会えるかな？」
一白は首をかしげて、ぼそりと呟いた。
時系列と舞台
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2005年11月。帆川神社にて。
解説
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さて、もう一度ふかに会えるのか、それとも今度はもけと会うのか。
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