[KATARIBE 29495] [HA06P]秦弥の恋物語その2「尊さんに起こられる」

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Date: Fri, 04 Nov 2005 12:50:40 +0900
From: asakura <guilsn@boat.zero.ad.jp>
Subject: [KATARIBE 29495] [HA06P]秦弥の恋物語その2「尊さんに起こられる」
To: 語り部ML <kataribe-ml@trpg.net>
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Web:	http://kataribe.com/HA/06/P/
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ども、輝士都です。
ログきり練習アンドラブ耐性強化訓練その3。
慣れてきた気はしますが、あんまりうまくはなっていないかも。

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EPログ「尊さんに怒られる」

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登場人物及び、話の中に出てくる人物。

 秋風 秦弥(あきかぜ・しんや):http://kataribe.com/HA/06/C/0496/
   :吹利学校高等部の普通科2年。現在後輩の中村蓉子さんと交際中

 中村 蓉子(なかむら・ようこ):http://kataribe.com/HA/06/C/0509/
   :吹利学校高等部の普通科1年。秦弥の彼女、微妙なお年頃の女子高生

 如月 尊 (きさらぎ・みこと):http://kataribe.com/HA/06/C/0069/
   :FLOWER SHOP Miko の若き(?)店長さん、色々と鈍い秦弥に
   :アドバイスをくれるおねーさん

 本宮 和久(もとみや・かずひさ):http://kataribe.com/HA/06/C/0073/
   :不幸な巡査さん、最近尊さんと良い感じらしい。


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フラワーショップMikoにて


 秦弥      :「とりあえず、尊さんにはお世話になったし。一応お礼
         :を言っておかないと」
 SE       :ピンポーン
 尊       :「はーい、どなたー? (とてとて)」
 秦弥      :「こんにちは。尊さん」
 尊       :「あら、秦弥君。いらっしゃい、あ、塩羊羹? ちゃんと
         :まだとってあるわよ? (くす)」
 秦弥      :「え!? ほんとですか! ……っじゃなくて。今日はお礼
         :を言いに来たんですけど」

思わず、本来の目的を忘れそうになるが、思いとどまる。

 尊       :「お礼……って、もしかして……二人に? ってまぁ、と
         :にかく上がって? お茶入れるから」
 秦弥      :「あ、はい。お邪魔します」
 尊       :「(キッチンから)せっかくだから、お抹茶たてるわね
         :そこ座ってちょっと待っててね」
 秦弥      :「はい」

 好物を前におとなしく待つ秦弥。犬だったら尻尾を振っているのかもしれな
 い。

 尊       :「はい、ちょっとまってね(塩羊羹を出して、茶筅でお
         :抹茶しゃかしゃかと)」

 抹茶色の器に入れたお茶を持ってくる尊さん。

 尊       :「はい、お待たせ、どうぞ(前に抹茶椀をトンと)」
 秦弥      :「ありがとうございます」
 尊       :「で? 」
 秦弥      :「えっと、一応、片方を選ぶことも出来たので、お世話
         :になった尊さんにはお礼を言っておこうかなと」

 かなり照れながらいう秦弥。

 尊       :「!? ……そっか……決めたんだ(ふぅ)」
 秦弥      :「はい」
 尊       :「で、頼りたいと、守りたい、どちらを選んだのかな」
 秦弥      :「守りたい、の方です」
 尊       :「そか……(くたっとソファーに沈み込んで)
         :珠魅ちゃん……」
 尊       :「に、一度うちに遊びに来るように伝えて……
         :くれないかな」

 さすが、おねーさん。アフターフォローも万全です。

 秦弥      :「えっと、僕が。ですか」
 尊       :「伝えるのは秦弥君からでなくても良いんだけど……
         :一度来てもらいたいかな」
 秦弥      :「いい人ですね。尊さんって」
 尊       :「いい人……単なる御節介焼きよ(苦笑)」
 尊       :「で、いつ? 」
 秦弥      :「一応連絡先は知ってますから。今度言って
         :おきます」
 尊       :「ん、そうしてくれるかな」
 尊       :「で、蓉子ちゃんとは何時、いくの? (くす)」
 秦弥      :「へ? 何のことです? 」
 尊       :「へ? なにって……」

 何でこの流れでわからないのかと、驚くおねーさん。

 秦弥      :「いえ、行くって何処にですか? 」
 尊       :「……でーと……だけど? 」
 秦弥      :「デート………あぁ、なるほど」
 秦弥      :「予定は、してないです」

 この一言が、おねーさんに火をつけた。

 尊       :「………『してない』………ないぃ? (ゆらぁり)」

 背後に沸き立つ、炎のオーラ。

 秦弥      :「ど、どどどど、どうかしましたか」

 いきなりの豹変にあわてる秦弥。

 尊       :「(ゆらぁりと立ち上がって)秦弥君、そこに正座
         :(みょーに物静かに)」
 秦弥      :「はっ……はいっ」

 剣幕に押されてあわてて正座。

 尊       :「いいこと? 蓉子ちゃんの気持ち考えてあげなさい
         :(腕組みしてじろっと)」
 秦弥      :「え〜、えっと……」
 尊       :「 今、彼女は自分が好きな人からも告白されて
         :嬉しいです。 でも、副部長さんには申し訳ない」
 尊       :「そんな不安な状態で……でーとにも誘ってない……
         :(ゆらぁり)」
 秦弥      :「(ひ、ひぃぃぃぃ)」
 尊       :「……ちゃんとデートに誘ってあげなさい、コレは
         :男の務めよ(どきっぱり)」
 秦弥      :「は、はい」
 尊       :「ちょっとまってね
         :(サイドボードの引き出しゴソゴソ)」
 尊       :「はい、商店街の割り当てで貰ったものだけど、
         :あげるからどれでも好きなの行ってらっしゃい」
 秦弥      :「へ? 」

 水族館、遊園地、美術館、スポーツ公園の券 各二枚づつを渡してくれる
 おねーさん。

 秦弥      :「………、蓉子は何が好きなんだろう……
         :(真剣に悩み出す)」
 尊       :「ま、いいわ、全部あげるから(くす)」

 普通は、全部行くところだけど。好き嫌いがある秦弥にしてはいきたくもな
 いところに行かせたくないなと思って悩んでいたりする。

 秦弥      :「…あ、ありがとうございます」
 尊       :「ただし、条件が一つあります」
 秦弥      :「なんでしょうか」
 尊       :「この券をあたしから貰った事、蓉子ちゃんには
         :内緒にしといてね」
 秦弥      :「はい」
 尊       :「ま、蓉子ちゃんなら、誘ってくれれば何処でも
         :嬉しいと思うけどね(くす)」
 秦弥      :「ん〜、でもやっぱり、行きたい所って有ると
         :思うし」
 尊       :「はいはい(ぱたぱた)その辺はらぶらぶかっぷるで
         :相談して決めて頂戴(くすくす)」
 秦弥      :「か、からかわないでくださいよ」
 秦弥      :「あ、本宮さんにもお礼を言っておかないと……」
 尊       :「はいはい、馬に蹴られない程度にしておくわね
         :(くす)ま、男らしくびしっと誘ったげなさい」
 秦弥      :「はい……」
 尊       :「!? っ……もっ……もとみや…くん? (汗)」
 秦弥      :「……? どうかしたんですか? 」
 尊       :「な……んで(昨日の事思い出してまっかっか〜)」
 秦弥      :「…尊さん? 」
 尊       :「あーうん、な、何でもない、わ(あはは)
         :な、なんで本宮君に? (あせあせ)」
 秦弥      :「…本宮さんにも相談に乗ってもらったからですけど。
         :何だか似たような経験があるらしくて」
 尊       :「あ、あははは(汗)そ、そう? そうなんだ……(汗)
         : か、彼にもヨロシク伝えてね(滝汗) 」

 不意打ちに出てきた「本宮さん」に若干声が裏返り気味のおねーさん

 秦弥      :「…尊さん、顔が赤いですよ? 」
 尊       :「あ、あはは、今日は暑いよね〜(そっぽ向いて) 」

 そこまで露骨に話題逸らそうとすれば自分以外の事には鈍くない秦弥に気づ
 かれるわけで。

 秦弥      :「…なるほど。そう言うことですか。(一人で納得)」
 尊       :「ちょ、な、なに納得してるのっ!? (あせあせ)」
 秦弥      :「え? 尊さんは本宮さんに気があるんでしょ? 」

 SE       :ガッシャーン(片付けようとしてた茶碗ごとコケた)
 尊       :「あうあうあう(滝汗)」

 直球ど真ん中なセリフにあせって派手に転んでしまうおねーさん。

 尊       :「あ、あたしの事はいーから! さっさと蓉子ちゃん
         :デートに誘ってこーいっ! (わたわた)」
 秦弥      :「…は、はひ! 」
 秦弥      :あわてて帰ろう。
 尊       :「(帰る前に)まちなさいっ、最後に一つだけ
         :アドバイス」
 秦弥      :「は、はいっ! 何ですか? 」
 尊       :「(まっかっかのまま)……待ち合わせの時、彼女が
         :来たら」
 尊       :「普段と変わってよーが変わってまいが、一言、
         :可愛いねって褒めてあげなさい(クス)」
 秦弥      :「………? はい……わかりました」

 おねーさんは良くわかっている。おそらく蓉子さんのおめかしに気づいても
 気づかなくてもほめないであろう事を。

 尊       :「それだけ判ったら……さっさと行ってこーいっ!
         :(まっか)」
 秦弥      :「はい! 」

 あわてて秦弥が出て行った後。

 尊       :「……っとにもう(まだ真っ赤)……
         :(ふぅ:ソファーにくてり)」
 尊       :「世話が焼けるったら……」

 完全に自分の事を棚上げにしているおねーさんなのでした。

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時系列

2005年7月

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解説

告白してから、いつまでもデートに誘わない秦弥にちょっと切れちゃった尊さ
ん。そして怒られる秦弥。
このあと、デートに誘われた蓉子さんがあわてて着て行く服を選びつつ、尊さ
んたちに着せ替え人形にさせられる話があったりしますが。それは、また別の
話。

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