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Date: Tue, 1 Nov 2005 00:07:13 +0900 (JST)
From: 久志 <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29475] [LG02P] エピソード『岩石人な鉱山技師』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200510311507.AAA60845@www.mahoroba.ne.jp>
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Web: http://kataribe.com/LG/
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2005年11月01日:00時07分13秒
Sub:[LG02P]エピソード『岩石人な鉱山技師』:
From:久志
久志です。
LGでのランダムで出てきた岩石人のお話。
LG02event: 名刺を持った鉱山技師にぶつかった ですわ☆
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エピソード『岩石人な鉱山技師』
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登場キャラクター
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レディシア・ブラックウィドウ(レディ):
:スカード号の船長、そのレディとも姐さんとも呼ばれる。
ロクスケ・イワヲ
:岩石人な鉱山技師。
カレン・ホワイトリリー
:スカード号のメインオペレーター。会計管理をこなす金髪の娘。
パスティ・マッパー
:スカード・スパイダー号のクルーで航海士。
またぶつかった
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ペルセウス腕、三角鳥居ステーションにて。
上半身が人間、下半身が蜘蛛に似た外骨格姿の女が八本の足をかしゃかしゃ
鳴らしながら歩いている。ここいらの星系では少しめずらしいアルケニー人、
レディシア・ブラックウィドウ、宇宙船スカード・スパイダー号の船長にして
通称、レディ・B。
また別の通り名として、一部で密かに激突屋のレディとも影で呼ばれている。
その理由、下半身を覆う大きな外骨格のせいか、とにかくよく人にぶつかる。
勢いと相手によっては、ヘタすると相手をはねることもしばしばである。
そして、今日も。
レディ :「おっと」
ごつん、と。鈍い音を立てて外骨格に軽く振動が走る。足を止めて見上げた
先にあったのは、この場にどう考えてもそぐわない巨大な岩のようなもの。
ロクスケ :「…………ンー」
腹に響くような低い声(?)と共に、巨大な岩の上部がごごごごと鈍い音を
立ててゆっくりと回る。
ロクスケ :「……ヲ?」
レディ :「おや、岩石人かィ」
レディの見上げた先、外見はそのまんま巨大な岩である。その上部に丸い穴
が二つ、その奥でちかちかと赤い光が点滅している。
岩石人、と呼ばれる身体が岩石の種族。ペルセウス腕でもかなりの辺境に位
置する惑星マインで見かけられる原住生物(?)である。
ロクスケ :「ヲー………スマン、けがハナイカ」
ずずずず、とゆっくり岩の上部が前に傾いで、またゆっくりと戻る。前後の
雰囲気から察するに、頭を下げている、のだろう。
レディ :「いや、アタイはこれでも頑丈でね。大丈夫さ」
ロクスケ :「ヲー、オオ、あるけにージンか」
レディ :「ここらの星系では、どっちもめずらしいねェ。あんたは
:出稼ぎかィ?」
ロクスケ :「ヲー……オレ、コウイウもの」
側面の岩肌に見える手(?)がゆっくりと持ち上がりレディの前に差し出さ
れる。その大きな手の端に、ロクスケの身体と対比すると非常に小さなカード
がつままれている。
レディ :「ん?」
受け取って眺めると、それは紙ではなく翡翠のような石を非常に薄くスライ
スしてつくられた名刺だった。
レディ :「ほォ、岩石人の細工品かい。噂には聞いてたけど初めて
:見たよ」
鉱山技師、ロクスケ・イワヲ。
ロクスケ :「ヲレ、こうざんぎし。しんこうざんかいたくノシキンヲ
:いらいシニキタ」
カレン :(……何で名前が日本語っぽいのかしら)
ゆっくりゆっくりとした話からすると、どうやら新しく鉱山を作れそうな星
を調査する為にはるばる訪れたらしい。
レディ :「ふむゥ」
ロクスケ :「デモ、オレ、コノアタリくわシクナイ。ヨイトコロヲシ
:ラナイカ?」
カレン :「――具体的にはどのような鉱物をお探しなのでしょう?」
パスティ :「……僕の故郷の星なら大規模な鉱山が」
カレン :「単に鉱山探しと言われましても――おや」
ロクスケ :「ちょうこくナドノかこうニスグレテ」
レディ :「パリィ、本当かィ?」(振り向いて)
パスティ :「…はい。ある程度の広さはあります」
ロクスケ :「ヲヲ、ホントウナノカ?」
パスティ :「船長、座標を見てもいいですか?」
レディ :「ン、星図はアンタの持ち分だろ。勝手にしな」
すとんとその場にしゃがんで携帯したカバンを開いて星図を表示する。
パスティ :「ふむ。……近いのだろうか」
カレン :「星図を――少し拝見させて頂いても宜しいですか?」
パスティ :「ああ、すいません」
ロクスケ :「ヲレノ、ホシ。さいくトかこうガサカン。ヨイコウセキ
:ヲエラレルほしダトウレシイ」
パスティ :「それなりに品質がよいので、いくらかはよその星へと輸
:出しています」
ロクスケ :「ヲレトテモきょうみアル。くわしクオシエテモラエナイ
:ダロウカ」
ゆっくりと岩の上部(頭っぽい)がずれるように下がり、またゆっくり元に
戻る。どうやらお辞儀をしているようだ。
レディ :「質も問題だけど、量が一番だね。そこなら結構あるんだ
:ろ?」
カレン :「この惑星ならば何とか――測地的距離は現在地からおよ
:そ310光年――費用は」
ぴぴぴ、と慣れた手つきで計算を始める。
パスティ :「量はそれなりに。質は……よいと思います。中の上は間
:違いないかと。1000年間掘っても無くなってませんから。
:大丈夫だと思います」
ロクスケ :「ソレハヨイ。イチド、ソノほしニイッテ、こうしょうシ
:タイ」
パスティ :「では、僕の故郷のメルキスに行きましょうか」
レディ :「ン。じゃあまァ――行くかね(ニヤリ)」
パスティ :「よろしくお願いします」
レディ :「カレン、金勘定とか細かい事は任せたよ」
レディ、大雑把なのはわかるけど丸投げ杉(笑)
カレン :「――了解」
ロクスケ :「ワカッタ、しょうだんヲシヨウ」
カレン :(にこり)「――お手柔らかに」
ロクスケ :「ヨイしごとニハキチントほうしゅうハハラウ。ガンセキ
:ジンハルールハマモル」
ゆっくりゆっくりと、数字を示しつつ商談を開始。
実際のところ、スカード・スパイダーの財布の紐をがっつり握っているのは
このカレン嬢である。
レディ :「パリィ、故郷は久しぶりかィ?」
パスティ :「3年ぶりですね…だいぶ変わっただろうなぁ」
商談をカレンにすっかり任せたまま、パスティの肩を叩きながらしゃべって
るレディ。
カレン :「はい、信用させて頂きます――では、以上で契約手続き
:は完了ということで宜しいですね?」
ロクスケ :「アリガトウ、ヨロシクタノム」
ずずず、と。岩の上部をずらして頭を下げたあと。お腹から引き出し(?)
がゆっくりと開き、太い腕で中にはいった小さなカードをとりだした。
ロクスケ :「テツケハこれデシハラオウ」
手から更に細い針金のようにのびた棒(?)のようなものでカードの表面に
金額を記入して、カレンに手渡した。
ロクスケ :「ケイヤクかんりょうジニ、ノコリノリョうきんヲ、シハ
:ラウ」
カレン :「約束の金額、確かにお預かり致しました」
更に引き出しの中に手を入れて、小さく光るものを取り出した。
ロクスケ :「コレハ、オチカヅキノしるしダ」
すっと、レディの前に差し出されたのは、深く澄んだ蒼い岩を削って作られ
たと思われる鳥の彫刻。大きく広げた翼に伸ばした羽の隅々まで丁寧にきめ細
かく掘られた彫刻は、目の前の岩石人と正反対に非常に美しい。
手にした彫刻を眺めて、レディが思わず目を細めた。
レディ :「ほゥ」
パスティ :(品質の高いの"高い"のレベルが違うなぁ……満足しても
:らえるだろうか)」
カレン :「では艦長――最終承認を」
レディ :「――ン、これでいいねェ」
差し出された明細とカードをすらすらと眺めて頷く。
レディ :「よし!客人をご案内しな!出発するよ!」
カレン :「了解――本艦は30分後に出航致します――各クルーは至
:急持ち場に戻り、準備を整えてください――繰り返します」
響くカレンの放送に、早えぞこら!とかいう声や、どたばたと船員達が走り
回る中。トラクタービームでスカード・スパイダー号の貨物コンテナへと運ば
れていく。
ギギィ :「動きののろい岩石人の利点の一つは、他の種族がしびれ
:を切らして運んでくれるところだ」
陣内 :「……なるほど」
ちょっと離れたところで、ものめずらしそうに岩石人を眺めてる陣内に説明
する、同じくものめずらしい空間機動龍兵のギギィ(友情出演)
持ち場について、突然の出航であちこちでばたばた走り回るクルー達を横目
に見ながら、パスティはひとつ息をついた。
パスティ :(……大変なことになってきた)
ロクスケ :(貨物コンテナ内でベルトで固定されてる)
あちこちのブロックから準備完了のサインがあがってくる。
三十分後。スカード・スパイダー内に館内放送が響いた。
カレン :「システムオールグリーン――では皆さん、今度も良い旅
:に致しましょう」
レディ :「パリィの親御さんにも、挨拶しないとねェ」
:(船長席にどっかと座りつつ)
パスティ :「ああ、はい」
レディ :「よし」
紅き大蜘蛛戦艦、スカード・スパイダー。
背筋をピンと伸ばし、黒い外骨格に覆われた八本の足でメインデッキに立つ。
レディ :「スカード・スパイダー号、発進!」
時系列と舞台
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2150年 ペルセウス腕、三角鳥居ステーション。
解説
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レディがぶつかったのは岩石人の鉱山技師
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以上。
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