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Date: Wed, 26 Oct 2005 01:03:14 +0900
From: "Hikaru.Y" <hukira@blue.ocn.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29455] [HA06N]小説『夕闇にもけ』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200510251603.AA00101@hikaru-h8akl379.blue.ocn.ne.jp>
X-Mail-Count: 29455
Web: http://kataribe.com/HA/06/N/
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ふきらです。
一日一三十分一本勝負（http://hiki.kataribe.jp/HA06/?OneGameMatchfor30Min）。
お題は
00:26 <Role> rg[hukira]HA06event: もけが物陰から様子を伺っていた ですわ☆
でした。三十分かけてこの量。明らかに勢いが衰えております（汗
ま、ともかく創作部部員、高瀬夕樹の初登場であります。
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小説『夕闇にもけ』
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登場人物
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高瀬夕樹（たかせ・ゆうき）：http://kataribe.com/HA/06/C/0581/
高校生で歌よみ。創作部所属。
もけ：http://kataribe.com/HA/06/C/0203/
もけ。
本編
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とりあえず、退屈なのである。
高瀬夕樹は本日何度目か分からなくなった溜め息をついた。部室には彼一
人。普段なら放課後のこの時間は誰かしらいるはずなのに、今日みた
いな暇な日に限って誰もいない。
夕樹は鞄から句集を取り出した。つい最近発売されたものである。本を開く
と１ページに１句、明朝体で真ん中に配置されている。
まず、目で読んで、次に口に出してみる。静かな部室に彼の声が静かに響
く。
「……いいね」
気に入った句があれば付箋紙を貼って、ゆっくりと時間をかけて一句一句
読んでいく。
今日はここまでにしよう、と本を閉じて顔を上げると、部室は夕焼けで朱
く染まっていた。窓から入ってくる夕日が床に机の長い影を映す。
机の影を見るなんてことは無くて、何となくぼんやりと眺めていると、視
界の隅で何かが動いた……ような気がした。
部屋の隅、影が一際濃く集まっているところをじっと見つめる。
不意に影の中で影が動いた。ピョコンと音がしているわけではないが、何
かが跳ねている。
夕樹がそこをじっと見つめていると、その何かはくるりと回転した。そこ
にはつぶらな瞳が二つ。
「……目？」
夕樹の声に反応して、その何かの瞳が彼の方を向く。そして、視線が合っ
た。
しばらくそのままの状態で見つめ合う一人と一つ。
「もけっ」
その何かはそう声を上げると慌てたように大きく跳ね、影へと飛び込んで
いった。
「何だ今の……？」
夕樹は先ほどまで何かがいたところに行ってみるが、そこにはただ影があ
るだけで何も変わりはない。
「まあいいか」
いつの間にか、部室が暗くなっている。秋の夕日は落ちるのが早い。夕樹
は慌てて荷物をまとめると、部室を出て行った。
誰もいなくなった部室の隅で何かがまばたきをした。
時系列と舞台
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2005年10月某日。創作部部室にて。
解説
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もけとの遭遇。しかし、相手がもけということは知る由もなく。
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