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Date: Tue, 18 Oct 2005 23:00:12 +0900 (JST)
From: 久志 <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29410] [HA06P] エピソード『奇妙な落し物』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200510181400.XAA65657@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 29410
Web: http://kataribe.com/HA/06/P/
Log: http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/29400/29410.html
2005年10月18日:23時00分12秒
Sub:[HA06P]エピソード『奇妙な落し物』:
From:久志
久志です。
過去お題で、別キャラで書いて見ました。
題「腹を空かせた手の怪が音を立てた」
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エピソード『奇妙な落し物』
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登場キャラクター
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富良名裕也(ふらな・ゆうや)
：方向音痴な一見中学生(中身も？)のお気楽極楽青年。
：http://kataribe.com/HA/06/C/0067/
本文
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手が落ちている。
フラナ ：「……手？」
フラナがサトミマンションの裏庭に下りたのは偶然のことだった。
洗ったタオルをベランダで干した時、うっかり洗濯バサミで押さえるのを忘
れてしまったため、風で裏庭まで飛んでいってしまったのだ。
普段はめったに足を踏み入れない裏庭はすっかり荒れ果てていて、あちこち
枯れ木や捨て置かれたガラクタが散乱している。
そんな中、目の前の地面に転がっているのは。
フラナ ：「手、だよねえ」
一見、古びた軍手が捨てられていたのかと思ったが、よくよく見ると薄汚れ
た包帯でぐるぐるに巻かれた紛れもない人の手だった。
フラナ ：「まいちゃんが落としたのかなあ？」
さほど驚く風もなく、しゃがんで落ちた手を見ながらつぶやく。
と。
手 ：（ぴこん、と人差し指を上げる）
フラナ ：「わっ」
さすがに一瞬しりもちをつきそうになった。
フラナ ：「…………えと、君、どこの子？」
手 ：（左右に揺れて、微かに傾げる）
手に向かってどこの子もないのだが。
フラナ ：「まいちゃんの？」
手 ：（ふるふると左右に揺れる）
フラナ ：「違うんだ……どこの子だろ？（首傾げ）」
つくつくと人差し指と中指で交互に地面を叩きながら考え事（？）をしてい
るらしい。
フラナ ：「うーん、じゃあどこの子かわかるまでおうちくる？」
手 ：（四本指を一斉にあげて万歳）
フラナ ：「丁度これからおうちかえってオヤツにするところだし
：……ってオヤツ食べれるのかな？」
手相手に無茶苦茶言うな。
手 ：（ぶんぶん人差し指を縦に振って、一瞬止まる）
フラナ ：「……えーと、食べたいけど、本体の人じゃないと食べれ
：ない、とか？」
手 ：（Ｖサイン）
正解のようだ。
フラナ ：「ふむう……じゃあ、おやつ食べたらすぐ本体の人探して
：あげるから」
手 ：（ぱたぱたと四本指でピアノを弾くがごとくたかたか動く）
フラナ ：「おっけ、じゃあおいで」
差し出したフラナの手にぴょこんと握手で飛びつく手。
フラナ ：「んじゃ、かえろっか♪」
拾ったタオルを肩にかけて、飛びついた手を胸に抱えて、裏庭を後にする。
時系列
------
2005年10月中旬。
解説
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ちょっと普通でないサトミマンションでのひとコマ。
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以上。
結局誰の手なんでしょうねえ……
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