[KATARIBE 29404] [HA06N]小説『7%の部分月食』

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Tue, 18 Oct 2005 00:29:25 +0900
From: "Hikaru.Y" <hukira@blue.ocn.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29404] [HA06N]小説『7%の部分月食』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200510171529.AA00087@hikaru-h8akl379.blue.ocn.ne.jp>
X-Mail-Count: 29404

Web:	http://kataribe.com/HA/06/N/
Log:	http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/29400/29404.html

ふきらです。
日が変わってしまいましたが、部分月食ということでちょっとしたワンシーンを。
……三十分一本勝負じゃないですよ?

**********************************************************************
小説『7%の部分月食』
======================

登場人物
--------
 津久見神羅(つくみ・から):http://kataribe.com/HA/06/C/0077/
  何げに陰陽師な大学院生。

 一白(いっぱく):
  津久見神羅の式神。

本編
----
 帆川神社の境内は満月の明かりで白く染まっている。
 一白と神羅は本宮の階段に座って揃って空を見上げていた。雲もなく月が
くっきりと見える夜である。
「まだ?」
 一白が何度目かの質問をする。
「んーあと少しちゃうか」
「ふーん」
 足をバタバタさせる。
「月食ゆうても部分月食で、ほんのかする程度やからあまり期待するなよ」
 楽しそうな顔をしている一白を見て神羅が苦笑した。
「はーい……あっ」
 一白が月を指さした。
 右下の縁が少しへこみだしている。
「お、はじまったか」
 二人して月をじっと見る。
 やがて、へこみの部分が最大になる。と言っても、やっぱりほんの少しだ
けなのだが。
「ひゃっ」
 見上げている一白の首筋を何か生暖かいものがすり抜けていった。
「な、なに?」
 辺りを見回してみるが何もいない。
「神羅、さっき何か通ったっ」
 慌てる口調の一白に対して、神羅は落ち着いている。
「まあ、月食の時はよくあることや。月光の力が弱まるから、抑えられてい
たもんが出てくるねんな」
「え」
「まあ、今回は少しだけの月食やからそんなに影響はないから安心し」
「よかったー」
 そう言って一白は再び空を見上げた。
 へこみが次第に戻っていき、やがて元の満月の姿になる。
 今日は部分月食。たった7%の部分月食。

時系列と舞台
------------
2005年10月17日。部分月食の夜。帆川神社にて。

解説
----
部分月食記念。

$$
**********************************************************************
 ---------------------------------------------------------------------
http://kataribe.com/ 語り部総本部(メインサイト)
http://kataribe.com/ML/ メーリングリストの案内
http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/ 自動過去ログ
Log:	http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/29400/29404.html

    

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage