[KATARIBE 29385] [HA06N]小説『あなたは猫のよう』

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Date: Sun, 16 Oct 2005 16:19:07 +0900
From: "Hikaru.Y" <hukira@blue.ocn.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29385] [HA06N]小説『あなたは猫のよう』
To: kataribe-ml@trpg.net
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ふきらです。
三十分一本勝負。お題は

16:00 <Role> rg[hukiwrite]HA06event: 思い出を刺激したしてきたのは友好的な
雰囲気ののたっとした大猫だった ですわ☆

15分しかかけてないので、めっちゃ短いです。
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小説『あなたは猫のよう』
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登場人物
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 津久見神羅(つくみ・から):http://kataribe.com/HA/06/C/0077/
  何げに陰陽師な大学院生。

本編
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「津久見君って猫みたいだよね」
 確か、そんなことを言われたのは高校の時か。
 境内にいつの間にか上がり込んできた、大きな、というかデブい三毛猫を見
て神羅はそんなことを思いだした。
 高校二年の時、特に何かあったというわけでもない普通の日、図書室で本を
読んでいるときに部活の先輩に言われた言葉のはずだ。記憶に残るような特別
なことがあったわけでもないのに、なぜかその日、その光景だけは覚えてい
た。
「勝手気ままで何考えてるのか分からなくて……でも、憎めない困った奴」
 その言葉に確か答える言葉が見つからなくて苦笑いを浮かべた記憶がある。
「……にゃあ」
 先ほどの猫が神羅に気がつきすり寄ってくる。しゃがみ込んで体を撫でてや
る。猫は気持ちよさそうに目を細めた。
 その先輩と何かしらの関係があったというわけではない。ただ同じ部活の先
輩と後輩。もっとも、部員自体が少なくて比較的よく顔を出すのが神羅とその
先輩であったという共通点はあったが。
 しばらく猫を撫でていたが、不意にその猫は何かに反応するように身を翻し
て駆けていった。
 その後ろ姿が石段の向こうへ消えていくまで、神羅は見続けていた。
「そういえば、先輩も猫みたいやったよな……」
 今でもまだ猫のように自由気ままに生きているだろうか。左手に残っている
猫の体温が消えていくのをじっと感じながら、神羅はふとそんなことを考えて
みた。

時系列と舞台
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2005年10月某日。帆川神社境内にて。

解説
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たまにはしんみりとしてみたり。

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