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Date: Sat, 15 Oct 2005 21:15:28 +0900
From: "Hikaru.Y" <hukira@blue.ocn.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29372] [HA06N]小説『式神会談』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200510151215.AA00079@hikaru-h8akl379.blue.ocn.ne.jp>
X-Mail-Count: 29372
Web: http://kataribe.com/HA/06/N/
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ふきらです。
三十分一本勝負というかなんというか。
20:34 <Role> rg[Hisa_kak_]HA06talk_topic: 悩み事を ですわ☆
20:36 <Hisa_kak_> お題、悩み事
20:36 <Hisa_kak_> 一本勝負開始
こんな発言があったので、つい勝手に便乗して書いてしまいました。
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小説『式神会談』
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登場人物
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津久見神羅（つくみ・から）：
なにげに陰陽師な大学院生。
一白（いっぱく）：
津久見神羅の式神。
石亀、アヒル：
帆川神社にいる人外。石亀は石の亀で、アヒルはアヒルのぬいぐるみ。
本編
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「神羅ったら人使いが荒いと思わない？」
帆川神社の池の側で箒を持った一白がしゃがんでいる。神羅に頼まれた境内
の掃き掃除の途中である。彼の横にはぬいぐるみのアヒルがいて、池の真ん中
の石には亀の形をした石がいる。
「がぁ（そうなの？）」
アヒルが鳴き声を上げる。
「……（わしらは使われるってことがないからのお）」
石の亀がゆっくりと首を持ち上げて声なき声で言った。
「……あ、そうか」
一白ががっくりと項垂れる。
「この前だって買い物の荷物持ちに連れて行かれたし」
「があがあが？（その代わり、ソフトクリーム買ってもらったんでしょ？）」
アヒルに言われて、ぐ、と詰まる。
「があがあがあ（ひょっとして都合の悪いことしか覚えてないとか）」
更に言われてまたがっくりと項垂れた。
「……（しかしの、一白）」
亀の言葉に一白が顔を上げる。
「……（式神はそもそも主に仕えるもんじゃからのお。昔、ある陰陽師の式神
なんか橋の下にずっと待機させられていたんじゃぞ？）」
「げ……」
「……（それに比べたら、お前は幸せじゃないかの？）」
「そうなのかなあ……でも、神羅に仕事させられるのって僕だけじゃない」
「があ（だって、こっちはアヒルだし）」
「……（わしにさせたら何年かかるか分からんぞ？）」
二人の言葉に三度がっくり項垂れる一白。
「が、があがあ（ほ、ほら。それだけ頼りにされてるってことだよ）」
アヒルがフォローする。しかし、アヒルに慰められる式神もそういないだろ
う。
「こんなところで何してんの？」
不意に後ろから声をかけられてびくっとする。おそるおそる一白が振り返る
と、本宮の廊下に立った神羅が見下ろしていた。
「いや……ちょっと休憩……」
怒られる、と思ってビクビクしながら答える。
「さよか」
一白の予想に反して、神羅はあっさりと納得した。
（あれ？）
といつもと違う反応に一白が首をかしげた。
「そこで休憩していたってことは、もう休憩はいらんよなあ。いや実に残念。
せっかく休憩にして菓子でも食べようかと言いにきたんだけどなあ。いや、実
に残念」
「ええーなにそれー」
ぶうぶう言う一白を見て、神羅は意地の悪い笑みを浮かべた。
時系列と舞台
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『式神と幼稚園児とソフトクリーム』の数日後。帆川神社の境内にて。
解説
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結局、何だかんだ言いつつ神羅には従う一白なのでした。
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