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Date: Mon, 10 Oct 2005 23:56:00 +0900
From: "Hikaru.Y" <hukira@blue.ocn.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29333] [HA06N]小説『金木犀と人形の綱引き』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200510101456.AA00074@hikaru-h8akl379.blue.ocn.ne.jp>
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Web: http://kataribe.com/HA/06/N/
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ふきらです。
三十分一本勝負。今回は小説『金木犀対秋桜』の続きです。
23:18 <Role> rg[hukira]HA06event: 知り合いの前で肘をぶつけた ですわ☆
……まだ一日が終わりません。
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小説『金木犀と人形の綱引き』
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登場人物
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津久見神羅（つくみ・から）：http://kataribe.com/HA/06/C/0077/
何げに陰陽師な大学院生。
フィルオナ：http://kataribe.com/HA/06/C/0504/
神羅をマスターとする意思を持つ人形。
金木犀の少女：帆川神社にある金木犀の精。秋の花を咲かせる時期に現れる。
本編
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買い物から帰ってくると辺りはすっかり真っ暗になっていた。買い物の間
中、金木犀の少女はずっと神羅にくっついていたので、いつもより買い物に時
間がかかったのである。
「ただいま」
玄関を開けると、トタトタと軽い足音が聞こえてきた。
「マスター、おか……」
出迎えにあらわれたフィルオナは神羅の袖にくっついている少女を見て、目
を丸くする。
「誰ですの、その人？」
どう説明しようか神羅が考えていると、少女が神羅の袖を引っ張った。
「あの人、誰やの？」
その声は少しとがっている。
「……とりあえず、中に入らせて」
左手は買い物袋でふさがれ、右腕は少女が握っていて自由にならない。家の
中を移動するにもやけに手間がかかる。
「なあ、ぼちぼち手を離してくれん？」
「いやや」
少女は逆に更にぎゅっと右腕を抱える。
「ちょっと、マスターから離れるのです！」
その光景を見たフィルオナは、神羅に近づくと、その左手を掴んで引っ張っ
た。
「いーやーやー」
神羅から離れまいとして、少女も彼の右手を引っ張る。二人の間にいる神羅
はまるで綱引きのように引っ張られる形になった。
「お前ら待てって。こんな狭いところで暴れたら」
二人ともが引っ張りながら左右に揺らすものだから、
「きゃ」
まず、少女がバランスを崩して、
「おわっ」
次に神羅がこけそうになって、
「きゃっ」
最後にフィルオナがしりもちをついて、同時にゴツンという鈍い音と「ぐ
わっ」という神羅の呻きが聞こえた。
フィルオナが立ち上がると、そこには中身が散乱した買い物袋と、左肘を押
さえてうずくまっている神羅と、立ち上がって裾を直している少女がいた。
「マ、マスター！ どうしたんですの？」
「柱の角に……肘をぶつけた……」
少女が神羅の側に駆け寄る。
「一体誰がそんなことをしたんや？」
その言葉に彼はため息をつく。
「お前らやん……」
「何遊んどるんじゃー ワシは腹が減ったぞー」
居間の方から祖父の声がする。夕飯までにはまだ時間がかかりそうである。
時系列と舞台
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『金木犀対秋桜』の続き。
解説
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さて、この日の夕飯はいつになったらできるのでしょう？
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