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Date: Thu, 06 Oct 2005 00:46:51 +0900
From: "Hikaru.Y" <hukira@blue.ocn.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29314] [HA06N]小説『子供は「風」の子』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200510051546.AA00070@hikaru-h8akl379.blue.ocn.ne.jp>
X-Mail-Count: 29314
Web: http://kataribe.com/HA/06/N/
Log: http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/29300/29314.html
ふきらです。
三十分一本勝負。今回のお題は
00:13 <Role> rg[hukira]HA06event: 目にゴミが入ったので困っているおじいさんが後ろ指をさしている ですわ☆
……過酷です。ロール様orz
いまいち、後ろ指の指しっぷりが足りないような気がしますがご容赦を。
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小説『子供は「風」の子』
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登場人物
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津久見神羅（つくみ・から）：http://kataribe.com/HA/06/C/0077/
何げに陰陽師な大学院生。
本編
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風の強い午後。十月のこの時期では、さすがにまだ木枯らしと呼ぶには早す
ぎるようで。
商店街の通りを歩く人は皆一様に前傾姿勢を取っている。吹いてくる風は
思ったより冷たい。神羅は外に出していた手を何回か閉じたり開いたりさせて
みた。指先が冷たくなっているのを手のひらで感じ取る。
「ぼちぼち肉まんが恋しくなるな」
そう言いながらコンビニの前を通り過ぎる。過ぎるついでに店の中を見てみ
るといつもに比べて、人が多い。レジの前では青年がおでんを選んでいた。
「ああ、おでんもええね」
歩道に捨てられていたビニル袋が風に吹かれて勢いよく飛んでいく。何気な
くその袋の行き先を目で追っていると後方から、こら！、という声が聞こえた。
神羅が振り返った、その脇を５、６歳ほどの子どもたちが勢いよく駆け抜け
ていった。
「子供は風の子、ってか……」
そして、あらためて先ほどの声の方に目をやる。そこには顔をしかめた老人
が立ち止まっていた。
「待ちなさい！ いたた……」
どうやら先ほどの子どもたちに対して怒っているらしい。
「どうしたんです？」
神羅が声をかけた。老人は右目から涙をこぼしながら彼の方を見た。
「いや、あの子どもたちが……いたた」
「子どもたちに何かされたんですか？」
「急に目の前に出てきたかと思うと、いきなり砂を巻き上げていってな……
ふう。何とかとれたようじゃわい」
「それは災難」
苦笑を浮かべる。
「全く親のしつけがなっとらんわ」
先ほどの子どもたちの駆け抜けていった先に目をやる。彼らは通りをくるく
ると回りながら走っていた。彼らの通ったあとには、落ち葉やらゴミやらが盛
大に舞っている。
「でも子供はあれくらい元気な方が良いじゃないですか」
「そりゃ、そうじゃけど…… もっと気をつけんと」
納得がいかないような顔をしたまま、老人はぶつくさ言っている。
「ま、『風』の子ですからね。仕方ないですよ」
子どもたちは、まだまだ勢いよく街中を駆けていく。この風はまだ止みそう
にない。
時系列と舞台
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10月某日。商店街の街中で。
解説
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子供は「風」の子でした。……おそまつ。
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