[KATARIBE 29285] Re: [HA06P] エピソード『吹利学校高等部学園祭 2005   Never Forget Memories 』

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Date: Tue, 27 Sep 2005 11:31:17 +0900 (JST)
From: いずみ  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29285] Re: [HA06P] エピソード『吹利学校高等部学園祭 2005   Never Forget Memories 』
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2005年09月27日:11時31分17秒
Sub:Re:  [HA06P] エピソード『吹利学校高等部学園祭 2005  Never Forget Memories』:
From:いずみ



いずみです。

一気に書けそうもないので、ちょびっとずついこう。
学園祭準備風景を織り交ぜつつ、宗谷君に喧嘩の話の聞き手になってもらおう
かなと。

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エピソード『挫けそうな喧嘩1』 
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登場人物
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     和泉凛:桜居津海希と喧嘩した番長。
     月影宗谷:番長補佐。番長のプロデュース役。

スペース番長最後の聖戦
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朝。
朝のHR10分前になり、クラスメートの顔もほぼ揃う時間。
廊下をてててと駆け、月影宗谷が弾む声で教室に飛び込んでくる。

「おはよー、渋柿ちゃーん。スペース番長の台本だけど、ちょっとだけ変更あっ
たんだけどー」

その手には稿を重ねる度に主役の台詞と出番が増えていく劇の台本、クラスの
今年の文化祭の出し物であるところの「スペース番長最後の聖戦」の第5稿目
の台本が数冊握られている。

「脚本と演出の方でちょっと話をしたんだけど、暗黒デスター高との立ち回り
はもう少し派手なほうがいいかと思って。あとね、番長のモノローグはいるん
じゃないってことになったからちょっとだけ構成が変わったから。うん」

主役の心理的抵抗を減らすために初稿は出番を少なく、徐々に確実に出番を増
やすという作戦をとられた今回の劇脚本は、その稿を重ねるごとに台本が厚み
を増し、改稿途中の現在ですでに昨年のそれを超えていた。
自分の言っている言葉が言い訳に聞こえないように自然な口調で、それでいて
反論の機会は与えないように一気に説明しながら、宗谷は渋柿の席に近づく。
その手に持った台本の一冊を開いて読み上げながら、変更と増補の説明をして
いく。

この四年ほどのつきあいで、宗谷は渋柿が押しに弱いことを知っていた。
多少強引でもこちらの希望を伝えておけば、そうそう断ったりはしないことを。
ただし、絶対に無理ということだけは言わないしさせないようにしていた。
友人として長く付き合っていくためにも、相手にとってためになる、プラスに
なることでないと意味がない。
そういった意味でこの番長シリーズの劇、とくに高校生活ラストとなる今回の
劇は、渋柿番長賛美の集大成として仕上がらなくてはいけなかった。

「ちょっとだけだから、覚える手間もそう変わらないと思うんだけど、どうか
な?」

ひととおり台詞を読み上げ、その余韻に浸りながら相手の反応を待つ。
ちょっとだけという刷り込みは常に忘れない。

「……」

お約束程度の反論はあるだろうと予想していたが、反論どころか声もない。
宗谷はそこではじめて台本から目をあげ、そこにいて自分の話をきいているは
ずの友人の姿を確認した。

はたして?

そこには、机に突っ伏してぴくりとも動かない状態でいる渋柿こと和泉凛の姿
があった。

「うわーん、渋柿ちゃん死んじゃダメー」

駆け寄り凛の肩をゆする。
最後の聖戦前に死なれては、我が吹利高の未来は絶望しか残らない。
先程まで読んでいた台本の内容が少々入りながら、宗谷は肩にすがった。

死体が反応した。
力なく伸ばしていた腕を机の上で組み直して頭をのせる。
顔はあげないまま、くぐもった声で言った。

「残念ながら、まだ生きている」


時系列と舞台
------------

2005年9月はじめ。吹利学校高等部実験科3年教室にて。
『状況報告と確認』の翌日。

解説
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喧嘩宣言はしてみたものの、長期戦はたぶんもたない。
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