[KATARIBE 29275] [HA06P] 『無明の天使 - 二つの翼悪魔の心・天使の心 - 』

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Date: Tue, 27 Sep 2005 01:32:47 +0900 (JST)
From: hiro <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29275] [HA06P] 『無明の天使 - 二つの翼悪魔の心・天使の心 - 』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200509261632.BAA50283@www.mahoroba.ne.jp>
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Web:	http://kataribe.com/HA/06/P/
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2005年09月27日:01時32分47秒
Sub:[HA06P]『無明の天使-二つの翼悪魔の心・天使の心-』:
From:hiro


どうもhiroです。
無明の天使、サイドストーリー的なものという
コンセプトでございましたが、本人、経験も技術も浅いので
妙な方向に行ってる気がします。
悪いところは突っ込んでください。
温かい目で見ていただければうれしいです。
********************************************************************** 
エピソード『無明の天使:二つの翼悪魔の心・天使の心』 
==================================================== 
登場人物 
-------- 
忍足神夜
マスク・オブ・×
天使憑きの少女

神父と天使
------------ 
忍足      :「ふぅ、本当にこの辺にいるのでしょうか……」
 
 私がこの辺りを夜の散策とは言いにくいような気分で回り始めて、もう6
 時間ほど立ったでしょうか。ああ、ほんっと……

 忍足     :「本当に、疲れました。情報が遅かったのもあるでしょう
         :が、ここまで見つからないとは」

 天使憑きというものを知ったのはほんの少し前。気になるし、どうしても、
 それを天使に憑かれたものと思えなかった。私はこれでも、神官だし、
 だからこそ、神と天使は信じている。信仰心からも、人のために尽くすと
 いう信念からも、否定したい気持ちも込めて探している。
 ああ、我ながら全く莫迦みたいだ。

 忍足     :「……しかし、見つからなければ、私としてはそれはそれ
        :で良いのですが……」
 天使憑き   :「ならば、でてきてやろう」
 
 といった瞬間、バサッという、羽の羽ばたくような、音がした。
 私は半信半疑で、空を見上げる。
 そこには…………

  忍足    :「……これが、天使……憑き……」

 少し黒くなった羽をつけた少女。しかし、私が感じたものは、 
 禍々しさに他ならなかった。これは不味い。

 忍足     :「貴方は、誰ですか?」
 天使憑き    :「異端者に、交わす言葉など持たぬ」
 
 そういうと、相手は何所から出したのか、槍のようなものを投げてきた。
 私は体をひねり、何とかかわした。不味い。
 私では、役不足かもしれない。だが……
 
 ◇◇◇◇◇◇
 
 忍足     :「くっ、やるしかないようですねっ!」
 
 私は覚悟を決めると、敵に暗示をかけるため声を張り上げる

 忍足     :「『あなたは』『動くことが』『できない』」
 天使憑き   :「きかぬ!その程度か」

 どうやら、集中力が足りなかったらしく、相手は何も無かったかのように
 更に槍を投げてくる。
 しかし、忍足とて黙って攻撃を受けるはずも無い。

 忍足      :「穏やかな風の精よ、その力を解き放ち、私をお守りく
         :ださい。大いなる、主の心がそれを聞き入れた
         :もうならば……」

 迫り来る槍。忍足は、それをかわす為風の精霊にささげる歌を歌う。
 ぎりぎりのところで風が巻き起こり槍を吹き飛ばす。しかし、

 天使憑き   :「そうか。これならばどうだ。」
 忍足     :「なっ!」

 木が、ざわつき始める。なんだ?
 後ろの木から勢いよく飛び出してくる無数の、緑の軌道。
 先ほどの槍よりも速度があり、歌が間にあう速度ではない。
 これは、やばい!

 天使憑き  :「どうだ、かわせまい」
 
 そのとき、空から飛び出してくる、一人の影。
 その影は忍足をかばうようにして前に立つ。

 ×       :「ぐはぁああああっ」
 忍足      :「え……?」
 ×       :「大丈夫かっ……?……ぐぅっ」
 
 しかし、忍足をかばったため、そのまま白い翼を持つ天使は倒れる。
 ……と見えた瞬間、その男は黒い闇に包まれ、何も無かった
 かのように立っている。
 ただし、ついている羽は天使のものではなく、悪魔のものになっていた。

 天使憑き   :「汝は、何者だ?」
 ×      :「……貴様みたいな天使なんざに名乗る名前なんてねえ。」
 天使憑き   :「お前のような、異端者は排除してくれる。」
 ×      :「おあいにくさま。排除されるのはどっちだかな。」
 忍足     :「……あなたは?」
 ×      :「味方だぜ。それだけでいいだろう。詳しいことは後。
        :今は力をかせ!」
 忍足     :「命の恩くらい返しますよ。手伝いますよ。」
 ×      :「じゃあ、あいつの動きを俺がひきつけるから、
        :何か頼む。」
 忍足     :「なにかって、何をしろと……」
 
 しかし、男はそれに答えず天使憑きに向かっていく。
 男と天使憑きの格闘が始まっている。すこし男が押しているようだが……
 私は、集中することにした。天使憑きをおさえるために。

 ◇◇◇◇◇◇
 
 俺は、上空から事を見ていたのだが、やっぱり、目の前で人がやられる
 のは後味が悪い。結局乱入して、かばっちまった。
 ああ、俺もやっぱり莫迦だな。まだ、あの出来事を引きずってる……
 相手の天使憑きの武器は力を吸い取るものらしいからなぁ、危ないこ
 とは止めときゃよかった。
 でもでちまったもんはしょうがねぇっ……と!

 ×     :「ちぃ、結構やりやがるな!」

 今まで奪った力のせいだろう。それなりに接近戦も出来るようだが、
 やはり、何とかなりそうだ。などと思っていると、敵が又葉を刃にして
 飛ばしてきた。同じ攻撃、ならば

 ×     :「何度も食らうかよ!
       
 あの程度なら、火炎呪文でどうにかなるだろうとふんだ俺は、
 最高速度で詠唱した。

 ×     :「The flames of hell of hell.
       :Before this power, extinction is certain!」

 湧き上がる地獄の炎の壁。飛んできたものは全ておとした。
 後は、あいつが何をするかだが……はやくしてくれよ、臨時の相方。
 
 ◇◇◇◇◇◇
 
  いきなり私の命を助けて、味方といった男。とりあえず、何かという
 のが、 分からなかったが、私は思いついたものに対し、
 最大まで集中力を高めていく。
 助けてもらったからには返礼は出来る限りの形でしておく。
 前方で二人の死闘が行われているが、見ている余裕は無い。
 極限まで集中したとき 私は、最高の声で叫んだ。

 忍足    :「『敵には』『自由など』『ありはしない』!」

 今回はどうやら上手くいったようだが、長くは持たないだろう。
 天使憑きは、動きが鈍ったようだが、暗示がとけかかっている。
 やはり、ふつうでないやつには効果が薄いようだ。
 あまりにも、相性が悪い。

 天使憑き   :「ぐぁ、なんだ、体が急に重く……」
 ×      :「もらったっ!」

 男は呪文を詠唱しているようだ、私も聞いたことのある呪文だった
 これは、氷の呪文。かなり高位に属するはずだった。

 ×      :「Ice of cruel eternity. 
        : Let my enemy freeze forever」

 敵の周りに一瞬、淡い光の粒が見えた。
 と同時に、一気に辺りの温度が下がっていく。
 勝ったと思った、だが。天使憑きは目の前にはおらず、
 上空に上がっていた。
 
 忍足     :「まさか……あのタイミングで、あの状況で
        :逃げられるなんて……」
 ×      :「ち、不味そうだな。どうも怒いかってるみたいだな
        :ありゃあ、相手にしない方が良い、逃げるぞ。」

 男はそういうと私のそばまで来ていきなり腕をつかんだ。と思った瞬間
 天使憑きは槍を投げていた。だが、男のほうが早かった。

 ×      :「The return!」

 男がそう叫んだ瞬間いたのは、私の教会だった。
 
 忍足     :「私の、教会?なぜここをしっているのですか?」
 ×      :「まあ、いうな。天使様は全部見てますよとでもいって
        :おくぜ。」
 忍足     :「……いいでしょう。自己紹介がまだでしたね。
        :私は忍足神夜、神官をしております」
 ×      :「ん、ああ。俺はマスク・オブ・×だ、よろしく。
        :クロスって呼んでくれ」
 忍足     :「あの天使憑きは、×の知り合いですか?」
 ×      :「んなわけないだろう。誰か分かったもんじゃない。」
 忍足     :「やはりそうですか。この件からは手を引いたほうが
        :良いでしょうか?」
 ×      :「ああ、そうしたほうがいい、俺も手を引く。俺が探してる奴と
        :どうも、違うやつだったみたいだ
        :……なぁ、忍足、組まないか?」
 忍足     :「!あなた、いきなり何を……」
 ×      :「まあきけ。今回はこれだけで済んだ。だが事件は
        :いつあるかわかんねぇ。だから連絡だけは取れるようにして、
        :助け合わないかって事だ。いいだろ?」

 私は、彼が知らないといっていたが、探し人は居たんだなと思う。
 って、そんなことじゃなくて。悪魔だが、悪い奴ではないようだし、
 どうも、気が合いそうだったので取り合えず、神の声を聞いてみた。
 …………決めた。私は彼を信じてみよう。悪魔だが心は……
 ……天使憑きに関する私たちの仕事は、ここで終わりとなった。


時系列
------
桜木さんが天使憑きと戦った後から決戦前

解説
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天使憑き対悪魔+と神父


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