[KATARIBE 29272] Re: [HA06P] エピソード『吹利学校高等部学園祭 2005 Never Forget Memories 』

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Date: Tue, 27 Sep 2005 00:30:14 +0900 (JST)
From: 久志  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29272] Re: [HA06P] エピソード『吹利学校高等部学園祭  2005 Never Forget Memories 』
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2005年09月27日:00時30分14秒
Sub:Re: [HA06P] エピソード『吹利学校高等部学園祭 2005 Never Forget Memories 』:
From:久志


 久志です。
たくみんが珠魅ちゃんをフォークダンスに誘うまでをEP化しました。

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エピソード『吹利学校高等部学園祭2005 Never Forget Memories』
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登場人物
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 蒼雅巧(そうが・たくみ)
    :地下探検部部員。霊獣使いの一族。非常に真面目。
 弧杖珠魅(こづえ・たまみ)
    :SS部副部長。魍魎を使う家に育ち、式銃を操る。

剣士のお誘い
------------

 文化祭も間近に迫り。あちこちの教室や部室では、文化祭に向けての準備に
余念がない。教室を飾り立てる者、衣装合わせをする者、展示用のオブジェを
設置する者、様々だ。

 巧      :(カッカッカッ)

 あちこちで世話しなく作業する人々の中をすり抜けるように、何故か軍服に
長いマントを羽織り、腰にサーベルを下げた巧が歩いている。

 女子生徒A  :「……ねぇ、普通科の蒼雅くんじゃない?(ひそひそ)」
 女子生徒B  :「……ホントだ、あの噂の?似合ってるー(ひそひそ)」
 女子生徒C  :「……って、一年の関口くんと噂のさあ?(ひそひそ)」

 巧      :(何故だろう、そこかしこから視線を感じる)

 腐女子はどこにでもいる、油断ならない世の中だ。

 巧      :「珠魅殿は……どちらであろうか」
 秋芳     :「ピィッ」

 肩に乗った秋芳が小さく鳴く。
 その声に顔をあげると。準備の合間の休憩中なのか、廊下の窓から外を眺め
ている珠魅の姿があった。

 珠魅     :「こういう祭りもたまにはいいものだな。本番が楽しみだ」

 少し目を細めて、遠くの喧騒を聴いている。

 巧      :「珠魅殿」
 珠魅     :「ん?」

 マントを翻して、軍靴の音を微かに廊下に響かせながら巧が駆け寄ってくる。

 巧      :「珠魅殿、こちらでしたか」
 珠魅     :「巧か、どうした?」

 巧の姿を認めると、少し悪戯っぽく笑った。

 巧      :「はい、実は……」 

 一つ、咳払いして襟元を直す。

 珠魅     :「……どうした?」
 巧      :「実は……」

 小首をかしげて問う珠魅に一瞬巧の言葉が詰まる。

 木葉(黒子) :「目標を確認、ターゲットは目標に接触。」
 秦弥(黒子) :「了解、引き続き監視を続けよ。」

 何故かこっそり聞いている奴らがいる。

 巧      :「実は、文化祭の後、有志で後夜祭があるそうなのです」
 珠魅     :「ふむ。そういえばそういう話も聞いたことがある。それ
        :で、どうした?」 
 巧      :「そこで……キャンプファイアーを囲んで、フォークダン
        :スを踊るそうなのですが」 
 珠魅     :「……それで?」

 不思議そうに問う珠魅の目を見て、ひとつ息を吸い込んで言葉を続ける。

 巧      :「珠魅殿、私と一緒に踊っていただけませんか?」
 珠魅     :「……」

 一息にいい切って止まる巧、微かに頬が赤い。

 木葉(黒子) :「報告!目標がほほを染めています!」
 秦弥(黒子) :「なにっ!?それは偽者だ!」 

 だから何をやっとるんだ。

 巧      :「……」

 真っ直ぐに珠魅を見つめながら、内心どきどきしながら返事を待っている。
 そんな巧を暫く眺めて、珠魅がクスクスと笑った。

 珠魅     :「よく言えたな。巧らしくもない」
 巧      :「いえっ……ご迷惑でなければ」

 焦りを隠しきれない巧を見て、すっと珠魅が真顔になる。

 珠魅     :「迷惑だと言ったら?」 
 巧      :「……それならば、いたしかたありませんが……」

 微かに視線を落とす。

 珠魅     :「……全く」
 巧      :「はい?」

 珠魅が少し遠い目をしてふっと笑う。

 珠魅     :「そこで強くでなければ、色々と、逃すぞ?」
 巧      :「…………」

 木葉(黒子) :「目標は、ターゲットに試されている模様」 

 だから何をやっているのだ。

 巧      :「私は……」

 一瞬言葉に詰まる。その間、色々と考えが巡る。

 巧      :「珠魅殿」

 顔をあげて、真っ直ぐに珠魅を見る。

 巧      :「後夜祭に、貴方と一緒に踊りたいです」
 珠魅     :「……」
 巧      :「お誘いを受けていただけませんか?」
 珠魅     :「……断る理由は、無いな」 
 巧      :「お願いします」 

 珠魅がくすくすと小さく笑う。

 珠魅     :「ただし、西洋の踊りなどしたためしがないからな、足や
        :ら何やら踏むかもしれん」
 巧      :「それはっ……私がリードいたします」
 珠魅     :「ふむ、そうか、それは安心だな」

 巧、実は踊れません。

 巧      :「はい、お任せください」

 これは修行せねば、と心に誓いつつ。
 内心焦る巧の目をじっと見つめて、くすっと笑う。

 巧      :(ちょっとどきっとする) 
 珠魅     :「まあいい、楽しみにしているからな」
 巧      :「……はい、楽しみにしております」 

 ぺこりと折り目正しく頭を下げて、マントを翻して後にする。

 巧      :「フォークダンス……練習せねばっ」

 心なしか駆け足。


場所・時系列
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 九月初め。文化祭準備期間中。
解説
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 後夜祭フォークダンスに珠魅を誘う巧。

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以上。




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