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Date: Sat, 24 Sep 2005 04:33:18 +0900 (JST)
From: いー・あーる <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29249] Re: [HA06P] エピソード『吹利学校高等部学園祭 2005 Never Forget Memories 』
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2005年09月24日:04時33分18秒
Sub:Re: [HA06P] エピソード『吹利学校高等部学園祭 2005 Never Forget Memories』:
From:いー・あーる
ども、いー・あーる@へれっ です。
皆様、訂正、修正、有難うございます。
MLの修正と、あとIRCでの会話とを元にして、次のようにしてみました。
えっときしとん、星にするのはむごいので……こんな風にしてみたんですがどうでしょうか。
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エピソード『吹利学校高等部学園祭2005 Never Forget Memories』
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登場人物
--------
関口聡(せきぐち・さとし)
:周囲安定化能力者。現在片目は常に意思と感情を色として見ている。
桐村駿(きりむら・しゅん)
:野球部の主力投手。クラス一、もとい学校一のちびっこ。
乃藤礼門(ないとう・れいもん)
:地下探検部部長にして、小規模部活動連絡会会長。
空観木葉(そらみ・このは)
:地下探検部部員。変異持ちの盲目少女
蒼雅巧(そうが・たくみ)
:地下探検部部員。霊獣使いの一族。非常に真面目。
津山三十郎(つやま・さんじゅうろう)
:地下探検部部員。猫耳着用のかなり変人。
English Tea Time??
--------------------
無論一般の生徒達にとっては、文化祭前の忙しい日であるだけのことである。
**
聡 :「すいません、先輩」
巧 :「いえ、有難いです」
大皿に盛ったサンドイッチをつまむ……前に、聡が鞄から配った使い捨てお
絞りで手を拭いて。
聡 :「皆さんも、味見お願いします」
礼門 :「へー、サンドイッチ」
聡 :「ちょっと……クラスで揉めまくってて」
辟易したような顔になって、聡がこぼす。
木葉 :「いただきま……揉める?」
聡 :「こっちとそっちと、どっちが紅茶に合うか」
成程、大皿の一部にはアルミホイルで仕切りが作ってある。
木葉 :「こっちと(もう一方に顔を向ける)そっちですか?」
聡 :「そう、なんです。どっちがこのお茶に合うかって」
言いながらペットボトルに詰めた紅茶を取り出し、やはり持ってきていた紙
コップに紅茶を注ぐ。既成のものとは思えないはっきりとした芳香が漂った。
三十郎 :「おお、気が利くではないか一年生」
木葉 :「まずは手を拭く!」
巨大迷路を作成している最中の面々が、手を休めてわらわらと集まってくる。
礼門 :「ってことは、こっちとそっちを食べ比べてみればいいの
:かな?」
聡 :「お願いできますか」
巧 :「……ふむ」
どちらも胡瓜のサンドイッチである。
但し、片方にはマヨネーズが塗ってある。
片方はバターのみ、ただし胡瓜自体にしっかりと酢で味がついている。
木葉 :「あ、こっちのほうがあっさりしてる」
聡 :「っていうと」
木葉 :「こっちです、マヨネーズじゃないほうです」
聡 :「……ありがとうございます」
やっぱり鞄からノートを出して、メモする。
巧 :「紅茶にはこちらのほうが合うようです」
聡 :「巧先輩も一票……と」
礼門 :「私は酢が苦手だから、マヨネーズのほうが好きかな。で
:も、紅茶に合うかどうか聞かれたら、確かにどうだろうな
:あとは思うね」
聡 :「なるほど」
巧 :「しかし聡殿、揉めているというのは?」
聡 :「それが……」
メモから目をあげて、やっぱり少しうんざりした顔になる。
聡 :「うちの総責任者がやったら凝る人で、どうせメイド喫茶
:なら英国のお茶受けを作ってみようって言い出して。調べ
:たら胡瓜のサンドイッチってのがあったらしいんです」
礼門 :「それが……こっち?」
聡 :「はい」
マヨネーズの入ってないほうを掲げて見せた礼門に、こっくりと頷いて。
聡 :「一応そっちに決まりかけたんですが、男子の一部がこれ
:じゃちょっと物足りないだろう、身体を動かしてる人だと
:やっぱりマヨネーズ味だ、って言い張って」
礼門 :「確かに、一理あるような無いような。そんな手間でも無
:さそうだし、両方やれば……っていうのも、難しいか。ほ
:とんどの人は馴染みのあるマヨネーズの方を注文しそうだ」
三十郎 :「マヨネーズだろうが酢だろうが大差無い」
その割に二つ目に手を伸ばしながらの発言である。
木葉 :「みんなの分もあるんだから、少しは遠慮しなさい!」
三十郎 :「いやさ一年生。身体を動かしている我々が動物性蛋白を
:欲するのはいわば必然。とまあ、そういうことなのだ」
聡 :「あ、一応、こっちが卵サンドで、こっちはハムサンドな
:んですが」
三十郎 :「卵やハムも悪くはない。悪くはないが──やはりサンド
:イッチといえば焼きソバサンドやコロッケサンドを期待す
:るものだっ」
木葉 :「それはあなたの趣味でしょう!」
聡 :「……それ動物蛋白メインじゃないと思いますけど」
礼門 :「あ、確かに」
つまんだサンドイッチを口に放り込み、紅茶を口に含む。
礼門 :「これ、市販の?」
聡 :「いえ、アールグレイを冷したもの、らしいです」
木葉 :「凝ってますね」
聡 :「やるならきっちりやろうじゃねーかってのが、総責任者
:の発言でして」
ここに来るのも、メイド服着用、との命令が一度は下ったのだが。
聡 :「汚したら洗うのは大変だと言ったら、それもそうだろう
:ねと」
木葉 :「……えっと……メイド服着るんですか?」
聡 :「ええ、僕の他にも数人」
礼門 :「あれ?」
紙コップを空にした礼門が首を傾げた。
礼門 :「もしかして……一人、野球部のほうに行かなかったかな」
聡 :「あ、桐村君だ」
巧 :「……とすると桐村殿という方は、メイド服にて……」
聡 :「まあ、色々ありまして」
一回ずる休み分、今回メイド服を着せ付けられたらしい。
聡 :「あ、そしたら、どっちが美味しいか、あと、どんなの食
:べたいか、とかあったら教えてもらえませんか」
三十郎 :「焼きソバサンド」
木葉 :「しつこい!」
試食した面々から色々な意見を聞いて、聡がメモを取り終わった頃に、野球
部の部室のほうから、何となくよれたメイドがへたへたと歩いてきた。
聡 :「あ、桐村君、無事で」
駿 :「ぜーんぜん無事じゃないよっ!」
手に、空になったペットボトルと大皿を持っているところを見ると、やはり
同じ目的で野球部にお使いに出されたようだが。
駿 :「絶対行くからなーとか言いやがってーーっ(号泣)」
聡 :「それ、中里さんが行った時から決定だと思ってたけどな」
駿 :「関ちゃん、なんでそんなに冷静なんだよー(泣)」
黒いワンピースに白いエプロン。少し丈は長めだし、袖も多少長いようだが、
その長い袖をフリルのついたアームバンドでたくし上げている。
短い髪に、フリルのついたヘッドドレスがやたらに映えている。
聡 :「そっちはどちらが好評だった?」
駿 :「一応、酢のほうかな……でも、何かどっちもどっちで、
:メイドさーんお茶がもう無いとかあいつらこき使いやがっ
:て、味どこじゃないみたいで……」
聡 :「…………何か納得するなそれ」
駿 :「納得しないでよっ」
食って掛かりかけたのを、まあまあと手でいなしてから。
聡 :「じゃ、一緒に帰ろうよ。こちらも皆に答えてもらったし」
礼門 :「でも、まだサンドイッチが残ってるけ……」
三十郎 :「案ずることはないっ」
木葉 :「あ、待ちなさい!」
解説。
皿の上の残ったサンドイッチを、一瞬にして三十郎がかっさらい、やはり一
瞬で口に詰め込んだのである。
木葉 :「何をやっているんですか!」
三十郎 :「はひっへ……(なにって……)」
木葉 :「いい加減にしなさい!」
なにやらもごもご言っている三十郎の声と、それをぶった切った……不穏極
まりない、轟音。
巧 :「…………木葉殿(汗)」
反応した巧を除いて、後はどうやら『見なかったこと』にしたらしい。
……ある意味、妥当かもしれない。
聡 :「そしたら、有難うございました」
駿 :「あ……もし良かったら、割引券どうぞ」
礼門 :「あ、どうも」
へいっと渡されるとへいっと受け取る。
そこらは多少、条件反射に近いかもしれない。
駿 :「カホちゃんが先に山ほど割引券渡したらしくてさ、これ
:以上いらないって言われちゃったんだよ」
聡 :「……成程」
巧 :「それは……災難、ともうしますのでしょうか」
駿 :「災難なのっ」
ただ惜しむらくは。
そうやって号泣している駿の姿が、えらく「嵌まっている」のだが。
聡 :「それじゃ、皆さんも頑張って下さい。文化祭当日に、僕
:も遊びにきていいですか?」
礼門 :「うん、是非どうぞ」
聡 :「ありがとうございます」
大皿と使った紙コップ、それに空のペットボトルを回収して、二人が一斉に
ぺこんとお辞儀をする。
聡 :「ご協力ありがとうございます」
巧 :「ご馳走になりました」
一休みしていたらしい部員たちが、のんびりと自分の部署に戻ってゆく。
メイド役の二名も、自分達のクラスへと戻ってゆく。
文化祭用意中の、一休みの風景である。
時系列
------
2005年9月
解説
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所謂一般生徒にとっては、これも普通の文化祭だと思うのです。
普通の……否、文化祭というだけでも、特別な。
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いじょ。
あとは、茶々ですが。
Sawさんへ
> 頼子 :「一年の中里嘉穂……末恐ろしい娘よ」
きゃー、頼子さんよー、頼子さんなのよー……と、跳ね回ったPLでございます。
そうか末恐ろしいか……頼子さんが言うならそうかも<まて
れあなさんへ
> 部としては、こういった差し入れ的なものはありがたいですなあ。こうい
>うのも文化祭ならでは。
高校の頃漫研だったんですが、先輩達が切羽詰ってるところに、
やっぱり弱小部だった演劇部から差し入れがあったのを、書いてて思い出してました。
気弱になった相手には、食糧って効くようです(観察結果<こらまて)
きしとさんへ
>できれば、ここで一撃かましたいです。
というわけで、かましてもらっちゃったりしましたが。
……三十郎さん……二十歳と言わず高校生でお空の星になりそうで(汗)
というわけで、ではでは。
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