[KATARIBE 29224] Re: [HA06P] エピソード『吹利学校高等部学園祭 2005   Never Forget Memories 』

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Date: Thu, 22 Sep 2005 15:28:03 +0900 (JST)
From: いずみ  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29224] Re: [HA06P] エピソード『吹利学校高等部学園祭 2005   Never Forget Memories 』
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2005年09月22日:15時28分02秒
Sub:Re:  [HA06P] エピソード『吹利学校高等部学園祭 2005  Never Forget Memories』:
From:いずみ



いずみです。
他の学園祭EPと流れが全然違いますが。

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エピソード『状況報告と確認』 
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登場人物
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     桜居津海希:多忙な生徒会長
     和泉凛(渋柿):に余計なことを言った親友

平静
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 津海希    :「……あら。待っててくれたの」

二年の昇降口まで出向いてくる所を見ると間違いない。
影さす壁にもたれ立っていた人物がごそりと動く。

 渋柿     :「クラスの出し物の稽古につきあって、後は図書室で…」
 津海希    :「この時間だと閉館しているでしょう」
 渋柿     :「ああ。図書室で、借りた本を、読んでいた」
 津海希    :「そう」

とってつけたような行動ではないことをそれとなく主張する凛。
別に追及する必要もないかと思い直す津海希。

気まずかろうが普段通りの行動をとるようにつとめる親友同士。

目標設定
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校門を出て商店街に入る。
駅までの道を口数少なく歩む二人。
肩を並べ歩調を合わせながらも、視線は決して向けない。

 津海希    :「それで、今朝の件について何か考えに進展があった?」
 渋柿     :「いや、残念ながら。具体的な弁明および釈明をする段階
        :には至っていない」
 津海希    :「そう?私から見ればそう複雑なものでもないと思うけど」
 渋柿     :「そうかもな」
 津海希    :「どっちにしても、あまり長引くのも良くないわ。できれ
        :ば学園祭開催までに片づけたいところね」
 渋柿     :「善処する」

とりあえず、これが喧嘩である確認と今回の非がどちらにあるかの確認、そし
ていつまでに片づけるべきかのすり合わせをしておく。
毎回目標設定しておけば喧嘩も楽だろうが……いや、喧嘩しないですめばそれ
でいい。

現状報告
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目の前の交差点の信号が黄から赤に変わる。
先に進もうとした津海希に対して、凛は止まって待つ姿勢を見せる。
交差する車線の車が始動を始め、しかたなく津海希も立ち止まる。
半歩足を進め、凛が津海希の横に並ぶ。

 渋柿     :「そういえば先に言っておいたほうが問題ないと思うけど」
 津海希    :「なにかしら」

目の前を通りすぎる軽トラック、ワゴン車、乗用車。
車のエンジン音、商店街の賑わい、普段は意識しない喧騒が大きく感じる。
隣にいる凛が口を開くのをじっと待つ津海希。

 渋柿     :「学園祭の後夜祭、宗谷君に誘われた」
 津海希    :「ああ、そう……そうなの」

歩行者の信号が青になり、二人は同時に歩き出す。
意識して制御していた歩調が少しだが普段のものに戻る。
頑なに前を見ていた視線も互いの表情を確認できる程度に余裕ができる。

 渋柿     :「会長職が忙しいとは考えたけど、もし余裕があったとき
        :相手の候補にあがっていたなら悪いと思って。一応報告し
        :ておく」
 津海希    :「お気遣い感謝するわ。こちらも相手を選んだところで、
        :あなたに伝えておくかどうか考えてたの。一応」

一応、というところに力をこめる。

 渋柿     :「ふむ。やっぱり……前野さん?」
 津海希    :「……」

普段なら気にならない間合い。
しかし冷戦状態に入った今は、その名前を出してパーソナルスペースに踏み込
む相手を吟味する必要がある。
視線を一旦前方に戻し表情を強ばらせ、それを相手が見たと判断できたところ
で、一つため息をつく。

 津海希    :「それは検討したけど無理ね。学園祭に招待するくらいな
        :ら可能だけど、関係を学内に広めるのは得策じゃないもの」
 渋柿     :「じゃあ、誰だろう」

自分にとっての重要な問題をさらりと流されたような気がして、津海希が鋭い
視線を凛に向ける。
凛の方はそれを平然と受け止め、津海希の次の言葉を待っている。
平静を装うという点で、あまり表情を変えない凛は上手である。
それ以前に鈍感であることも考慮にいれておかないといけないが。

今の会話は主導権を握っているのだから、と自分を励まし襟を正す。
少しはサプライズしてもらわないと面白くない。

 津海希    :「生徒会書記の西園寺君。我が姫君、ジュリエットと言え
        :ば分かるかしら」
 渋柿     :「ああ、彼か」
 津海希    :「あの人も似た立場だから、互いのボディガード役という
        :名目ね」
 渋柿     :「なるほど」

何がなるほどなのか問い詰めたい衝動は抑えて、もう一つため息。
最初に誰をボディガードにしようとしてたか考えた自分もいたわけで。


緊張緩和
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 津海希    :「とりあえずあなたも私も相手は見つけたということね」
 渋柿     :「そういうことになるな」

現在できる最低限の気遣い。
緊張状態はほんの少しほぐれたように思える。


時系列と舞台
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2005年9月はじめ。EP『有り難迷惑』の日の放課後。

解説
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なし崩し的仲直りはしないように確認する二人。
互いに失礼にならないように現在の状況を報告と確認しておく。
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