[KATARIBE 29217] Re: [HA06P] エピソード『吹利学校高等部学園祭 2005   Never Forget Memories 』

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Date: Wed, 21 Sep 2005 22:23:08 +0900 (JST)
From: 久志  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29217] Re: [HA06P] エピソード『吹利学校高等部学園祭 2005    Never Forget Memories  』
To: kataribe-ml@trpg.net
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2005年09月21日:22時23分08秒
Sub:Re: [HA06P] エピソード『吹利学校高等部学園祭 2005   Never Forget Memories 』:
From:久志


 久志です。
地下探検部、巨大迷路編。
ログからEPにおこしました。

各自チェックよろ。

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エピソード『吹利学校高等部学園祭2005 Never Forget Memories』
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登場人物
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 乃藤礼門(ないとう・れいもん)
    :地下探検部部長にして、小規模部活動連絡会会長。
 桜居津海希(さくらい・つみき)
    :吹利学校高等部生徒会長。
 空観木葉(そらみ・このは)
    :地下探検部部員。変異持ちの盲目少女
 蒼雅巧(そうが・たくみ)
    :地下探検部部員。霊獣使いの一族。非常に真面目。
 津山三十郎(つやま・さんじゅうろう)
    :地下探検部部員。猫耳着用のかなり変人。

悩める部長
----------

 地下探検部部室。
 あちこちに置かれたケイビング用具と壁に掛けられた防寒着、部屋の片隅に
は少し傷が走ったトレッキングシューズが並べて置いてある。

 礼門     :「必要なのは広いスペースと根気だ」

 地下探検部部長、乃藤礼門が机の上の図面を睨みながらつぶやく。

 礼門     :「残念ながら、地下を直接使用するのは不可能だろう。
        :体育館というのも実質無理だ。と、なると後は運動場か、
        :屋上か……さて」
 つみき    :「何? なんの話?」
 木葉     :「部長?何の話ですか?」 

 ひょいと覗き込んできたのは、部員でもないわりによく部室に出入りしてい
る高等部生徒会長桜居津海希と、地下探検部部員の空観木葉。

 礼門     :「もちろん、学園祭の出し物の話ですよ、会長殿。小規模
        :部活動連絡会合同での企画です」
 巧      :「合同企画ですか、何を出展するのでしょう?」

 すぐ傍らで、肩に霊鷹をのせた一年地下探検部部員の蒼雅巧が顔をあげる。

 礼門     :「運動場などは毎年後夜祭まで無人ですから、何とかなり
        :そうなもの。そこで誰もがやりそうで誰もやらない、巨大
        :迷路などをやってみようかと」 
 つみき    :「おお、今年はやる気なのね。感心感心」 
 巧      :「迷路……ですか」

 思わぬ大掛かりな出し物に一瞬目を丸くする。

 つみき    :「って、それはなかなか大がかりねえ」 
 木葉     :「結構手間がかかりそうですね。」 
 礼門     :「うん、迷路はメンテナンスも必要だからね。特に急ごし
        :らえの軟いのだとちょっと辛いかな」
 巧      :「そうですね……もろい材料だと破損の恐れがありますし」
 木葉     :「迷路の壁は何で作るんですか?」

 口では疑問をだしつつも、巨大迷路という企画に部員達も興味をひかれてい
るようだ。

 つみき    :「運動場は確かに使えるかな、交流試合の予定もなかった
        :と思うし。許可は取れると思います。でもすぐに撤収出来
        :ることが条件よ? 大丈夫なの?」

 急造でメンテナンスができて安全性があって撤収が早い。こう並べられると
なかなか難しいようにも思う。

 礼門     :「ええ、他の出し物より早い目の撤収を予定すれば、なん
        :とかなるかと」
 巧      :「そうですね、うまく連携をとって動けるようにすれば」
 礼門     :「うん、こないだ部室を整理してたら大量の暗幕が発見さ
        :れたんで、それも使おうかと思ってる」
 巧      :「力仕事ならお任せください、それに簡単な上空での作業
        :ならば秋芳もお手伝いできますゆえ」
 三十郎    :「そんなこともあろうかとな、バリケードを溜め込んでい
        :たのだ。裏に隠してある」

 背後から怪しげな猫耳装備の津山三十郎が、大威張りででふんぞりかえる。

 木葉     :「一体、どこからバリケードなんて……」 
 三十郎    :「うむ。工事現場や学校の備品やらな。なぁに捨てられて
        :たようなものだ」 
 礼門     :「ああ、そういや謎の看板類もあったな。あれも転用しよう」 
 木葉     :「ほんとに捨てられた物なの?」 

 その目が疑わしそうに三十郎を睨む。
 気にした風もなく、勝ち誇ったよううに笑う。

 三十郎    :「捨てられてたようなもの、というのは捨てられていな
        :かったものに対して使う言葉だぞ」
 木葉     :「へぇ〜」

 その目は思いっきりあやしんでいるが。

 礼門     :「ちなみに、法的によろしくない物は対外的な関係で使用
        :できないのでよろしく」
 三十郎    :「うむ、ばれなければどうということはない」
 巧      :「そのような問題ではありません……(汗)」
 つみき    :「やっておしまいなさい」

 悪びれもなくふんぞり返る三十郎を冷たい目で見つつ、木葉に合図する。

 木葉     :「……はい」
 巧      :「木葉殿、ほどほどに……」

 制止は手遅れだった。

 木葉     :「また、つまらない物を殴ってしまった……」
 巧      :「…………木葉殿(汗)」

 モザイク状態になった三十郎を背に小さくため息をつく木葉。
 制止しようと伸ばした巧の手が行き場もなくとまっている。

 礼門     :「あと、人手の問題で木工技術部、超常現象研究会、古武
        :道部他いくつかの弱小部活動との合同企画ということにな
        :るので、そのつもりで」 
 つみき    :「頑張るのねー。そこまでやるなら応援するから困ったこ
        :とがあったら言って頂戴」
 モザイク状態の三十郎から目をそらして鼻をつまみながら、ひらひらとつみ
きが手を振った。

 礼門     :「ありがとうございます、会長」
 巧      :「私も部の活性化の為に力を尽くします」

 片や。

 木葉     :「まったく!犯罪行為を堂々と自慢してるんじゃないの!」
 三十郎    :「仕方がない。それでは樹でも切ってくるか、その辺の山
        :から」
 巧      :「三十郎殿それはいけません(汗)」
 礼門     :「だから犯罪だって」 
 木葉     :「駄目に決まってるでしょう。」 
 三十郎    :「なんとケチクサイ!」 
 礼門     :「大体、加工の手間を考えたらテープや紙で代用した方が
        :いくらか楽なんだから」 
 木葉     :「私の爪なら綺麗に切れますけど。」 
 巧      :「すみません、皆さん問題がずれてきております……」

 あれこれ言い合う部員達を見て、つみきが小さく笑った。

 つみき    :「部員の調……教育が足りないようね」
 木葉     :「えぇ、申し訳ありません。私がしっかりしていないばか
        :りに……」 
 巧      :「すみません、私からもしっかりと押さえます」 
 礼門     :「(今、調教って言いそうにならんかったかしら)」 

 気のせいではありません。

 つみき    :「いいのよ。面白いし。というかよく津山君とやってけて
        :ると感心するくらいで」 
 礼門     :「うちはツッコミがしっかりしてますから」 

 にっこりと微笑んで。

 巧      :「三十郎殿、こちらの材料は選別して使用に問題がなさそ
        :うなものを使わせていただきます、ですから法に触れる行
        :為はいけません、よろしいですね」
 木葉     :「とにかく、犯罪行為はだめですからね!」

 噛んで含めるように説得する(多分無駄な努力)巧と、とにかく鉄拳制裁の
木葉。対照的だがどちらも押さえにはなっている。

 礼門     :「まあ、材料の調達や予算については、他の部活との合同
        :な分結構大きい事も出来そうだから。あんまり心配しなく
        :ても良さそうだ」 
 巧      :「なかなか準備などが大変そうですが、やりがいがありそ
        :うですね」
 木葉     :「うん、ちょっとワクワクしてきた」

 巨大迷路計画、始動。

場所・時系列
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 九月初め。文化祭準備期間中。地下探険部部室にて。
解説
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 礼門と地下探検部が巨大迷路の企画開催に至るまでの一幕。

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以上。



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