[KATARIBE 29096] [HA06P]エピソード『道場へ行こう! 5th 〜熱闘編〜』

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Date: Wed, 24 Aug 2005 18:38:59 +0900
From: gandalf@petmail.net
Subject: [KATARIBE 29096] [HA06P]エピソード『道場へ行こう! 5th 〜熱闘編〜』
To: kataribe-ml@trpg.net
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 こんにちは、葵@なげぇぞおぃ(汗 でっす。
 まだ続くんかって声が聞こえてきそうですが
 道場へ行こう! 5th 熱闘編をお送りします
 (既に、チャットログ斬りではなくなってるし(汗

 あとは……史久兄ぃと蓉子ちゃんパパ、蓉子ちゃんと蓉子ちゃんパパか

 ゴメン、ママンぼくもうかけないよ……
 というわけで、みこちVS先輩は気力が続いたら書きます(脱兎

まとめwiki:http://hiki.kataribe.jp/HA06/?LetsGoDojo
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[HA06P]エピソード『道場へ行こう! 5th 〜熱闘編〜』
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口は闘いのもと
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 中村     :「相羽、史久、ご苦労だったな。少し休憩を入れるか。
        :そうだな……今から十分間休憩する」

 ざわめきながら、三々五々休憩に向かう人々。

 蓉子     :「秦弥さん!」
 秦弥     :「あ、お疲れ様」

 袴をひるがえし、とてとてとて、と駆け寄ってくる蓉子ちゃん。
 実は秦弥君、胴着に袴姿の蓉子ちゃんを間近に見るのは初めてだったり。

 蓉子     :「秦弥さん、退屈じゃないですか?」
 秦弥     :「(なんか……凛々しくて……)……(じー)」

 隣にぽふんと腰を下ろした蓉子ちゃんの胴着姿につい見とれちゃったり。

 蓉子     :「秦弥さん?」
 秦弥     :「え、あ、うん、退屈してないよ、それにしても……みん
        :な凄いね」

 しみじみ、と言った感で。
 実際、尊と和久の試合は多少問題があったとはいえ、剣道の試合としてみれ
ば見事なフェイント胴が決まり、史久、相羽の試合は素人でも息を飲む試合で
あった。

 蓉子     :「凄かったですよね、史久さんの……」
 秦弥     :「尊さん……カッコよかったなぁ……」
 蓉子     :「え(ぴくっ)尊さん……て……(俯く)」

 つい、ポロリと漏れた感想。
 単純に、他意の無い純粋な感想なんだろうけれど。
 でもね、それ蓉子ちゃんの前で言うのはどうかと思うよ?。

 秦弥     :「ねぇ、本宮さんに勝っちゃうんだも……」
 蓉子     :「(俯いたまま)……」
 秦弥     :「あ、の……よ……うこ?(汗)」

 俯いて何事か考えているご様子の蓉子ちゃん。
 何だか、背中から紅い闘気が立ち昇ってるんですが(汗)。


うりぼう(ぷきゅー) VS 白猫(ふーっ) 対決の図
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 蓉子     :「尊さんっ!(びしいっ:指差しっ)」
 尊      :「ふわわっ?(びっくり)」

 すぐ傍で、和久君と談笑していた尊にいきなり突きつけられるよーこちゃん
の指。
 キュっと口元を引き結んだえらい剣幕に思わず半歩後ずさっちゃったり。

 尊      :「な、なに?(汗)どーしたの一体(汗)」
 蓉子     :「次の試合、勝負して下さいっ!」
 秦弥     :「ええっ!?(汗)」
 真帆     :「あら」
 相羽     :「おっ(わくわく)」
 史久     :「ほう」
 尊      :「えっと(右見て、左見て、指差されてるのが自分だと再
        :確認)あたしとっ?(汗)」

 いきなり突きつけられる挑戦状、そりゃーびっくりもする。

 蓉子     :「そうです、次の試合、わたしと勝負してくださいっ!」
 尊      :「そ、それは構わないけど……なんでまた急に……あ」

 蓉子のすぐ傍で自分の台詞の重大さに気付かず、わたわたしてる秦弥君が目
に入る。

 尊      :「(んふ……なるほどねぇ(くすすっ))」
 蓉子     :「受けて……頂けますか?(じっ)」

 なんとなく事情を理解してから。
 こちらもチラリと傍らの和久君を見て。

 尊      :「いいわ、その挑戦受けて立ちましょう(きっぱり)」

 熱き闘志を秘めて見詰め合う二人。

 秦弥     :「えっと、蓉子?(汗)」
 和久     :「あの……尊……さん?(汗)」

 おいてけぼり状態な男性陣。
 で。

 中村     :「よし休憩終了だ、次の試合は……」
 史久     :「中村さん」
 中村     :「なんだ?」
 史久     :「彼女達が勝負したいそうですが(微笑)」

 じろりと尊と蓉子を眺めて。

 中村     :「……いいだろう、では、両者中央へ」

 ピンと背筋を伸ばして中央に進み出る二人。

 尊      :「じゃ、手加減は(見ててね、本宮君……)」
 尊      :「無しで(見ててください、秦弥さん……)」

 合わせた視線の中央で、火花がばちばち散ったり、真っ黒なバックで稲妻が
どどーんと光って見えたり。
 ただ、バックのイメージが、うりぼうと白猫ってのが……。

 秦弥     :「(蓉子……ガンバレ!)」
 和久     :「尊さん(ぐっ)」

 でも、手に汗握る若干名。

 中村     :「始めっ!」
 蓉子     :「めぇぇんっ!」

 裂帛の気合と共に、瞬時に蓉子が動いた。
 10センチの身長差と、遠い間合いをものともせずに尊の懐に飛び込み、面に
迫る竹刀。

 尊      :「っ!(早いっ!)」

 竹刀を上げて隙を作る事を警戒し、頭を動かすだけで打ち込みを避ける。
 脳天から外れ、首筋にビシリと命中する竹刀。
 そのまま二人とも体をかわさず激突し、鍔競り合いで。

 尊      :「くぅっ……やるじゃない蓉子ちゃんっ!(嬉々)」
 蓉子     :「この試合、負けませんっ!」

 鍔競り合いからお互いの出方を探る。

 相羽     :「さて、面白くなってきたねえ(くくくっ)」
 真帆     :「なに面白がってるの(苦笑)」
 史久     :「いや、これは良い勝負になりそうですよ(微笑)」
 真帆     :「え?」
 相羽     :「あの娘(蓉子ちゃん顎で示して)見ての通り、かなり強
        :いよ(腕組みしてまじめな顔)」
 史久     :「多分、県内高校生では男女含めて十指に入るでしょう、
        :全国でも十分通用するでしょうね」
 相羽     :「対する如月さんも……良い腕してるからねえ、なぁ豆柴
        :君?(くっくっくっ)」
 和久     :「……って、何で俺に聞くんですかぁ(汗)」
 真帆     :「(だまって相羽さんの後頭部をぺしんと)」

 そんな外野に眼もくれず。

 尊      :「(今度はこっちからっ)はっ!小手ぇっ!」

 鍔競り合いから全力で間合いを切り、下がりがての駄賃に小手を狙う。
 が。

 尊      :「(抜かれたっ!?)」
 蓉子     :「めぇんっ!」

 下がる尊の気配を察知し、機を制した蓉子が手許を上げて尊の小手を抜きそ
のまま面を打ち込む。

 蓉子     :「(いけるっ!)」

 SE:ガキッ!

 蓉子     :「えっ?(汗)」

 確かに命中するはずだった蓉子の竹刀は、尊の竹刀に受け止められていた。

 尊      :「ひゅー……危ない危ない……なんてスピードなの?(汗)」

 抜かれた!と判断した瞬間、身体に叩き込まれた退魔師としての反射が無意
識に竹刀の手許を返し、蓉子の打ち込みを受け止めていた。

 蓉子     :「(打ち込み止められたなんて……)尊さんだって……や
        :るじゃないですか」

 再び一足一刀の間合いに戻って睨み合う二人。

 相羽     :「な? 良い勝負だろ?(試合眺めつつ)」
 真帆     :「確かに(微笑)」

 尊      :「どうやら……ホントに手加減……いらないみたいね……」
 蓉子     :「いきますっ!」
 尊      :「来いっ!」


延長戦
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 5分後。

 中村     :「止めっ! 両者中央に、延長戦を始める。延長は時間無
        :制限だ」
 尊      :「ほんとに(ぜぇ)……やるじゃ(ぜぇ)……ない(ふぅ)」
 蓉子     :「みこと……(はぁ)……さん(ふぅ)……だって(ぜぇ)」

 尊が打ち込み蓉子がかわし、蓉子が打ち込み尊が逸らす。
 お互いの打ち込みを寸前で防具の無い所へ外す。
 一進一退の攻防はほぼ互角であった。
 全力で打ち合い、滝のような汗の中で息を切らせる二人。

 中村     :「延長戦……」

 審判役の中村の手に握られた紅白の旗がゆっくり上がる。

 ドクン……ドクン……。
 己の心臓の鼓動すら聞こえそうな緊張感。

 蓉子     :「(延長開始の……一瞬が……勝負……)」
 尊      :「(次で……決める……)」

 中村     :「始めっ!」

 紅い襷の蓉子、白い襷の尊。
 中村の旗が振り下ろされた瞬間。
 それぞれ紅と白の矢となって合まみえた。

 蓉子     :「小手っ!(びしっ)」
 尊      :「突ぃぃっ!(ひゅんっ)」

 SE:ビシッ!ドンッ!

 尊      :「つぅ(小手の痛みに顔を歪める)」
 蓉子     :「けふっ(喉に決まった突きに咽る)」

 それぞれ、見事に喉元と小手に命中した竹刀。

 相羽     :「決まったか」
 史久     :「ええ」
 和久     :「どっちだっ(汗)」


油断大敵
--------


 高々と上げられたのは赤い旗。

 中村     :「それまでっ、組討始めっ!」
 和久     :「蓉子ちゃんが一本!?」
 相羽     :「やるねぇ二人とも(にやにや)」
 史久     :「実力伯仲ですね」
 真帆     :「組討……始まるよ(じっ)」

 中央では、竹刀を捨てた二人が間合いを取りつつ睨み合っていた。

 尊      :「(組討は苦手だから……不利よねぇ……)」

 如月流の闘術は打撃を中心とした技の為、基本的に組討にはあまり向かない。
 無論、尊が本気で蓉子を本気で沈めようと思えば、瞬殺同様に打撃を打ち込
めるのだが。

 尊      :「(打撃が禁止……じゃね(内心苦笑))」
 蓉子     :「(間合いが……遠い……)」

 ジリジリと間合いを詰める蓉子。
 一撃の機会を狙う尊。
 そして。

 蓉子     :「いきますっ!(がっ)」
 尊      :「っ!(汗)」

 柔道の心得もある蓉子。
 身長差を活かして、するりと尊の懐に潜り込み、瞬時に技に入る。
 片膝をついて尊の腕を抱え込みながら背負い、そのまま引き落とす。

 蓉子     :「やぁぁぁっ(投げっ)」
 尊      :「うそっ!?(この技っ!?)」

 SE:ドオォォン

 尊      :「ぐっ」
 真帆     :「あっ(汗)」

 前のめりに体を崩され、引き落とされる尊。
 さすがにキッチリ受身は取ったものの、畳と床ではダメージが違う。

 史久     :「背負落(せおいおとし)……」
 相羽     :「いや、ちがうな。 ありゃ古式、裏の六『雪折』だ」
 蓉子     :「(はっ)……いけないっ(汗)」

 つい、熱中して覚えたての大技を出してしまった蓉子ちゃん。
 ピクリとも動かない尊に駆け寄る。

 蓉子     :「尊さんっ!大丈夫……」

 ガッ。
 と、下から伸びた手が、覗き込んだ蓉子の面の喉当てを掴んだ。

 尊      :「油断大敵だよ、蓉子ちゃん(くす)」
 蓉子     :「尊さんだって(にこ)」
 尊      :「えっ?(汗)」

 喉当てを掴んだその腕を。
 瞬時に脇固めに引き込む。

 尊      :「しまっ(汗)」
 蓉子     :「えいっ(面剥ぎっ)」
 中村     :「一本、それまでっ!」
 史久     :「詰めが、甘かったと言う所、ですか」
 相羽     :「でもまぁ、今回は勝ったけど仮にもう一回やったら次は
        :判らないねえ」
 真帆     :「あの二人……かっこいいなぁ(しみじみ)」

 秦弥     :「(よしっ!蓉子が勝ったっ!)」

 内心ガッツポーズな秦弥君と。

 和久     :「尊さん……まけちゃった……(ぼーぜん)」

 尊の敗北によって、自分の順位を思い知らされてへこむ和久君。

をとめの友情
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 戻ってきて。

 真帆     :「二人とも、お疲れ様(タオル手渡す)」
 蓉子     :「あ、すみません(受け取って尊にも手渡す)」
 尊      :「ありがと(タオル蓉子から受け取って)あーあ、 負け
        :ちゃった(てへ)蓉子ちゃん強いんだもん」
 蓉子     :「え〜(照れ)尊さんだって凄いじゃないですか(嬉々)」
 尊      :「んーもうちょっと稽古、しなきゃだめだな〜こりゃ(笑)
        :今度は負けないからね」
 蓉子     :「わたしも負けませんよ?(にこにこ)」
 真帆     :「いいなぁ、こういうの(ほこほこ)」

 で。

 秦弥     :「(うう……入りづらい……)」
 和久     :「(がーん……尊さん負けちゃったてことは……俺、蓉子
        :ちゃん……以下……)」

 蚊帳の外が約2名。

 というわけで。
 勝者 中村蓉子!


時系列と舞台
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 2005年夏休み中、県警剣道場にて。

解説
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 流石に、柔道:13 突いていると組討では勝てません(笑
 もうちょっと修行が居るようです。

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葵 一<gandalf@petmail.net>

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