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Date: Sat, 20 Aug 2005 01:07:50 +0900 (JST)
From: 葵一 <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29071] [HA06P] エピソード『道場へ行こう! 4th 〜死闘編〜』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200508191607.BAA77314@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 29071
Web: http://kataribe.com/HA/06/P/
Log: http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/29000/29071.html
2005年08月20日:01時07分50秒
Sub:[HA06P]エピソード『道場へ行こう! 4th 〜死闘編〜』:
From:葵一
こんばんわ、葵@自キャラ(以下略) でっす。(ぉ
なんつーか……ごめんなさい、止まりません(えぐ
何処まで行くんだよおぃてなもんで。
強敵と書いて「とも」と読む(意味無し
もー後は知らんぞおぃ(泣
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[HA06P]エピソード『道場へ行こう! 4th 〜死闘編〜』
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死闘! 餓狼 VS 白き魔犬
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尊に負けちゃった後で。
中村 :「まったく……豆柴よぉ、次の試合良く見とけ」
和久 :「はい(しゅん)」
中村さんに睨まれて。
ちょっとしょげる豆柴君。
尊 :「(苦笑)ごめんね、和久君(しょげる和久君みて小声で)」
中村 :「よし、史久! 相羽! 豆柴や他のわけえ奴等に、ちぃ
:と手本を見せてやれや」
史久 :「先輩と……ですか……判りました」
相羽 :「うぇ(露骨に渋い顔)……やぁれやれ史の字とかよ」
すっと、座を立って準備を始める史久さん。
よっこらせーと大儀そうに立ち上がる相羽さん。
でも、相羽さん、そーゆー割には目が嬉しそうですよ?。
史久 :「すみません尊さん、その後ろの袋から竹刀を取っていた
:だけませんか」
尊 :「え? 史久さん、いま竹刀持ってるんじゃ……」
史久 :「稽古はこの出来合いのカーボン竹刀で良いんですけどね
:『試合』は本物の『竹刀』でしたいんですよ」
尊 :「はぁ……あ、この袋ですか?(手に取って袋から出す)
:ちょ……この竹刀(汗)」
真っ白な竹刀袋からスラリと抜き放たれた竹刀。
素人目に見ればただの竹刀ではあるが。
濡れたような艶やかな地肌から、たっぷり油をしみこませて良く手入れされ
ている事が伺える。
切っ先の太さは通常の竹刀と変わらないが、柄元の太さが通常よりもはるか
に太く重心がかなり手許寄りになっている。
そして何より。
尊 :「こ、これ……重い……」
通常、竹刀は軽い方が使いやすいので、規定ギリギリまで削って軽くするの
が普通なのだが。
手に感じられる重さは通常の竹刀よりはるかに重い。
尊 :「(竹刀を手渡しつつ)こ、これ使うんです……か?(汗)」
史久 :「これが一番使いやすいんですよ、先輩相手なら本気で行
:かないと負けますからね(ほんのり笑み)」
尊 :「っ!(息を呑む)」
ゆっくりと向けられた史久の表情には穏やかな微笑みが浮かんでいたが。
後の尊の言によれば、その時史久の背後に、眼を爛々と輝かせ白熱する闘気
を纏った大きな白犬を幻視したと言う。
和久 :「尊さん?(汗)ちょっ……尊さん?」
尊 :「え、あ、ごめん(呆然)な……んか……史久さん……凄
:い……ね(汗)」
和久 :「ええ……史兄、相羽さんと試合するときはいつも……」
相羽 :「さて。 史の字がそーくるなら、俺もそっちの竹刀に変
:えるわ、わりぃけど取ってくれる?」
真帆 :「これ?」
壁に立てかけてあった墨染めの竹刀袋。
真帆 :「あれ……なんか軽い……」
相羽 :「史の字とやるなら、手数増やさないとねぇ(袋から出し
:た竹刀をヒュッっと振る)」
明らかに先ほどまで持っていた竹刀と振りのスピードが違う。
尊 :「スピード重視……ですか」
相羽 :「ん? まぁそんなところか」
一振りする度にヒュンッ、ヒュッと空を切る竹刀はどうみても規定ギリギリ
まで削り込んだ超軽量。
真帆 :「どういう事?」
史久と相羽、好対照な二人に固まる尊と和久に、きょとんと問う真帆さん。
尊 :「竹刀は重さ、長さが規定で決められていますが……重さ
:に下限はあっても上限はありません」
和久 :「つまり、相羽さんの竹刀は規定ギリギリまでチューニン
:グして軽くしたスピード重視」
尊 :「かたや史久さんの竹刀は一撃の打撃力を重視した重量級」
真帆 :「二人とも……」
和久 :「本気……ですね」
相羽 :「さぁて……やるかねぇ」
史久 :「今度は負けませんよ?」
真帆 :「……(居住まいを正して、正座しなおす)」
のほほんと穏やかに会話しつつ並んで面をつける二人。
誰かが、黙れと言ったわけでは無いが、水を打ったように静まり返る道場。
無言で竹刀を持ち、道場中央で向かい合う二人。
と。
蓉子 :「あれ?」
秦弥 :「ん?」
尊 :「え?」
真帆 :「この曲は(汗)」
何処からとも無く聞こえる、高らかなトランペットのソロと共に始まるブラ
スバンドミュージック。
和久 :「『ROCKY』……(滝汗)」
蓉子 :「(ひょいっと窓から外見て)あ……県警音楽隊が……」
蓉子ちゃんの言うとおり、外の庭で練習をする県警音楽隊が奏でるロッキー
のテーマ。
意図は無いんだろうけれど。
ただ、選曲があまりにピンポイントで。
相羽 :「県楽隊の連中、盛り上げてくれるねぇ(苦笑)さしづめ
:俺がロッキーか?」
史久 :「僕がアポロなら最後に負けちゃうじゃないですか(苦笑)」
中村 :「無駄口叩くな、準備はいいな? 始めっ!」
高らかに鳴り響くBGMの中、合図の直後に動いたのは。
史久 :「はっ(ぶんっ)」
竹刀の重さなどまるで関係ないように相羽の喉元へ電光の如く伸びる切先。
蓉子 :「きゃ(口元押さえて息を飲む)」
相羽 :「ちっ(体を捌いて命中箇所をずらす)」
喉当に命中する刹那、わずかな体裁きで突きをかわし、首横を通り抜ける竹刀。
まともに食らう事を想像すらしたくないような切れ味。
相羽 :「あぶねぇなぁ……いきなりかい……」
史久 :「先輩の策略に堕ちる前に、決めたいですからね」
相羽 :「人聞きのわりぃ事を……こっちも……行くぜっ」
史久 :「応!」
それから数分間は、誰もが瞬きを忘れていた。
相羽、史久、両者一進一退の猛撃斬戟が息つく間もなく続いたのだ。
そして。
史久 :「小手ぇぇっ!(ぶんっ)」
相羽 :「小手ぇぇっ!(ひゅっ)」
SE:ビシィィッ
蓉子 :「あっ(汗)」
和久 :「合い打ちっ!?」
尊 :「違うっ、相羽さんだっ」
真帆 :「(身じろぎもせずに見つめている)」
相羽の竹刀が史久の小手を。
史久の竹刀は相羽の右手二の腕を捕らえていた。
決して、史久がわざと外した訳ではない。
相羽が防具の無い所に当たる事を覚悟の上で、史久が狙った小手を僅かにず
らしたのだ。
中村 :「それまでっ、組討はじめっ!」
相羽 :「いつつっ……くぅ……相変わらず重い打ちだねぇ……手
:が痺れるわ(ビリビリ)」
史久 :「まったく……無茶しますね」
相羽 :「無茶は俺のミドルネームだよ(しれっ)」
史久 :「でも組討はそうは行きませんよっ(がしっ)」
相羽 :「おとっ(汗)」
その体格にからは想像もつかないスピードで史久が相羽の両腕を捕らえ腰投
げに入る。
相羽 :「くっ(ちっ腕がっ)」
史久 :「せぃっ!」
ブンと音がしそうな勢いで宙に舞う相羽さん。
真帆 :「……(ゆっくり眼で追って)」
SE:ズンッ
かろうじて受身を取るも、モロに背中から床に叩きつけられ、肺腑の呼気が
否応無く絞り出される。
相羽 :「ぐぅふっ(背中強打)」
史久 :「しっ(ガッっと面を掴んで引っ剥がす)」
中村 :「一本、それまでっ」
再び静まり返る場内。
誰も気づかなかったが、いつの間にか表の県警音楽隊の演奏も終わっていた。
真帆 :「(正座のままずっと二人の姿を見つめている)」
尊 :「……」
和久 :「……」
蓉子 :「……すご……」
静かに湧き上がる拍手とどよめき。
真帆 :「…………(戻ってきた先輩の動きを、視線で追ってる)」
相羽 :「いてて……やれやれ、史にゃ負けるわ(ふぅ)戦車とま
:ともにぶつかったら壊れるって、俺か弱いんだからさあ」
史久 :「誰が戦車ですか」
真帆 :「……『か弱い』が泣きながら逃げるよーな用法するなっ
:ての」
史兄 :「まぁ……一本はとられましたけどね(苦笑)」
相羽 :「通算二十二勝三十敗か。ヤバイねえ、また差がついたよ」
史久 :「組討で負けたら僕の立つ瀬がありませんよ」
真帆 :「…………(僅かに苦笑)」
和久 :「…………すごい」
蓉子 :「ですね……」
尊 :「いい……勉強させてもらったわ(薄い笑み)」
死闘の終焉。
勝者、本宮史久!
時系列と舞台
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2005年夏休み中、県警剣道場にて。
解説
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重戦車史久兄 VS ローンウルフ相羽
今回はこんな決着でしたが、次は違うかも知れません。
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