[KATARIBE 29060] [HA06P]エピソード『道場へ行こう! 2nd 〜入門編〜』

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Thu, 18 Aug 2005 12:19:01 +0900
From: gandalf@petmail.net
Subject: [KATARIBE 29060] [HA06P]エピソード『道場へ行こう! 2nd 〜入門編〜』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <20050818121452.C1C3.GANDALF@petmail.net>
In-Reply-To: <20050801170312.A04E.GANDALF@petmail.net>
References: <20050729192112.AC6F.GANDALF@petmail.net> <20050801170312.A04E.GANDALF@petmail.net>
X-Mail-Count: 29060

Web:	http://kataribe.com/HA/06/P/
Log:	http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/29000/29060.html


 こんにちは葵@自キャラのキャラチャはログ斬ろうキャンペーン中 でっす。
 『道場へ行こう!』に続く続編、 2nd 〜入門編〜 を切りましたので
 流します〜
 各位また台詞チェックなどよろしゅうに。

元ログ:http://kataribe.com/IRC/HA06/2005/07/20050725.html#220000
*********************************************************************
[HA06P]エピソード『道場へ行こう! 2nd 〜入門編〜』
==================================================


まずはいっちょ小手調べ
----------------------


 ここは県警剣道場。
 先ほどから多数の警官が練習に励んでいますが、どーも皆さん気もそぞろの
ご様子。
 でも、練習中に他所事考えるのは良くないと思うな。


 尊      :(蓉子ちゃんと並んで正座して、髪の毛まとめて手ぬぐい
        :を頭に巻いてる)

 若い警官1  :「せいっ! 面っ!(鍔迫り合いしながら)……おい、あ
        :の娘たち一緒に練習すんだよな(ぼそぼそ)」
 若い警官2  :「うりゃぁ!(気合声)……豆柴にゃ勿体無い、こっちの
        :練習相手してもらおうや(ぼそぼそ)」
 中村     :「(ぎろっ)らぁっ! そこっ! 何しゃべってるっ! 
        :(道場のガラスがビリビリ)」

 ほら怒られた。

 尊      :「蓉子ちゃん、始めましょうか?」
 蓉子     :「はい、では……黙想」

 正座のまま、背筋を伸ばし顎を引く。
 すぅ、と息を整え、ゆっくりと眼を閉じる。
 キン、と耳の奥が鳴り、周りの音が遠ざかる。
 頭の中の雑多な思考が一切箱詰めされて、隅に追いやられる。
 無念夢想、そんな境地にはまだ到達できないけど、目標は唯一つ。

 蓉子&尊   :「(引き締まった表情でゆっくり眼を開ける)」
 蓉子     :「(一瞬視線を尊に投げてから、黙って面をつけ始める)」
 尊      :「(蓉子ちゃんに軽く頷いて面をつけ始める)」
 蓉子     :「(手早く面をつけて立ち上がる)……お願いしますっ!」
 尊      :「(ギュッと面紐を締めて、すくっと立ち上がって)お願
        :いしますっ!」

 で。

 相羽     :「お、きょうは華やかだねぇ(のんびり)」
 若い警官3  :「隙ありっ! 面っ!(隙狙いで面打ちっ)」
 相羽     :「あん? (まったく動かず軽く首を傾げて面打ちを外し
        :て)よっ!(ドンッ)」

 突っ込んできた練習相手の若い警官の胸板に決まる相羽先輩の胸突き。
 あーあ、可愛そうにうずくまっちゃった。

 相羽     :「お、わりぃな、入っちまったか」
 若い警官3  :「げふげふげふっ(ひ、ひどい〜)」
 史久     :「先輩……真面目にやってくださいよ」
 相羽     :「真面目に……やってるつもりなんだけどねぇ」

 そういう史久さんも、話しながら練習相手の若い奴の打ち込みをことごとく
外してあしらってるんだから。
 あまり言えた義理ではないかと。


始めは誰でもロボットでした
--------------------------


 中村     :「よし……そろそろ身体も暖まったか。さて、見学者の皆
        :さんで剣道を体験してみたい方、いらっしゃいますか」

 子供から大人まで十数人の見学者が居るが、中々そういう方は……。

 真帆     :「あ、その、防具つけるのってやってみたいです(挙手)」
 中村     :「ほう」

 いらっしゃいました。

 真帆     :「一度もやったこと無いんですが、そういう者でも試して
        :みて宜しければ」
 中村     :「わかった、体験はいつでも歓迎する。史! 案内してや
        :れ」
 史久     :「……真帆さん、本当にやるんですか(汗)」
 相羽     :「……(くっくっく)」

 防具をつけて歩いてくる姿を想像して、くつくつ笑いを堪える方一名。

 真帆     :「一度やってみたいなって(笑)」
 蓉子     :「……あの(だいじょうぶかなあ)」
 史久     :「……わかりました、予備の胴着をお貸ししますから、
        :あっちの更衣室で着替えてきてください」
 真帆     :「あ、はい」
 相羽     :「こけるなよ?(くくく)」
 蓉子     :「あ、わたし案内しますっ」
 真帆     :「…………こけるほーにあたしが賭けたいね(笑)」

 暫時。

 蓉子     :「大丈夫ですか? 袴踏まないように足元気をつけて下さ
        :いね」
 真帆     :「な、なんとか……(う、視界が狭いっ)」
 尊      :「(大丈夫かなーって見てる)」
 秦弥     :(隅っこで見てる)

 蓉子ちゃんに手を引かれ、垂、胴、面、小手、フル装備の真帆さん登場。
 下半身は袴なのでともかく。
 上半身は完全にロボット状態。

 中村     :「準備はよろしいかな、竹刀はこれを使うといい(手渡し)」
 真帆     :「あ、よろしくお願いします(ぺこ)」
 中村     :「すまんが、如月さん、体験練習のお相手はお願いできる
        :かね」
 尊      :「え……(ちらっと真帆さんみて、こりゃ手加減しなきゃ
        :かなーと)はい、分かりました、よろしくお願いしますね」
 中村     :「他の者は暫し休憩、そのまま見学するように」
 史久     :「……無理しないでくださいね、真帆さん(汗)」
 真帆     :「……無理って何かよくわかんない(笑)」
 相羽     :「まあ、とりあずこけないこと目標で」
 真帆     :「って……あの、すみません(ぺこ)、本当に初心者なん
        :で、失礼かとも思いますけど」
 尊      :「はい、大丈夫ですよ、じゃぁ軽くやってみましょうか 
        :(面の中からにこ)」
 真帆     :「はい、お願いします(わーでも、何か面白いなあ。視野
        :これくらいだし、腕の稼動部これくらいだし)」

 道場の中央で向かい合う二人。
 ぐるりと周囲で見学する一同。


外れるとね、痛いんですよ
------------------------


 尊      :「打ち込んでいい所は、面、小手、胴の3箇所です、故意
        :に防具の無いところを狙うと反則になりますので」
 真帆     :「あ、はい、えっと、面、胴、小手……ですか(自分の防
        :具に自分で触ってみてる)」
 尊      :「そうです、その3箇所です、では、まずあたしに打ち込
        :んでみてください(面を打ち込みやすく竹刀を開ける)」
 真帆     :「あ、はい、じゃ」

 大きく振りかぶってぇ。

 真帆     :「……えいっ」

 SE:ぽこんミ☆

 と、見事、尊の脳天に命中する竹刀。

 尊      :「いいですね、振りぬき方も綺麗ですし、筋はいいと思い
        :ますよ?(笑)」
 真帆     :「……振りぬき方、ですか(汗)……ってか、そもそも、
        :腕がうまく上げられないんですけど」
 尊      :「太刀筋が左右にブレずにまっすぐ打ち込めてます、結構
        :いいですよ?」
 真帆     :「……はあ」
 尊      :「どうしますか?もう少しやってみますか?(くすくす)」
 真帆     :「……あ、はい……えっと、胴ってどうやるんですか?」

 初心者の皆さんはやはり動きがダイナミックで派手な胴打ちをしてみたいよ
うで。
 で、一方こちらは見学者の皆さん。

 蓉子     :「……(なんとなく横目でお父さんを見つつ見学席の秦弥
        :くんも気になる)」
 秦弥     :「……(練習を見ようとしてるけどやっぱり蓉子の方ちら
        :ちらと見てる)」
 秦弥     :(なんか……居心地が悪いし……蓉子が遠い)

 暑い道場内ですが一部分更に熱いようです。

 相羽     :「(くっくっく)……がんばんなよー」
 和久     :「真帆さんしっかり!」
 尊      :「胴ですね、あたしが竹刀を上げて胴を見せますので、振
        :りかぶった竹刀を左から右に胴に向かって打ってください」
 真帆     :「……あ、なるほど」
 尊      :「そうですね、胴を切るようなイメージで、右側に走り抜
        :けてください」
 史久     :「…………(尊さん、なかなか教え方もうまいなあ)」
 中村     :「(腕組みして険しい顔で見ている)……(なかなか、悪
        :くない腕だな)」
 真帆     :「……あれ? すみません、今の右左って、どちらから見
        :た右と左でしょう?」
 尊      :「あ、ごめんなさいね、今のはそちらから見て、です。
        :つまりあたしの左側を抜けてください」
 真帆     :「あ、はい、じゃ、行きます」

 もう一回振りかぶってぇ……。
 たたたっと。

 蓉子     :「……(ああ、転びそうっ)」
 真帆     :「えいっ」

 SE:バシッ

 尊      :「っ!」
 真帆     :「……った……ととっ(汗)」

 あ、袴踏んだ。

 SE:すてーん

 蓉子     :「真帆さんっ」
 真帆     :「……ってあのっ!あたし今胴外れたっ!?」
 相羽     :「しっかり、当たったね。脇に」
 史久     :「……先輩、そういうことを(汗)」

 極めて冷静に分析する相羽さん。

 真帆     :「す、すみませんっ(汗)」
 尊      :「(あつつ)……だ、大丈夫ですよ気にしない気にしない
        :(にこにこ)」
 真帆     :「あ、いや、何か感覚あったから(汗)」
 尊      :「剣道はこういうもんですから(くす)」
 真帆     :「…………いや、でも、ごめんなさい、本当に(ぺこり)」
 尊      :「試合になったら、五分五分の条件ですからね気にしてら
        :れませんよ(くす)」
 相羽     :「まあ、気にしない。俺も史久の奴に思いっきり腕ぶった
        :たかれたことあるしさあ」
 史久     :「……まだ言いますか、ちゃんと謝りましたよ」
 真帆     :「……いやでも、女の人に怪我させたら申し訳無い」
 相羽     :「でも、それ気にしてちゃできないよ?」
 真帆     :「それでも……よっ(起き上がろうとするが)……あ、
        :れ(汗)」

 両手首がほぼ固定状態じゃぁ起きれないわなぁ。

 和久     :「あ、真帆さん」
 蓉子     :「お、起き上がれますか?」
 真帆     :「……初心者のためし状態で、人に怪我させたら申し訳無
        :いだろ」
 相羽     :「言ってることは立派なんだけどねえ(こけた姿を見下ろ
        :しながら)」
 蓉子     :「手貸しますから(よっこらせっと)」
 和久     :「真帆さん、立てますか?」

 両脇抱えられて、よっこらせと。

 蓉子     :「無理しないでくださいね(支えつつ)」
 真帆     :「……ありがとうございます(あうー)……何だか、お手
        :数ばっかお掛けします」
 蓉子     :「気にしないで下さいね、あとはゆっくり見学しててくだ
        :さい」
 真帆     :「有難うございます(わ、何か心情から可愛い子だなあ)」

 ようやっと立ち上がって。

 真帆     :「……てか……有難うございました(深々)」
 尊      :「はい、お疲れ様でした(くす)ほんとに大丈夫ですから
        :気にしないでくださいね?」
 秦弥     :「(尊さんって剣道できるんだなぁ……へぇ〜)」
 真帆     :「……あの、あざとか作ってたら……後で殴っていいです
        :から(真顔)ども、すみませんでした(ぺこ)」
 尊      :「え?(汗) だ、大丈夫ですよ〜」

 更衣室に引っ込んでく真帆さんを見送って。

 尊      :「痣ねぇ……さて、今日一日で何個できるかな?(くす)」

 口元に浮かんだのは、笑いだったか、哂いだったか。

 To be continued...。

時系列と舞台
------------

 2005年夏休み中、県警剣道場にて。

解説
----

 いよいよ県警道場での稽古が始まりました。
 この後お待ちかねの試合が始まります。

$$
*********************************************************************

---
葵 一<gandalf@petmail.net>

 ---------------------------------------------------------------------
http://kataribe.com/ 語り部総本部(メインサイト)
http://kataribe.com/ML/ メーリングリストの案内
http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/ 自動過去ログ
Log:	http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/29000/29060.html

    

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage