[KATARIBE 29030] [HA06P] エピソード『華闘魚』

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Date: Mon, 8 Aug 2005 00:58:29 +0900 (JST)
From: いー・あーる  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29030] [HA06P] エピソード『華闘魚』
To: kataribe-ml@trpg.net
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Web:	http://kataribe.com/HA/06/P/
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2005年08月08日:00時58分28秒
Sub:[HA06P]エピソード『華闘魚』:
From:いー・あーる


ども、いー・あーるです。
なんとなく、先程のきゃらちゃを使ってえぴそーど。
……ベタ達ってしゃべらないから、この形式楽だわー<おい

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エピソード『華闘魚』
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 登場人物
 --------
  軽部真帆(かるべ・まほ)
   :自称一般小市民。ネズミ騒動以来相羽宅に居候。手先は器用。
  相羽尚吾(あいば・しょうご) 
   :吹利県警刑事課巡査。ヘンな先輩。ベタの飼い主。
  赤青ベタ(あかあお――)
   :相羽家で飼われてきたベタ達の集大成のあやかし。
  メスベタ
   :相羽家で飼われたベタの……一匹。

本文
----

 某日、相羽宅、奥の一室。
 自宅勤務の為に結構此処に閉じこもりきりの一名と、えらいなついた二匹。
 珍しくPCの前に居ない一名に、あとの二匹が小首を傾げた頃に。

 真帆     :「……ベタたち、こっちおいでー」
 青      :(ぷくーーーーー)
 赤      :(ばたばたばた)

 すっとんでいった机の上には、なにやら布やリボンが散らばっている。
 やっぱり見慣れないそれらの品物に、わくわくしながらぢっと見上げる二匹
を見て、真帆がひょいと手を伸ばす。

 真帆     :「えっとね、ちょっと、こっちきてね」

 すい、と伸ばした手に、まず赤ベタを乗せる。
 
 青      :(ふよふよ)

 いーな、いーな、との青ベタの視線の先で、赤ベタはぱたぱた大喜びである。
 小さな花のコサージュをリボンに縫い付けたものを真帆は取り上げて、軽く
赤ベタに結びつけた。

 真帆     :「ほい、でけた(笑)」
 赤      :(ばたばたばたっ)

 嬉しいのか、頭についた花を元気よく揺らす赤ベタ。

 真帆     :「あ、あんまりぶんぶん振ってると、そのうち落ちるよ?」
 赤      :(ぴた)

 青      :(ぷくーーーーーーーー)

 意訳:ぼくもぼくもーーーーー。

 真帆     :「じゃ、はい、おいで(青ベタに)」
 青      :(ぷくーーー)

 やっぱりぱたぱたとやってきた青ベタに。
 今度は青の花をリボンに止めつけたものを、やっぱり軽くゆわえてやる。

 真帆     :「はい、出来た(笑)」
 青      :(ぷくーー)
 赤      :(ぱたぱた)

 そらもう二匹とも、うれしそーにぱたぱたしている。

 真帆:「……何か思ったより似合ってるし(笑)」

 …………と。

 メスベタ   :(すー……)
        :(待機)
 真帆     :「…………ん?」

 なーんとなく、メスベタの視線が机からリボンから花へと動いている。
 ありり?と、真帆が首を傾げている隙に。

 青      :(ぷくーーー)

 青ベタ君、リボンゆらしてあぴーる開始。

 赤      :(ばたばたばた)

 赤ベタ君、おなじくあぴーる開始。
 
 真帆     :(あーあ)

 眺めていると、しかしメスベタは、どうやら今回二匹に用事があるようには
見えなかったりする。

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 メスベタ   :(八つ当たり)
 真帆     :「ん?」

 いつの間にやらメスベタを放り出して、ケンカしだした二匹を放っておいて。

 真帆     :「……えーと」

 机の上には、まだ残ってる花が幾つかある。それを摘んで。

 真帆     :「……いる?」
 メスベタ   :(えさくれダンス)

 動きから、何となくわかるもので。

 真帆     :「おいで、つけたげるから(笑)」

 残りの花をちょいちょいと摘んで、リボンに縫い付ける。
 やってきたメスベタにそのリボンをやっぱり軽く結んでやって。
 
 真帆     :「よし、似合う似合う(笑)」

 ……なんてやってるうちに。

 青&赤    :(きゅう)
 真帆     :「だーからあんたたちは(汗)」

 暴れまわったもんだから、床にばったりな二匹を見て。
 急にメスベタが動き出した。

 メスベタ   :(赤の尾びれをくわえてひきずっていく)
        :(赤を部屋の隅にぽい)
 真帆     :「おや」
 メスベタ   :(青の尾びれを銜えてひきずっていって、反対側の隅にぽい)

 あれれ、と、真帆が見やる。

 青      :(ぺちゃん)
 赤      :(ぺちゃ)
 真帆     :「……確かに、ケンカ防止にはいいのか(笑)」
 メスベタ   :(なんとなく得意げ)

 そして、一度得意げに頭の花を揺らすと、メスベタはすいっと消えた。


          **

 真帆     :「ちょい、質問だけど」
 相羽     :「ん、何?」

 そしてそれから数時間。
 帰ってきた相羽に、赤と青のベタが飛びついて、花飾りを大喜びで自慢して。
 跳ね回った挙句体力を使い果たしてぱったりと倒れ、それぞれのベッドにつ
れて行かれた後である。

 真帆     :「メスのベタって、飼ったことある?」
 相羽     :「ああ、昔に一匹だけ」
 真帆     :「あ、なるほど」

 だから道理で、ああやって出てくるのか……と納得しかけた矢先に。

 相羽     :「オスの尻尾くいちぎったんだよねえ、あいつ」
 真帆     :「…………」

 なーーーんとなく思い出して。
 それはそれは納得する。

 相羽     :「何?」
 真帆     :「成程納得」


 ……女性ってのは、或る意味相当タフなのかもしれない。


時系列
------
 2005年7月上旬

解説
----
 『華闘魚』の丹後から連想した話。
 いつの世でも、女性はたくましいものです。

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 てなもんです。
 ではでは。



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