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Date: Thu, 04 Aug 2005 15:20:14 +0900
From: Motofumi Okoshi <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 29017] Re: [HA06P] エピソード『無明の天使』
To: KATARIBE ML <kataribe-ml@trpg.net>
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MOTOIです。
『無明の天使』の、美琴さん襲われる→啓介介抱する の続き。
ちょっと短いですが、書き終えたところまで。
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エピソード『無明の天使』
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図書館にて
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吹利学校大学部付属図書館。
文理さまざまな学部のひしめき合う吹利学校だけに、図書館の規模も半端で
はなく、蔵書のジャンルも多岐に渡る。
この日、啓介は、夏季休業中にもかかわらず、朝からこの図書館にこもりっ
ぱなしであった。
智也 :「よ、啓介」
啓介 :「え? ……ああ、智也か」
智也と啓介。学部は違うが、サークルで知り合った親友同士。
同時に、お互いの異能を知る仲間同士でもある。
智也 :「どうした? お前も卒研……いや、文系だから卒論か?」
啓介 :「あ、いや、そうじゃないけど……ちょっとな」
智也 :「ちょっと? ちょっと何だってんだよ」
啓介 :「何だっていいだろ」
啓介の読んでいる本をよく見ると、「人外」「異能」「超能力」……などと
いった、妖しいものばかり。
智也 :「……もしかして、お前の変身能力に何かあったのか」
啓介 :「バカ言うな、オレには何も起こってねぇよ」
智也 :「『オレには』ってどういうことだよ」
啓介 :「う……」
啓介は、基本的に嘘や隠し事のできない人間である。智也のカマかけにあっ
さりと引っかかってしまった。
啓介 :「……智也、ちょっと場所変えさせてくれ」
智也 :「ああ、いいぜ」
消えた異能
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智也 :「なるほど、何かあったのは彼女の方だったか」
啓介 :「……」
こんなときにでも『彼女』に反応して紅潮する啓介の顔。
智也 :「オッホン。で、その晩、彼女は道路に倒れてたんだな?」
啓介 :「あ、ああ。オレが駆けつけたときには、すでに気を失っ
:ていた」
智也 :「なるほど……」
考え込む智也。話を聞けば聞くほど、あの事件に状況が酷似している。
啓介 :「美琴ちゃんも、よっぽど怖い目にあったらしくてな……
:あの晩何があったのか、教えてくれないんだ」
智也 :「ふむふむ」
という啓介だが、智也は考え事に夢中らしく、生返事が帰ってくるだけ。
智也 :「ケガ……気絶……そして消えた能力……」
啓介 :「おい智也、聞いてるのか?」
智也 :「聞いてるっての。それに、もしかしたら、原因がわかる
:かもしれねー」
啓介 :「何!? 原因がわかるって? 何だ? 何なんだ!?」
思わず智也につかみかかる啓介。
智也 :「待て、落ち着け! 俺を殺す気かっ」
啓介 :「あ、ああ、すまない」
智也 :「まったく、彼女のことになると血相変えやがって」
啓介 :「……」
まったく反撃不能であった。
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