[KATARIBE 28967] [HA06P] エピソード『無明の天使』編集版

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Date: Tue, 26 Jul 2005 20:55:40 +0900 (JST)
From: 久志  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 28967] [HA06P] エピソード『無明の天使』編集版
To: kataribe-ml@trpg.net
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2005年07月26日:20時55分40秒
Sub:[HA06P]エピソード『無明の天使』編集版:
From:久志


 ちは、久志です。
エピソードをちまっとまとめてみました。

参入、追加はいつでもどうぞ。

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エピソード『無明の天使』
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登場人物
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 倉守雛(くらかみ・すう)
     :按摩師にして魔道エージェント。
 本宮幸久(もとみや・ゆきひさ)
     :葬儀屋さん。霊感が強く色々見えすぎる人。
 佐上氷我利(さかみひがり)
     :雑貨屋さんの店長代理、背中にでっかい本を背負ってる人
 ブリジッタ洗馬清香(−・せば・さやか)
     :悪魔祓いも行うおっとりシスター。
 新崎智也(しんざき・ともや)
     :異能耳を持ち、酒に滅法強い大学4回生。

見つけてしまったモノ
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 きっかけは、ほんの些細な事だった。

 少女     :「あ、これ……」

 骨董屋で見つけた一本のペーパーナイフ。
 それが、全ての始まり。

 少女     :「これ、ください」

 少女がそれを買ってからちょうど一週間後
 話は、宵闇の街で始まる。

白翼と白眼
----------

 夜の街。
 その闇より更に深き闇を見る男が、一人。

 倉守     :「いや、すっかり遅くなってしまいましたね」
 倉守     :「まあ、外界の光など、私には関係なく……ん?」

 ざわり、と何かの気配を感じる。
 しかし、それは決して嫌なものではなく。

 倉守     :「……そこに、誰か?」
 少女     :(すくっ、とそこに立っている)
 倉守     :「(この気配は……)どうかなさいましたか、お嬢さん」
 少女     :「お前は、何だ」

 ざわり。

 倉守     :(う……)
 倉守     :「何だ、といわれましても、ただの按摩師ですが」
 少女     :「嘘をつけ」

 ざわり。

 少女     :「この目にははっきりと映っている
 少女     :「貴様の魔が!」
 倉守     :「くっ……新手ですか」
 倉守     :(懐に手を入れ)
 少女     :「神の名の下に、魔を滅する!」
 倉守     :「残念ですが、協会の意地にかけてそうはいきません!」

 投げられる手裏剣。
 それは、少女の体に吸い込まれていき。

 SE     :ごぉぉ!
 倉守     :(え?)
 倉守     :(なぜ、俺の目に映る?)
 白翼の少女  :(白き翼で、手裏剣を受け止め)
 倉守     :(それに、あの少女……)
 倉守     :(目が……ない)
 SE     :シャァァン!
 倉守     :「ガッ!?」
 倉守     :(跳ね返ってきた手裏剣が、肩と腕に突き刺さり)
 白翼の少女  :「魔は、滅する」
 SE     :どすっ。

 突き刺された小さなナニカ。
 それは、盲人の力を奪い。

 倉守     :「あ……ぐ……」(崩れ落ち)
 白翼の少女  :「去ね」(くるりと背を向けると同時に、気配が消え)

 後に残されたのは、地に伏した盲人が一人。

 倉守     :「とにかく、『補完』……え?」
 倉守     :「魔法が、使えない?」

 血の染みは、その大きさを増し。

 倉守     :「くそっ、誰かに……」
 倉守     :(携帯電話を操作)

 意識は、深き闇に飲まれ。

 倉守     :「あと、少し……くっ」
 倉守     :(意識を失い、倒れ)

 後に残ったのは、静寂のみ。

闇に羽ばたく白翼
----------------
 さてその日、その夜。彼女、シスター・ベルナデッタことブリジッタ洗馬清香
は、部屋の蛍光灯を切らし、近場のスーパーマーケットまでちょっとした買い物
に出かけていた。
 足を止めたのは人の言い争うような物音が聞こえたからだ。音が聞こえたの
は、通り過ぎるところだった公園の中から。そうして彼女は、迷わず進行方向を
変えて、公園の中に踏み入っていった。
 彼女がこの凄惨な倉守雛傷害の現場に出くわし、事件と関わりを持つに至るま
でには、いくつかの偶然という道を通過する必要があった。
 蛍光灯がその夜その時間に切れたことや、その公園の前の道を通ったこと、ま
た帰りの道行きに突然教会の同僚から携帯電話でついでのお使いを頼まれ、思わ
ぬ遠出をする羽目になったことなどである。それらの一つとして欠けていても彼
女が事件に関わりを持つことは無かったろうし、また何か余分な出来事があった
としても同様だったろう。後々になって振り返ってみると、これらの出来事全て
が正しく偶然と呼べるかどうかは疑問の残るところである。
 それは、運命論者なら間違いなく、それも嬉々として「運命だ!」と叫ぶよう
な可能性の綱渡りの上に起こった邂逅だった。

 ブリジッタ  :「天使さま……ッ?」

 公園に足を踏み入れたところで彼女が見たのは、闇を裂いて羽ばたく白い翼
と、翼を背負い夜空に舞う美しい少女の姿(後に知り大慌てで謝罪することにな
るのだが、不幸なことにも倉守氏については街灯の陰になっていたこともあって
気が付かなかった)。天使はすれ違うようにブリジッタの頭上を越えて飛び上が
る。一瞬、翼が街灯と月の光を遮り、暗黒に包まれた。
 一瞬だけ、その硝子細工のように静謐な顔が視界に入る。

 ブリジッタ  :「――え?」

 一瞬だけ。瞬き一つあったかすら知れない短い時間の間だけ、空を舞う少女と
視線が合った。濡れた黒檀のように艶やかな虹彩。相手の目が一瞬、驚いたよう
に、ひどく傷ついたように見開かれる。ブリジッタにはその瞳に、確かに見覚え
があった。
 なぜ彼女が、その事件に関わりあうことになったのか。
 彼女が周囲から不運と呼ばれる運命律の偏りの持ち主であったからか、或いは
彼女やかの少女の信ずる唯一絶対の神が、自らの信徒に救いの手を差し伸べるべ
く確率変数にちょっとした手心を加えた結果だったのか。
 かの難波花月嬢であれば『エピソード書く上での都合ゆうヤツや』とでもコメ
ントしたことだろう。特殊物理学的に解釈するなら多界構造相互に干渉し合った
結果このような奇縁が導かれたなど説明することも出来よう。しかしながら、彼
女自身の見解は、いつもの通りただ単純な一言に尽きた。

 曰く、『全て主の与え賜うた試練です』。

 エィメン。

通りすがりの葬儀屋
------------------

 闇夜に喪服に黒髪姿の男が一人。

 幸久     :「はあ、遅くなった」

 仕事帰りの葬儀屋が一人。かつかつと黒い革靴を鳴らしながら歩いていると、
ふと道端に倒れている影を見つける。

 幸久     :「……ん?あれは……」

 よく見ると、それは。

 幸久     :「人!?」

 慌てて駆け寄り助け起こすと、それは何度か見知った顔だった。
 ぐったりと力の抜けたその顔は……

 幸久     :「倉守っ!!」

 盲目で女たらしの按摩師。時たま会っては飲む仲間の一人だった。

 幸久     :「倉守っ!しっかりしろっ!……くそ、怪我が……」

 まず救急車を、次に応急手当ができる場所を。
 思いついた場所はひとつ。

 幸久     :「くそっ、何があったんだ!?」

 肩の傷口をハンカチで縛り、しょい上げる。
 向かう先は、あげは。

 幸久     :(くそっ、怪我人と葬儀屋かよ、縁起でもねえっ)

 足音が響く。
 あげはへと続く道、近いはずの距離がなにより遠く感じた。

通りすがり
---------

 氷我利    :「ふぅ、夜はまだ暑くないからいいな。」

 いつものように、夜の散歩を楽しむ氷我利。

  氷我利    :「もうすっかり夏だよなぁ……」

 と、その視線がふとひと影を捉えた。
 誰かが誰かを背負っているようだ。

  氷我利    :「ん?何かあったのか?」

 目を細め、視覚補助の魔道式を記述。
 増幅された、目が見たものは。

  氷我利    :「倉守と幸久さん!?なんであいつが担がれてるんだ。」

 幸久さんが、倉守を背負って走っていくのを追いかける。
 背負われている倉守の肩には応急手当のようにハンカチが結ばれている。

  氷我利    :「何があった、倉守……」

 日ごろの運動不足が恨めしい。鈍った足は気持ちとは裏腹に速度を上げて
 くれない。

  氷我利    :「とにかく、追いかけないと。」

 治癒の力があるわけでもない。何も出来ないかもしれない。
 だが、友達の怪我を見て何もしないわけにはいかない。
 氷我利は、気合を入れて追いかけた。

喫茶「あげは」
--------------

 喫茶店「あげは」。

 吹利でも知る人ぞ知る、というよりは一部の人しか知らない名所である。
 料理の旨さ、安さ、店員の態度の横柄さ、客のやさぐれ具合。どの点をとっ
ても、この店に勝るところはそう多くはないだろう。

 智也     :「あ、冷酒追加ね」

 常連客・新崎智也の注文に対し、勝手にしろとばかりに無言で酒ビンを置く
店員・朱晃。
 ここまでは、あげはではごくありふれた、普段どおりの風景であった。

 数分後に店内に走る緊張を予測できた者は、皆無だったのである。

 SE      :キィィ(ドアの開く音)
 智也     :「ん?」

 ドアが開き、智也の知った顔が姿を現す。
 息を切らせながら店に駆け込んできたのは、あげはの常連であり、つい最近
新婚の身になった葬儀屋の本宮幸久だった。

 幸久     :「はぁ……はぁ……(息を切らしながら)」
 智也     :「やぁ、本宮の兄さん、今日はもう仕事引け……!」

 知った顔ではあったが、雰囲気が明らかにいつもとは違っていた。
 酒が入ってご機嫌状態の智也でもはっきりとわかった、ただならぬ雰囲気。

 智也     :「ちょ、ちょっと、何かあったんスか」
 幸久     :「はぁ……ワケは後で説明する!とにかく医者だ!怪我人
        :がいる」
 智也     :「怪我?……あ!」

 ゆっくりと背から下ろされたのは、ここ最近あげはに通う姿をよく見るよう
になった倉守の姿。ハンカチで縛られた肩と腕から赤い血がにじんでいるのが
見える。


時系列と舞台
------------
 夏の夜。本町商店街へ向かう道すがら。

解説
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 なぞの少女に倒される倉守。
 えぴそど回し用導入。
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とりあえずこんな感じ。



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