[KATARIBE 28922] [HA06P]エピソード『STUDENT WARS -ペチコート戦争-』

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Date: Thu, 14 Jul 2005 00:04:33 +0900
From: 月影れあな <tk-leana@gaia.eonet.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 28922] [HA06P]エピソード『STUDENT WARS -ペチコート戦争-』
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おいっす、れあなです。

久しぶりにEP〜。まあ、まだ序章だけですがぼちぼち。

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エピソード『STUDENT WARS -ペチコート戦争-』
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序章 通学路の決戦
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 傍から冷静な視点で見ると、その情景はかなり滑稽なものであった。
 六人の男子が突然走り寄り、火狐の行く手を遮ったのだ。学校指定のレイン
コートを着込み、顔には人相を隠すかのような狐の面をつけた正体不明の六人
組。
 その日、火狐は偶然一人で下校していた。いつも一緒に帰っている級友たち
が、或いは掃除当番であったり、また委員会の用事があったりで、一緒に帰る
ことが出来なかったからだ。

 レインコートA:「豊川火狐殿とお見受けする」

 レインコートのリーダーらしき男が、芝居がかった様子で口を開いた。

 火狐     :「聞くまでもないでしょ!」

 当然のことながら火狐は彼らの素性に心当たりがあった。学校指定のレイン
コートと言う時点で、最早確定的と言ってもいい。
 レインコートの一人が、つまらなそうに首を振った。

 レインコートB:「ノリ悪ッ! これやから女子はあかんねん。雰囲気って
        :もんを分かってへん」
 レインコートC:「はンッ、強がったって無駄じゃアホッ! 今まで散々て
        :こずらせてくれたなァ」
 レインコートD:「とうとう年貢の納め時やで」
 レインコートE:「なんか俺らまるで悪人やね」
 火狐     :「まるでじゃなくて、確実に悪人だよ!」
 レインコートA:「皆、油断するな。腐っても豊川火狐。真っ当に戦って勝
        :てる相手じゃない」

 本来なら彼らくらい、火狐の人並み外れた運動神経を持ってすれば軽くあし
らうことが出来る。その事実に驕っていたつもりはない。しかし――火狐は歯
噛みした――今ここで、彼女が危機的状況に陥っているのは紛れもない事実だっ
た。

 レインコートA:「フォーメーションα!」
 レインコート's:『ヤーッ!』

 掛け声と共に、五人は弾け飛ぶ。四方から火狐を取り囲むように散開した。

 レインコートB:「覚悟しろ、豊川。俺らの作戦に隙はねえ!」
 火狐     :「むにー」

 右手には傘を手にし、左手は鞄をつかんでいる。足技は、使うわけには行か
ない。そんなことをすれば、全くもって本末転倒であることくらい莫迦でも分
かる。
 学校指定のレインコートというものは、傘に比べると校内での管理が面倒で
あることもあり、特に多感な成長期の最中にある初等部の生徒の間では、一部
自転車通学生徒を除いてほとんど使われていない。火狐自信も、転入する際に
購入したは良いが、今日まで一度として袖を通したことはなかった。
 今になって考えれば口惜しく思う。もし、彼女が手にしているのが傘ではな
く、レインコートであれば。彼ら六人を撒いて逃げることくらい容易かったは
ずだ。いや、そもそも。レインコートと言う鎧を着込んでいれば、彼らは火狐
に手出しをすることさえ出来なかっただろう。
 だがそれは、今更悔やんでも意味の無いことだ。火狐は諦め、覚悟を決める。


 2005年7月、未だ梅雨明けぬ灰色の空の下。吹利学校初等部は、今、空前の
スカートめくりブームの只中にあった。


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# サクリの裏切りによりミスティメミが倒れたり、スカートを履いていなかっ
# たためズボンごとずらされた知佳が泣いて学級裁判が開かれたり、ローザの
# 纏った重さ約50kgもある鋼鉄のスカートをどのようにしてめくるか作戦を練っ
# たりなど、色々ネタ考えてますが、どこまで書くかは知れず。


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