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Date: Tue, 28 Jun 2005 00:27:47 +0900 (JST)
From: 久志 <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 28870] [HA06N] 小説『一点』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200506271527.AAA93881@www.mahoroba.ne.jp>
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Web: http://kataribe.com/HA/06/N/
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2005年06月28日:00時27分47秒
Sub:[HA06N] 小説『一点』:
From:久志
久志です。
短いですがちこっと先輩サイドを書いてみました。
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小説『一点』
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登場キャラクター
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相羽尚吾（あいば・しょうご）
：吹利県警刑事課巡査。ヘンな先輩。
白黒
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白だと思えば白と見え、黒だと思えば黒にも見える。
人の目とか意識というものは、案外、見たものをそのままを受け取ることは
できないものだ。
意識とか、想いとか、先入観とか。
そういったモノが、時に自身の目も心も曇らせる。
事件を追う時、被疑者を洗い出す時。
端から相手がクロだと思ってしまうと、何を調べても相手がクロにしか見え
なくなる。だからこそ、どんなに黒の疑いが強い相手だろうと動機が明白だろ
うと、まず相手がシロであるという証拠を探す。
シロである証拠を洗い出していくことはつまり、最後の最後までシロである
証拠が取れない箇所が一点でもあれば、それがクロであるという証拠になる。
人の意識も、目も。
案外、そのままを受け入れないものだ。
だからこそ、先入観や思い込みにとらわれず、遠くから確実に証拠を詰めて
いかなければならない。
人の意識も、目も。
そのままを、受け入れない。
何故？
軽く頭を振る。
それより先にやらなければいけないことがある。
デスクで書類に向かったまま、考える。
今のところ、仕事のほうはひと区切りついている。書類仕事もあらかた片付
いているし、待機中であるとはいえ、それなりに動ける状態だ。
指先で眉間を押さえる。
今、考えること。
あの霧雨の日の事件で、犯人である上嶋千夏があいつを知ったのは知人に聞
いた目撃情報と、個人的に情報を集めた結果のことだと言う。それは取り調べ
での本人の証言からも、知人の証言からもあきらかだ。
だが。
たとえ、この事件が上嶋が単独で計画し行動したものとはいえ。
この後、上嶋のように自分に恨みや執着を持つ人物があいつを狙って現れな
いという保障はない。
今まで、降り積もらせた恨み。
自分に刃が向けられるならいい。
それが。
心の中で。
一点、拭い去れない何かがある。
それは何か。
心の中に一点残ったもの。
それは。
だが、それは望みようもないもので。
軽く机を叩く。
数え切れないほどの、恨みを積み重ねてきた相手。
二度と、あんなことは起こさせない。
それしか、自分に出来ることはない。
時系列と舞台
------------
2005年5月20日。
解説
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真帆を切り捨てた翌日。拭い去れない何かを感じつつ、自分なりに真帆を
守ろうと模索する相羽。
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以上。
先輩……あんたねえ……
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