[KATARIBE 28768] エピソード『古本市の裏側で』

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Date: Wed, 18 May 2005 00:44:46 +0900
From: KATARIBE Designer  FURUTANI Shun-ichi <sf@kataribe.com>
Subject: [KATARIBE 28768] エピソード『古本市の裏側で』
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エピソード『古本市の裏側で』
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登場人物
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 高村文雄(たかむら・ふみお) :http://kataribe.com/HA/06/C/0015/
    :メタワールド・プログラミングを操る資料術師。

 マイア・スターライト    :http://kataribe.com/HA/06/C/0201/
    :高村家に住み込む高校講師。プレアデス人。
    :紅雀院大学大学図書館書籍管理委員会の仕事もしている。

本編
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 駅前ビルの管理スタッフ腕章をつけたマイアに文雄が気づく。

 文雄     :「土日は紅雀院書管委の仕事か。たいへんやな」
 マイア    :「今年の古本市、去年よりもおかしなことになってるみた
        :いです」

 あるはずのない書籍。

 文雄     :「ふーむ。『ALGOL-97ではじめるプログラミング』か。
        : こっちは『Multics 2000管理者ガイド』と。
        : いったいどこの巨大コンピュータ世界からまぎれこんだ
        :のやら」
 マイア    :「やっぱり、この店も変みたいですね(かきかき)」
 文雄     :「ALGOLは構造化プログラミング言語の太祖。Multicsは
        :よりシンプルなUNIXに取って代わられたマルチユーザOS。
        : どちらも巨大で複雑過ぎて失敗した統合システムなんや
        :けど。生き延びた世界があると聞いたことはあったな」

 そして存在しない通路。

 マイア    :「なんだか紅雀院の閉架みたいになってますよね」
 文雄     :「順路を正しく辿るだけなら問題はないようやけどが、
        :行ったり来たりを繰り返すコア層は容易に一枚向こう側に
        :入ってしまうようやな」
 マイア    :「とりあえず、ここの〈門〉は閉じておきますね」
 文雄     :「いや、まだ向こうに人が居るで。
        : 一方通行の人払いが良さげやな」
 マイア    :「はい」


時系列と舞台
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 2005年05月14日。駅前ビルの古本市にて。

解説
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 とりあえずギリギリで10周年に押し込む。のに失敗。とほほ。
 古本市の治安はこうして守られています。


 なお Multics を動作させたマシンは、1999年まで実際に運用されていたそ
うです。http://www.multicians.org/chrono.html
 仮想記憶、シンボリックリンクなどを持つ階層型ファイルシステム、タイム
シェアリング、デバイスの仮想化、高級言語(PL/I)によるOSの記述、巨大配列、
RDBM標準装備、多言語対応、ダイナミックリンク、他、実に現代的なOSであり
ます。
 いかんせん開発時期(1961〜)には複雑過ぎたというわけですね。


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