[KATARIBE 28584] [HA06N] 小説『悪い先輩』

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Date: Mon, 28 Mar 2005 12:12:33 +0900 (JST)
From: 久志  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 28584] [HA06N] 小説『悪い先輩』
To: kataribe-ml@trpg.net
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2005年03月28日:12時12分32秒
Sub:[HA06N]小説『悪い先輩』:
From:久志


 久志です。
新任さんをからかう相羽先輩とやっぱりお父さんな史兄です。

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小説『悪い先輩』
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登場キャラクター 
---------------- 
 本宮史久(もとみや・ふみひさ)
     :吹利県警刑事課巡査。本宮家長男、屈強なのほほんお兄さん。
 相羽尚吾(あいば・しょうご) 
     :吹利県警刑事課巡査。ヘンな先輩。おネエちゃんマスター。
 本宮和久(もとみや・かずひさ)
     :吹利県警生活安全課巡査。本宮家末っ子、生真面目さん。

昼休みの光景
------------

 なんだかなあ。

「よろしくお願いします、本宮史久巡査」
「え、ああ、うん。よろしく本宮和久巡査」

 やりにくいな、もう。
 ていうか、昼の食事に行くのにそんなに丁寧に頭下げなくていいんだって、
何をよろしくするんだよ、まったく。先任ったって階級同じなんだし、仕事中
でもないんだからもっと普通にしてなさいって。そも、なんで食事にいくのに
わざわざこいつを引っ張ってくるんですか、先輩。

「いやあ、末っ子。でかくなったもんだよねえ、早いもんだ」
「相羽さん。これからよろしくお願いします」

 一応、和久と相羽先輩とは昔から面識はあるけれど、実際ちゃんと会って話
してというのはほとんどなかったね、そういえば。
 というか和久、そんな深々頭下げなくてもいいんだって。先輩も笑いながら
僕らを見比べないでくださいよ。

「ほほう、なるほどね」
「あの、なんですか?」
「いんや、顔立ちはともかく、性格はどっかの腹黒に似ないでまっすぐ育った
もんだね、いいことだ」
「え?」

 誰が腹黒ですか、先輩。というかこっち見てにやにや笑いながら言わないで
ください。

「お父さんの教育の賜物ってやつかな、なあ?」

 そこで僕をお父さん呼ばわりするのもやめてください、というか同意を求め
ないでくださいよ、まったく。
 でも、先輩だけじゃないなあ。あっちこっちで僕と和久とを見比べて笑った
りひそひそ話したりしてる人がいる。

「まあ、よろしく新任くん」
「はい、こちらこそ」
「んじゃお昼いこっか」
「はい」

 あーもう、先輩に振り回されっぱなしでどうするよ、和久。まあ僕もしょっ
ちゅう振り回されてるけど。

「ああ、あとそうだね、新任くん」
「はい?」
「今度、新任くんの歓迎と社会勉強の為にどっかいいお店いこか?」

 ……先輩。

「え?お店って」
「俺、いいとこ知ってっからさ、連れてったげるよ」
「いえ……」
「大丈夫、大丈夫、俺のお墨付きの良心的なとこだから、綺麗なおネエちゃん
揃ってるよ」
「あの……」

 この人はっ!

「……相羽先輩」
「ん、どうした史よお」
「新任さんをあやしいお店に連れ込むのはやめてもらえませんか?」
「いやあ、ほら、色々社会勉強しとかないとさあ」
「なにが社会勉強ですか、弟をダシに遊ばないでください」
「やれやれ、怖いお父さんににらまれるからやめとくかねえ」
「……だれがお父さんですか」
「あの……」
「それにしてもさあ過保護だよお、お父さん。今時おネエちゃんのお店くらい
知ってないとさ、男としてどうよ?」
「先輩の基準を押し付けないでください、あとお父さんはやめてください」
「……えっと」
「お前だってなにげに行ったことあるっしょ」
「あれは先輩が僕を無理やり引っ張っていったんじゃないですか」
「……あの、すいません」
「その割にはお前モテてたよねえ、結構やり手?」
「そういう言い方はやめてください」

 ああもう、この人ほんとしょーもない。
 おろおろしながら僕らを見比べる和久を横目に見て、ため息をつく。

 周りの人たち思いっきり笑ってるよ。
 まったく、もう。

時系列 
------ 
 2005年3月
解説 
---- 
 新任で県警に配属された弟和久にわざとちょっかいを出す相羽。史久の心境。
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
以上。

 こんな話書いてる暇ないだろう、己。(逃避力MAX)




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