[KATARIBE 28498] [HA06P] エピソード:『うわさ』

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Date: Mon, 28 Feb 2005 18:12:05 +0900
From: Motofumi Okoshi <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 28498] [HA06P] エピソード:『うわさ』
To: KATARIBE ML <kataribe-ml@trpg.net>
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MOTOIです。
桜木さんとこの海外出張に合わせたエピソード。台詞チェックよろしくです。

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エピソード『うわさ』
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登場人物
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 豊川火狐(とよかわ・かのこ)
  :小学4年生。噂話の主役。
 倉崎日向(くらさき・ひなた)
  :小学4年生。噂話を一番気にしている人。
 贄崎錯狸(にえさき・さくり)
  :小学4年生。噂話の張本人。
 白神知佳(しらかみ・ちか)
  :小学4年生。噂話の聞き手その1。
 紺野おぺら(こんの・おぺら)
  :小学4年生。噂話の聞き手その2。
 橋本桃花(はしもと・ももか)
  :小学4年生。噂話の聞き手その3。
 煙山園子(けむやま・そのこ)
  :このクラスの担任教諭。事実の語り手。


唐突に
------
 サクリ    :「おい、豊川が転校するらしいぞ!」

 唐突に、衝撃のニュースをもたらすサクリ。

 桃花     :「ええっ!? 聞いてないよ」
 知佳     :「ほんとなの!?」
 おぺら    :「いつ!? どうして!?」

 突然のことなので、クラスのみんなも動揺しまくっている。

 サクリ    :「あわてるなあわてるな、順番に話すから」

 サクリの話はこうである。

 職員室に、当の豊川火狐と、保護者の桜木達大が一緒に入って行き、その中
で担任教諭の園子先生となにやら話していたらしい。サクリには断片的にしか
聞こえなかったらしいが……

 サクリ    :「ドイツに行く、ってのは聞こえたぜ」
 桃花     :「ドイツ!?」
 知佳     :「ふえぇ、すっごく遠いところだぁ」
 おぺら    :「ほんとに聞こえたのっ!?」
 サクリ    :「間違いなくな」

 ざわざわざわ。
 騒然となるクラス内。


失意
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 そんな中、人一倍のショックを受けている人物がいた。倉崎日向である。

 ひなた    :「………」

 普段やかましいほど元気な日向だが、その話を聞いてからは沈むばかり。

 サクリ    :「なーにしょげ返ってんだ、倉崎」
 ひなた    :「……五月蝿い」
 サクリ    :「ははー、好きな子が転校するのは寂しいか」
 ひなた    :「五月蝿いって言ってるだろ!」
 サクリ    :「おーこわこわ」

 好きかどうかは置いておくとしても、気になっていたことは事実である。
 急に転校と聞いて、ショックは大きいようだ。


事実確認
--------
 火狐     :「おっはよー」

 そのとき、これ以上ないタイミングで、噂の当人の火狐が教室に入ってきた。

 知佳     :「あ、火狐ちゃん」
 桃花     :「お、おはよ」
 おぺら    :「おはよ、火狐ちゃん……」
 火狐     :「? おはよっ」

 どことなくよそよそしいクラスメートたち。

 サクリ    :「単刀直入に聞こう。豊川、ドイツ行くって本当か?」
 火狐     :「うん、行くよー」

 隠す様子もなく、あっさりと肯定する火狐。

 ひなた    :「そうか……」

 それを受けて、さらにショックを受ける日向。しかし、それを必死に隠そう
としている。

 サクリ    :「倉崎君、このまま別れてもいいのかね」(ぼそぼそ
 ひなた    :「贄崎、いい加減に黙れ」

 そのとき、教室にチャイムが鳴り、同時に園子先生が登場した。


真実
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 園子     :「は〜い、ホームルームの時間よ〜、席に着いて〜」

 いつものようにボーっとした感じの声で着席を促す。

 園子     :「それじゃ、最初に、皆さんにお知らせがありま〜す」

 いよいよ発表が来たか。覚悟を決める児童たち。

 園子     :「豊川さんが、叔父さんのドイツ出張のため、1週間だけ
        :お休みしま〜す。みなさん、その間のノートとか、あとで
        :豊川さんに見せてあげてね〜」

 知佳     :「ほえ?」
 桃花     :「へ?」
 おぺら    :「あう?」

 いっせいに、教室から脱力感が漂い始めた。

 火狐     :「? みんな、どーしたのかな」
 ひなた    :「あ、なんでもない、なんでもないんだ、ははは」

 そして、そのまま授業時間へと移行していく。


その後
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 火狐     :「おいしーものたべてしゃーわせになるのー」
 知佳     :「ドイツってなにがおいしーのかなー」
 おぺら    :「お肉がおいしいってきいたことあるなー」
 火狐     :「あとね、チョコレートケーキとか、アップルパイとかー」
 桃花     :「いいなー」
 知佳     :「うらやましいなー」
 火狐     :「いーでしょーっ」

 なんてやり取りがなされている頃、別のブロックでは。

 ひなた    :「贄崎〜っ」
 サクリ    :「いやー、情報って当てにならないもんだ」
 ひなた    :「そのガセ情報流したのは貴様だろうがっ」
 サクリ    :「ガセとは人聞きが悪いナァ。誤報と言ってくれ」
 ひなた    :「同じだろうがっ」
 サクリ    :「あれ〜? ずいぶんムキになるんだな〜。やっぱり好き
        :なのかな〜?」
 ひなた    :「貴様、ぶっ飛ばされたいのか」

 サクリがどうなったかは皆様のご想像にお任せします。


時系列と舞台
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 2005年2月某日。吹利学校初等部4年3組にて。


解説
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 子供ってのは噂が好きなものです(?)

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