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Date: Fri, 4 Feb 2005 23:04:34 +0900 (JST)
From: 久志 <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 28395] [HA06N] 小説『後ろ姿』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200502041404.XAA18550@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 28395
Web: http://kataribe.com/HA/06/N/
Log: http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/28300/28395.html
2005年02月04日:23時04分33秒
Sub:[HA06N]小説『後ろ姿』:
From:久志
久志です。
最近どこがツンデレなんだかわかんなくなってきてるツンデレストーリー。
二人がツンデレるのはいつのひでせう(嘆息)
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小説『後ろ姿』
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登場キャラクター
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卜部奈々（うらべ・なな）
：吹利県警警部の一見キツイ女性。ちょっと最近動揺気味。
：2000年当時、24歳。
本宮史久（もとみや・ふみひさ）
：吹利県警警察官。のほほんお兄さん。またの名を昼行灯。
：2000年当時、26歳。
奈々 〜夢
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最後に父を見たのは後ろ姿。
歓迎祝賀会。
父さんはね、王子様の警備をするんだよ、と。
まいったなあ、いいスーツがこれくらいしかないよ、と。
クリーニング屋さんからおろしたばかりのスーツと、私がアイロンをかけて
あげた白ワイシャツ。
奈々、火傷するなよ？が口癖だった。
ぴっしりとしわを伸ばした白いワイシャツ。
ごめんな、今日は早いんだ。ちゃんと鍵を閉めて学校へいくんだよ。
じゃあ、いってきます。
後ろ姿。
それが最後。
それっきり父は帰らなかった。
父の葬儀。
今まで私があったこともない人達が一杯いた。
制服姿に腕章の集団。
私には見慣れているはずの制服のはずなのに、怖い。大勢まるで壁のように
立ち並んでいた。近しい親戚はろくに出席できず、ほとんど知らない人の集団
の中に取り残されて。
お父さん。
答えは無い。
両手に持たされた遺影がずっしりと重い。
お父さん。
悲しさよりも、ただ心細くて泣き出したかった。
『深山警部補の勇気ある行動を称え』
知らない人が父を褒めている。
それなのに、ちっとも嬉しくない。
『二度と、このような痛ましい事件が起こらぬよう』
お父さん。
だんだん周りの人すべてがのっぺりした壁のように見えてくる。
さみしい。
『では、深山警部補との最後のお別れです』
お父さん。
待って。
まだ、ちゃんとさよならしてないのに。
待って。
「お父さんっ」
待って……
いかないで。
警察は綺麗な所じゃない。
知っている。
そんなことは知っている。
けれど、父さんは警察官だった。
それでも。
『どうしました、警部？』
突然、引き戻される時間。
そこで私は目を覚ました。
奈々 〜寝覚め
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目の前に白い天井。
「……夢？」
起き上がって両目を押さえる、滲んだ涙をぬぐって一息つく。
父さんの夢だ。
それはわかってる、今までだって何度となく夢で見てきた。
けど。
『どうしました、警部？』
肩からかくんと力が抜ける。
なんで？
なんだって、何の脈絡もなく彼がでてきたんだろう。
「はあ」
最近、ちょっとおかしい。
このところ、あの昼行灯の本宮巡査に調子を狂わされっぱなしだ。
どうして？
時系列と舞台
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2000年2月頃
解説
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史久と奈々さんの出会いの頃。小説『墓前での遭遇』後あたりの奈々さん。
昔を思い出す夢の途中で、なぜか彼の声を思い浮かべた奈々。
それが何故なのかは、まだわかってなさげ。
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以上
やっとツンデレっぽくなってきた！(ホント？)
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