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Date: Sat, 29 Jan 2005 16:24:48 +0900 (JST)
From: いー・あーる <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 28344] [HA06P] エピソード『猫二態』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200501290724.QAA22434@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 28344
Web: http://kataribe.com/HA/06/P/
Log: http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/28300/28344.html
2005年01月29日:16時24分48秒
Sub:[HA06P]エピソード『猫二態』:
From:いー・あーる
ども、おん・おふ共に行方不明と称されるいー・あーるです。
ごんべさん、有難うございます。
いや、ひょいと拝見しておりましたら、10周年とあったもので、思わず手を出しました。
(相当お世話になりましたし)
てなわけで、ついで、でもないですが、もひとつ日記的エピソード。
ただ、06に加えて、恐らく今後とも動かないだろう(まてこら)14からも少々。
久志さん、晃一君お借りしました。
年齢を考えたんですが……あれから暫く経っていても、彼ならばこういうリアクションを
示してくれるのではないかな、と。
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エピソード『猫二態』
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登場人物
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宮部晃一(みやべ・こういち)
:強化超能力少年。言葉が喋れない。
鬼李(きり)
:影猫。
鬼崎野枝実(きざき・のえみ)
:鬼李の相棒。影使い
瑞鶴の猫(ずいかくのねこ)
:実際は名無し。どこかをうろついている。
観海珠州子(みうみ・すずこ)
:元平凡な女子高生、多分現在平凡な大学生。
軽部片帆(かるべ・かたほ)
:軽部真帆の妹。多分現在平凡で性格悪の大学生。
猫の居る風景(1)
--------------
パッフェルベルのカノンとフーガ。
聴き慣れた懐かしい旋律が、PCから流れてくる。
鬼李 :「?」
晃一 :「…………」
画面をじーーーーーっと見ている晃一の横顔を、影猫が不思議そうに眺める。
PCの画面には、モノトーンの映像。
晃一 :「…………(じわっ:涙ぐんでいる)」
鬼李 :「?!」
おろおろと、晃一からPC画面へと視線を移す。
柔らかな灰色を基調とした猫、そして台詞。
『ボクはクウキだけでデスベテをカンジとれるんだよ』
鬼李 :「(あ、成程)」
と。
急に晃一の手が伸びた。
晃一 :「…………(ぎゅっ:鬼李を抱え込んでいる)」
鬼李 :「……(どうしようなあ……)」
苦笑して、視線を動かす。丁度部屋に入ってきた姿に、その視線が止まった。
鬼李 :「……野枝実、あんたか、これブックマークしてたの」
野枝実 :「え?……あー」
画面と音楽から、その理由が判ったらしい。
野枝実 :「『キミとボク』か……って、晃一(苦笑)」
晃一 :『……だって、猫……十年と五日って……』
鬼李 :「あーー(汗)」
今は亡き愛猫に捧げられた、Flash作品。
咄嗟にその猫と、鬼李が被ったのだろう……けれども。
鬼李 :「…………(苦笑)」
一度は死んだ、影の猫の二度目の死。
有り得るか有り得ないか、それさえも判らぬのに。
鬼李 :「……有り難い、のだけれどね(苦笑)」
ごろごろと微かに震える黒い毛並みに、晃一は額を押し付けた。
猫の居る風景(2)
--------------
狭いアパートの部屋に、やっぱりカノンとフーガが流れている。
珠州子 :「…………(じわー)」
片帆 :「……何度目よそれ」
珠州子 :「だ、だてっ(ぐしぐし)」
インターネットの有り難さ……でもなかろうが。
同じ頃、やはり同じFlashを見ている連中もいるわけで。
片帆 :「あ、期間限定なんてあるんだ」
珠州子 :「……よくわかんないけど……」
片帆 :「珠州子、あんた花粉症も入ってない?」
珠州子 :「べ、別にっ(ぐずぐず)」
このFlashを珠州子に教えたのは自分だし、何故教えたかといえばそれは無論
いいなと思ったからなわけで。
気持ちは、とてもわかるのだが。
……が。
片帆 :「……別の作業したいんだけど」
珠州子 :「あとひとつー」
別バージョンがあるらしい。
片帆 :「……………おい」
と。
:どたばたがたたっ(天井を音が右往左往)
珠州子 :「な、なになになにっ?!」
片帆 :「……あー、上の猫」
珠州子 :「何、猫いるの?」
片帆 :「うん、御座敷猫で、外にでな……」
:「ふぎゃああああっ」
:どたどたどたどたっ(部屋の側面を音が移動中)
片帆 :「……何事」
窓をそっとあける。
と、丁度目の前のブロック塀の上に鎮座した、猫と視線が合った。
:「ふがーーっ(頭上から声)」
片帆 :「…………(上を見てみる)」
頭上から猫の声と、飼い主が叱る声。そしてちらっと見えた尻尾。
どうやら、目の前の猫は、上の猫とは別人(別猫)らしい。
片帆 :(上の猫と喧嘩でもしてたんかな)
瑞鶴の猫 :「……ふすんっ(鼻を鳴らす)」
一つ首を振って、猫が片帆のほうを見る。
片帆 :「…………」
瑞鶴の猫 :「…………」
双方、互いに引きません(いやそこでまともに睨めっこせんでも……)。
珠州子 :「……何やってんの片帆?」
片帆 :「死にそうに無い猫見てる」
珠州子 :「…………(汗)」
一月のまだ寒い大気の中で、猫は一つ大きく欠伸をした。
時系列と舞台
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2005年1月29日、それぞれの場所での風景
解説
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名作Flash「キミとボク」、期間限定バージョンを見つつ。
……可愛げ無い猫ばっか書いてるな、と、改めて。
*******
ではまた。
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