[KATARIBE 28329] [HA06P] エピソード:『ねむいねむい』(修正版)

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Date: Wed, 26 Jan 2005 23:54:25 +0900
From: Motofumi Okoshi <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 28329] [HA06P] エピソード:『ねむいねむい』(修正版)
To: KATARIBE ML <kataribe-ml@trpg.net>
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MOTOIです。
台詞チェックもらったエピソード、台詞修正版です。

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エピソード『ねむいねむい』
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登場人物
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 橋本桃花(はしもと・ももか)
  :吹利学校初等部4年3組の児童。クラス委員も務めている。
 中・ホワイト(あたる・ほわいと)
  :吹利学校初等部4年3組の児童。居眠りが日課となっている。
 白神知佳(しらかみ・ちか)
  :吹利学校初等部4年3組の児童。いつもより眠くなっている。
 紺野おぺら(こんの・おぺら)
  :吹利学校初等部4年3組の児童。ツッコミを入れている。
 煙山園子(けむやま・そのこ)
  :吹利学校初等部4年3組の担任教諭。キレかかっている。


4時間目・算数
--------------
 園子     :「……こうやって、分母を同じ数にしてから計算するの。
        :これを通分っていうのね」

 4時間目、算数。今日のテーマは分数の足し算と引き算である。

 園子     :「……それじゃ、教科書の80ページ、問題3を解いてみて
        :くださいねぇ」

 園子先生の号令で、児童たちは一斉に問題に取り掛かる。
 今習ったばかりの知識で十分解ける、基礎問題だ。

 園子     :「はぁい、それじゃ、今日は……ホワイトさん、前に出て
        :こたえてくれるかしらぁ?」

 ……が、呼ばれた児童は一向に出てこない。

 園子     :「ホワイトさぁん?」
 桃花     :「あのっ、せんせー」

 替わりに、クラス委員の桃花が返事をした。

 桃花     :「あたるちゃん、ねてますっ」
 あたる    :「ZZZzzz」

 桃花の言うとおり、爆睡してます。

 園子     :「あら、また……ンもう、ほっといていいわよぉ
        :(ったく、あのガキ、成績は無いもんだと思いなよォ)」
 あたる    :「ZZZzzz」

 あたるが授業中に寝ているのは既に日常茶飯事である。
 それゆえに、園子先生も相当手を焼いているようだ。
 しかも、保護者にも注意できない。家がいろんな意味で怖いから。

 園子     :「じゃあ、白神さぁん?」
 知佳     :(ぼーっ)

 次に呼ばれた児童も、眼の焦点が定まっていない。

 園子     :「白神さぁん?」
 おぺら    :「ち、知佳ちゃんっ、指されてるよっ」

 たまらず、後ろの席のおぺらが声をかける。

 知佳     :「は、はひっ」

 飛び上がるようにして席を立つ知佳。

 園子     :「この問題、黒板に答えを書いてくれるかしらぁ?」
 知佳     :「は、はいっ」

 慌てて前に出て、答えを書いていく。

 園子     :「う〜ん、ちょっと間違ってるわねぇ〜、計算ミスねぇ」

 知佳の書いた答えは、単純な計算ミスをしていた。

 SE      :きーん、こーん、かーん、こーん
 園子     :「あら、ここで授業は終わりねぇ。それじゃじゃ、続きは
        :明日にします〜」
 桃花     :「きをつけっ、礼っ」

 午前の授業終了。そして給食の時間である。


給食・昼休み
------------
 桃花     :「もうっ! あたるちゃん、なんでいつも寝てるのっ」
 あたる    :「……寝るのは、眠いから」
 桃花     :「授業中はちゃんとせんせーの話聞かなきゃダメだよっ」
 あたる    :「……先生のお話を聞いているから、眠くなる。眠くなる
        :から、寝る。眠りながら先生のお話を、それ以上聞くこと
        :は無理。無理なことを言う人は、嫌い」
 桃花     :「テストだけよくてもダメだからねっ」

 とまあ、桃花とあたるが言い合っているが、これはいつものことである。
 なぜなら、あたるはいつも授業中に寝ているからだ。

 しかし、こっちはいつもとちがう。

 知佳     :(ぼけーっ)
 おぺら    :「……知佳ちゃん、ぼーっとしてたら冷めちゃうよ?」
 知佳     :「……あ、ああっ、たべるたべるっ」

 普段は給食となると元気いっぱいになる知佳なのに、今日は食欲が無さそう。
 そして、明らかに眠そうである。

 知佳     :「ごちそーさま……」
 おぺら    :「知佳ちゃん、食器片付けないとっ」
 知佳     :(うつらうつら……)

 給食が終わっても、こんな調子である。

 知佳     :「おなかいっぱーい、ふにゅー」(ねむそう)
 おぺら    :「……知佳ちゃん、ねむそー」

 おぺらが心配して、知佳の横に着く。

 知佳     :「みゅー、そとにあそびにいきたい……でもねむいの」
 おぺら    :「……まさか、夜更かしとかっ?」(ぼそっと)
 知佳     :「あうー、きのうは12時までおきちゃったのー」(ぐてー)

 小学生で12時就寝は明らかな夜更かしである。

 おぺら    :「そんなに毎日『れんしゅう』してるの?」
 知佳     :「んー」

 『練習』とは、異能活用の練習、具体的に言えば飛ぶ練習である。

 知佳     :「ゆーがたまでれんしゅーしてしくだいするのわすれたのー
        :……」(ぐたー)
 おぺら    :「そうだよねーっ」

 ……自業自得である。

 おぺら    :「たいへんだねー」
 知佳     :「それに、も……」
 おぺら    :「それに?」
 知佳     :「(あっ、これいっちゃいけないんだ)」

 「ももかちゃんのとっくんおてつだいしてたしー」と言いかけて、口を噤む。
 そして。

 知佳     :「ZZZZZZZZZZZZZZZZ」

 わざとらしい狸寝入り。

 おぺら    :「あ、たぬきねいりだー」

 おぺらにもバレバレである。

 知佳     :「ZZZZZZZzzzzZZZz」

 動揺してさらにわざとらしくなる。

 おぺら    :「……寝る子は育つ、ってこれ以上育つのかなーっ」
        :(うーん)

 まぁ、そういうことにしておこう。


放課後
------
 この日の4年生の授業は、5時間目をもって終了となる。
 児童たちは、早速遊ぶ相談に入るが……

 知佳     :(ぼーっ)

 相変わらず眠そうな知佳である。

 桃花     :「知佳ちゃーん」
 知佳     :「……」

 反応なし。

 桃花     :「知佳ちゃんってば」

 知佳の目の前で手を左右に振ってみる。知佳の目は動かない。

 桃花     :「ち、か、ちゃん!」
 知佳     :(びくっ)「ほ、ほえっ」

 びっくりして飛び起きる知佳。

 あたる    :「……疲れている様子なのに起こすのは、かわいそう」
 桃花     :「下校時刻なのに、学校で寝てちゃダメでしょっ」

 あたるの方は、もう既に目が覚めているようだ。

 あたる    :「そうか。なら家で寝るために帰る」
 桃花     :「(あれだけ寝といて、家でまた寝るの……)」
 知佳     :「じゃ、またあしたねー」
 あたる    :「……また」

 そう言って、帰っていくあたる。

 桃花     :「知佳ちゃん、私たちも一緒に帰ろう」
 知佳     :「うん、そーだね」
 桃花     :「今日も特訓にいくよっ」
 知佳     :「あうー、今日はねむいよー」
 桃花     :「今日は宿題出てないから、夜早く寝れば大丈夫っ」
 知佳     :「ふえー」

 明らかに乗り気でない知佳。と、そこへ。

 おぺら    :「桃花ちゃんっ、なんの特訓してるのっ?」(興味津々)
 知佳     :「あっ、おぺらちゃんっ」
 桃花     :「え、えっとね……なんでもないよっ」
 知佳     :「そうそう、なんでもないのっ」
 おぺら    :「そーなんだっ(あやしー)」
 桃花     :「とにかく、かえろっ」
 おぺら    :「(桃花ちゃんも、あの森で何か特訓してるんだー。鉢合
        :わせしないよーに気をつけなきゃ)」

 実は、ペンギン化して飛ぶ特訓である。
 まー、特訓して飛べるようになるかは定かでない、ていうかたぶん無理。

 桃花     :「さー、かえろーかえろー」
 知佳     :「うん、かえろーっ」
 おぺら    :「(……ま、いっか)そーだねっ♪」

 結局、この日、知佳はノリで桃花に付き合わされたという。


時系列と舞台
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 2005年1月某日、吹利学校初等部4年3組にて。


解説
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 授業中だろうがなんだろうが、ねむいものはねむいのです。

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