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Date: Wed, 2 Jun 2004 22:28:55 +0900
From: Higashimatsubara Lokai <persimon@trpg.net>
Subject: [KATARIBE 27606] [HA06P]EP:『異次元の匣』
To: kataribe-ml@trpg.net
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Web: http://kataribe.com/HA/06/P/
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蘆薈でする。
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エピソード『異次元の匣』
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2003/10/15、午後3時頃のHA06-01より。
登場人物
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ねこのようなもの:動物。何故か変なアイテムをよく見つける。
http://kataribe.com/HA/06/C/0354/
小松訪雪 :おやぢ。片付けがたいへんに苦手。
http://kataribe.com/HA/06/C/0095/
宇多環 :少年。見かけの割に老成している。
http://kataribe.com/HA/06/C/0223/
ふしぎな秘密基地
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ねこのようなもの:(ごとごと)
そうめんの空き箱(厚さ4cmくらいのふたつき)に頭を突っ込んで、何やら企ん
でいる気配。
ねこのようなもの:(にゅるにゅるにゅる(入))
ねこのようなもの:(すぽん)
すっかり入って、内側からフタがぱたり。
40cm*25cm*4cmほどの箱に、一体どうやって入ったやら。
箱 :(ごとごとごと)
ねこのようなもの:(むりむりむり(出))
ねこのようなもの:「のぅ(満足)」
箱が気に入ったのか、しきりに出たり入ったりしているようです。
むっちりした肉の隙間から見える箱の内側は、どこまでも真っ暗。
便利なコンパクト物置?
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しばらく経ったある日、松蔭堂の訪雪の巣にて。
訪雪 :「むふん♪」
古ぼけたそうめんの箱を抱えて御満悦。どこかで拾ってきたようです。
訪雪 :「いいもんみつけたー♪」
環 :「そうめん?(まだ薄い本読んでる)」
訪雪 :「うんにゃ、空き箱。これにいろいろしまえば、ぶっ散ら
:かった部屋も一挙に解決」
フタをあけると、中には宇宙のような暗く深い空間が。
環 :「へー」
訪雪 :「どういう構造になってるのかわかんないけど、いくら入
:れてもものが入るみたい」
訪雪 :「ほら、こういうふうに見た目より深くて」(腕を入れて
:みせる)
環 :「わあ」
環 :「これで本とか整理できますね(薄い本読んでる)」
訪雪 :「うん。買ったはいいけど本棚に並べたくない本もこの通
:り(ばさばさ)」
箱の中へ、妙に薄い本をどさどさと放り込む訪雪。
環 :「……ちゃんと出せます?」
訪雪 :「うん、たぶん(さかさに振る)……あ゛」
出ません。
環 :「あれ?(さかさになってるのを覗き込む)」
中は暗い空間になっていて、遠くの方に何か小さな物体が浮いているのが見え
ます。
どうやらプチワームホールのようなもので、さかさに振ったくらいでは中身は
出てこないようです。
訪雪 :「どう?取りだせそう?」
環 :「何か長い棒みたいなのでひっぱり出せそうだけど、うま
:くひっかけないとどっか行っちゃいそう」
環 :「(手を伸ばす)手は届かないです」
訪雪 :「落っこちたら大変だから、無理しないでねー」
訪雪 :「棒いる?(モップ)」
環 :「先にひっかけるのついてるやつないです?」
訪雪 :「これじゃどうだろ(掛け軸をかける時の鉤つき棒)」
環 :「ひっかかるかなぁ(ごそごそ)」
空間は思ったより広く、投げ込んだ本はかなり遠くを漂っている気配です。
環 :「あ、何か引っかかった……」
訪雪 :「やったー。引いてみよう」
環 :(ぐいぐい)
何かぐんにゃりと重いものが引っ掛かって来ます。
環 :「本じゃないみたいですよう(ぐいぐい)」
訪雪 :「ひょっとしたら、どこかよそとつながってるのかも。と
:りあえず出してみよう」
環 :「はいよー(すぽん)」
ねこのようなもの:(すぽーん)
棒を強く引っ張ると、先に引っかかったねこのようなものが出てきます。中に
入り込んで寝ていた様子。
訪雪 :「ほえー」
環 :「あ、猫みたいなの」
訪雪 :「知り合い?」
環 :「よくこの辺うろついてるみたいです」
訪雪 :「近所の動物なのか(ぶらーん)」
ねこのようなもの:(ぐう)
環 :「本どこだろ(ごそごそ)」
訪雪 :「他にもいろいろ入ってるかも(わくわく)」
環 :「……でも入れた覚えが無いものがボコボコ入ってるなら、
:どこか別の入り口もありそうですね(ごそごそ)」
内部の空間には、ねこのようなものが入れたらしい、動物の死骸やらボロ毛布
やらも漂っています。
がらくたの量や質的には、入り口はどうやら一ケ所で、訪雪以前に使ったのは
ねこのようなものだけのようです。
環 :「ねこの巣になってたみたい(ぽいぽい)」
訪雪 :「他の誰かのひみつの箱とつながってたら、面白かったん
:だけどなあ」
ねこのようなもの:「ふしゃー(怒)」
動物の死骸をゴミ袋に詰める訪雪に対抗して、ゴミ袋に入り込み、おたからの
防衛につとめるねこのようなもの。
環 :「ただの巣みたいだけど……本どこにいったんだか(ごそ
:ごそ)」
出てくるごもくたを片付けていた訪雪がふと気がつくと、どうも箱が軋んでい
るような。
訪雪 :「……なんか箱がギシギシいってるけど、だいじょぶ?」
環 :「……いじりすぎ?」
訪雪 :「狭いところへ無理に入ったから……わああああ」
角のあわせ目からめきめきと裂けはじめる箱。
訪雪 :「環ちん危ないよう」
訪雪は環を引っ張り出すことを試みます。
環 :「折りたたまれた空間が弾けると一気に展開されるから……
:(棒放り出して退避)」
SE :めきめきめきめき、ばきょっ
訪雪 :「ギャー」
SE :どさどさどさっ
箱が内側から弾けて、部屋中に木片とがらくたとひみつの本が降り注ぎます。
環 :「あうあー」
訪雪 :「だめだったあ」
環 :「入れすぎてオーバーフローしたのかもしれないです」
訪雪 :「少しは部屋が片付くと思ったのに(しょんぼり)」
環 :「世の中甘くないですねえ(埃をはたく)」
ねこのようなもの:(おたからに埋もれて御満悦)
時系列と舞台
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2003年秋、松蔭堂及びその周辺にて。
解説
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ちょっと不思議で便利そうなそうめんの木箱を手に入れた面々の反応は。
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