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Date: Tue, 11 May 2004 21:34:26 +0900 (JST)
From: みぶろ <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 27563] [HA20] セッション告知5/14?
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200405111234.VAA08218@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 27563
Web: http://kataribe.com/HA/20/
Log: http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/27500/27563.html
2004年05月11日:21時34分26秒
Sub:[HA20]セッション告知5/14?:
From:みぶろ
告知
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みぶろです。今週末のいつかやります。たぶん金曜。
それじゃ突発とかわんないですかそうですか。
21時―24時あたりを予定していますが、参加者の状況
にもよりけりです。もっと遅い/早いほうがいいとか適当に
言ってください。善処します。
死亡の可能性:当然あります
難易度 :謎解きは易しめにしてます
生徒会の介入:ありません
初期情報
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生徒会からの依頼です。
巨大な蜂に生徒が襲われた、原因を調べ再発を防いで欲しい、というのが骨
子です。
3日前に襲われた生徒 青江愛子(あおえ ういこ) 1−9
その時傍にいた生徒 神谷士郎(かみや しろう) 1−9
昨日襲われた生徒 喜多海人(きた かいと) 3−3
青江と神谷が生物準備室で巨大な蜂に襲われる。
神谷がなんとか助け、軽傷で済む。
喜多は腹に卵を産み付けられ、意識不明。手術は成功している。
生物準備室が、何らかの理由で異界に通じているらしい。普段はなにごとも
ないが、何かの拍子につながり、そこから巨大蜂が来るのではないか、と会長
は推測している。なお三人に異能は無く、操られている様子も無い。
生徒が二度と蜂に襲われないようにして欲しい。
プロローグ
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なんとなく文が書きたかった。上の初期情報以上のものはあんまりないので、
読まないでいいです。
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ノートと繋がったプロジェクタから、一条の光錐がホワイトボードに投げか
けられている。遮光カーテンを引かれた暗い生徒会室で彼ら/彼女らが見てい
るのは、埃のロンドではなく、即席作りのスクリーンに映し出された、大怪我
をした男子生徒の映像だった。
顔は映っていないが、手術台に乗せられている。微動だにしないのは麻酔の
せいか――いや、それにしては不自然な硬直が見受けられる。そして、左腹部
に開いた穴からおびただしい黒い液体が流れ出していた。
「一応白黒にしてあります」
生徒会長氷上英理が慰めにもならないことを呟いた。その理知的な顔が紙の
ように白いのは反射光のせいだけだろうか。
「彼が襲われたのは昨日。巨大な蜂に襲われ、腹部に産卵管を刺し込まれまし
た。幸い、警戒していた生徒会の協力者が発見し、一命を取りとめましたが、
麻痺毒と卵を注入されており、今なお意識不明です」
その言葉を合図に茉莉がマウスを操作する。画像が切り替わり、膿盆に摘出
された卵らしきものが映しだされる。
およそピンポン玉ほどの大きさである。その生々しさは、白黒の画像でもな
お血臭が漂うかのようだ。
「警戒していた?」
「ええ。なぜなら、」
画像が切り替わり、蜂が現れる。
「3日前にも同じような蜂が出現しているからです」
――ここで主題歌(ぉ
いわゆるスズメバチではないようだ。地味な色合いをしている。しかし機能
美にあふれた猛々しいフォルムは、その大きさもあいまって十分危険に見える。
スクリーンの下方に映っている目盛りで見ると、蜂の全長は1メートル近く
あるようだ。
「これは3日前に現れた蜂です。この時は女子生徒が襲われ、近くにいた男子
生徒の捕虫網で捕らえられました」
「捕虫網でとれる大きさじゃあないような」
「叩き落して羽を押さえたようです。昆虫採集の趣味が役に立ったとコメント
しています」
「……」
「私どもの調査では、その生徒――神谷士郎さんに、いわゆる『異能』はあり
ません。あなたたち……いえ、私達のような異能者ではないのです」
淡々と英理は続ける。
「また、3日前に襲われた女子、青江愛子さんにもそのような能力はありませ
ん。また、精神操作や呪いを受けた兆候も見受けられません。この調査は信用
してくださって結構です」
「――その映像の男子は?」
「彼、喜多海人さんの場合は、容態が容態ですから、あまり深く調べるわけに
もいきませんでした」
彼ら/彼女らはため息をついた。
「OK。で、我々に蜂の駆除の要請を?」
「再発を防いで欲しい、というのが私からのお願いです」
英理は真摯なまなざしで一人ずつに目を合わせた。
「影の西生駒、という存在はおわかりでしょうか」
怪訝な顔をする彼ら/彼女らの顔を見ながら英理は続ける。
「虚像、陰態、異界。いろんな呼び方が出来ますが、この西生駒高校に重なる
ように存在する一種のパラレルワールドです。
「なんらかの事情で、生物準備室と、この影の西生駒が重なったのでしょう。
難しいのは、これが常に重なっているというわけではないところです。
「どういう条件で異界と繋がるのか、そこを明らかにして対策を打つのが早道
だと思います」
麟がカーテンをあけた。朝の光が、たちまちのうちに暗い空気を追い払い、
生徒会室を日常に引き戻す。窓からは登校してくる生徒の群れが見える。歩き、
走り、笑いさんざめきながら学校に。
「わたしは、無力です」
逆光の中、英理は穏やかに言った。星見、未来を見通す力――そして見るだ
けの力。
「危険なことを頼んで申し訳ないと思います。でも――」
5月の校庭に予鈴の響きが駆け抜けていく。生徒達の動きが心持ち早くなり、
校舎は活力をためる。どこにでもある、普通の高校の風景。
「あっ、やばっ。一限体育だった」
「話はわかりました。なんとかしますよ」
「まーかせてっ」
挨拶もそこそこに、チャイムを合図にばたばたと出て行く彼ら/彼女ら。ま
ったく、この呪は強力だ。
「英理ちゃん、あたしたちも遅れちゃうよっ」
パワーポイントを終了させた茉莉も会長をせかした。
「彼ら/彼女らなら大丈夫ですよ」
麟がウィンクを投げながら鞄を渡す。
「――そうですね。彼ら/彼女らなら、きっとこの日常を守ってくれると、信
じています」
本編につづく。
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