[KATARIBE 27418] [HA06P] 『こいするおとめのようなもの』完成版

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Date: Thu, 11 Mar 2004 02:16:05 +0900
From: -Gombe- <gombe@gombe.org>
Subject: [KATARIBE 27418] [HA06P] 『こいするおとめのようなもの』完成版
To: kataribe-ml@trpg.net
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 ごんべです。

 MOTOIさん、チェックどうもですー
 修正2箇所、了解っ(指差確認)

 と言うわけで、完成版を流しますです。


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エピソード『こいするおとめのようなもの』
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登場人物
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霞原珊瑚(かすみはら・さんご)
   :出自不明で社会適応途上の少女型アンドロイド。
   :陽を伴い榎家に居候。
榎愛菜美(えのき・まなみ)
   :榎夫妻の手による少女型アンドロイド。
   :情操教育が行き届いており大変人間的。

本編
----
 3月初めの土曜日の夜のこと。

 SE      :(ノック)
 珊瑚     :「愛菜美?」
 愛菜美    :「はーい、どうぞー」
 珊瑚     :(ガチャ)
        :「愛菜美、音楽の音源を何か持ってるかしら?」
 愛菜美    :「音源っていうと……んーと、CDのことかなぁ?」
 珊瑚     :「CD……そうね、そうだわ」(何やら一人納得)
 愛菜美    :「? はい、これなんかどうかな」
        :(適当に好みから2・3枚)
 珊瑚     :「……愛菜美は、どの音楽が一番好きなの?」
 愛菜美    :「え? 持ってるのはどれも好きだよー」
 珊瑚     :「そう……じゃあ、これを選んだのはなぜなの?」
 愛菜美    :「うーん? これなんかは歌手の人が好きだし、これは昔
        :CMが流行ったでしょ? って、珊瑚ちゃんは知らないか。
        :これは……」(詳しく説明)
 珊瑚     :「……そういう判断基準があるのね……?」
        :(興味深くも、解っていない風)
 愛菜美    :(……ぴーんと来て)「……何かあったの?」
 珊瑚     :「……桐生さんと話していてね。好みの音楽は何を聴くの
        :かとか、どんな本をよく読むのとか訊かれてしまって、
        :そんな風に音楽や書籍と接したことがなかったから答えら
        :れなくて……図書館に通ったりバイトに行ったりするのが
        : "好き" だって言ったら、すごい、って驚かれてしまって
        :……何かおかしいわよね?」
 愛菜美    :「あー、なるほどねー……」
 珊瑚     :「音楽を聴いていても、好きだとか気持ちいいとか考えて
        :聴いたことが無くて……和声とメロディの調和が取れて
        :いるとか、音色の違いとかなら、わかるんだけど」
 愛菜美    :「んー、それが、聴いていて気持ちいい、ってことじゃ
        :ないかなあ」
 珊瑚     :「そうなのかしら」(沈思黙考)
 愛菜美    :「(珊瑚ちゃん、もう桐生さんとデートしたんだー(驚))」

 その後、愛菜美が珊瑚の左小指に指輪を見つけてさらに驚いたことは言う
までもない(笑)。

 当の本人はと言えば、これ以降数時間単位で音楽を聴き続けてはCDを取り
替えに愛菜美の部屋のドアを叩いて、ついには、愛菜美所蔵の音源のほとんど
は隣室に貸し出されることになる。

 恋する乙女は、変わる……のだろうか?(ぉぃ


解説
----
 雄人への礼儀として情報開示に努める珊瑚。
 だがその項目の中には、アンドロイドとしては思いもよらぬ判断基準に
基づくカテゴリーがあった?

 自分に恩恵を与えてくれるかどうか、ではない価値判断によって努力する
珊瑚。そして「好き・きらい」という主観的な価値観に初めて接して、どう
理解していくか。と言う辺りの発端となるお話です。
 デートシーンの講釈は、またの機会といたします。(講談調〆台詞)

 ……まあ6ヶ月近く成人並みに見聞きしながら生きてれば、世間の話題全般
についてもそれなりに情報としての蓄積はあると思うんですけどね。だから
デート中も、一応話題には付いてはいけたはずなんですが。
 好ききらい、いわば「自分の」情報として何を選ぶか、と言う接し方はして
こなかったはずなので、初デートはなかなか苦労したと思われます(笑)。


時系列
------
 2004年3月6日、午前に珊瑚が雄人に誕生日プレゼントを渡そうとし、昼食が
二人での初デートとなった日の夜、夕食前のこと。

関連ログ(誕生日プレゼントを渡すシーン):
http://kataribe.com/IRC/HA06-01/2004/03/20040307.html


$$

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> しかし、恋の力というものは偉大ですなぁ(ぉぃ

 ほんとにねえ。
 行動力というか、問題打破を目指して躊躇が無いというか、確かに
他人から見てるとまるで恋ですな。


 以上です。ではでは。

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