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Date: Wed, 22 Oct 2003 22:58:52 +0900
From: Paladin <paladin@asuka.net>
Subject: [KATARIBE 26880] [HA06P]エピソード『猫回し、狐、人形』
To: kataribe-ml@trpg.net
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Web: http://kataribe.com/HA/06/P/
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ぱらでぃんです。
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エピソード『猫回し、狐、人形』
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登場人物
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宇多 環 :狐。店番。
http://kataribe.com/HA/06/C/0223/
桜木 達大 :言霊使い。いろいろなものとしゃべる。
http://kataribe.com/HA/06/C/0365/
障子 :障子。
人形 :木を削って目鼻立ちだけ整えたようなデザイン。
いらっしゃいませ
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吹利市内。春日の丘の近く。どこかノスタルジックな風情を残した家が並ぶ
通り。低めに刈られた生垣の奥に庭と紅殻格子の建物。
少し離れたところで、蝉の声。
達大 :「──ここ、かな(メモ紙を片手に)」
格子造りの古家の前で、迷うように。
達大 :「うーん。でも看板もないしなぁ」
片手にノートパソコン用のキャリングバッグ。仕事帰りらしい。
──おそらく、最近流行りのウィルスの対応で呼びつけられた帰り。
環 :(掃除してる)
達大 :「──あ。こんにちは」
環 :「はい、こんにちは」
達大 :「あの──金仙さんというのは、こちらですか?」
環 :「あ、はい。そうですけど……」
達大 :「あぁ、良かった(人好きのする笑顔で)」
達大 :「お店はこの奥ですか? 看板がないからちょっと不安で」
[Catshop] # にこにこと笑ってます。
環 :「はい。目立たないからわかり辛くてすみません(おじぎ)」
そう言いながら入り口を指して案内。
達大 :「あ、いえ。こんな感じも情緒があるというか、京都にあ
りそうな感じで良いと思いますよ」
達大 :「──ところで、お値段も京都の老舗ばりに高かったりし
ます?(こしょこしょ)」
環 :「昼間は喫茶店みたいな物を出してるので、学生の人とか
もよく来てますよ」
達大 :「助かります。実は今月、ちょっとしたことがあってお小
遣いピンチなので」
女の子にしこたまパフェを奢らされたらしい。
思い出しながら、土間に出された長椅子に座る。
環 :(にこにこ)
達大 :「えっと──何を頼もうかな(お盆の上のメニュー?を手に
取り)」
環 :(ちょっと奥に引っ込む)
達大 :「──お茶と。あ、道明寺があるんですね」
達大 :「うん、嬉しいな。道明寺とお団子ください」
環 :「あ、はい。とりあえずお茶をどうぞ」
湯呑みに冷えた麦茶。
達大 :「どうも(ご機嫌でお茶をすする)」
見ないで受け取り、暖かいお茶だと思って飲んだのでびっくり。
達大 :「ひゃっ」
環 :「あ、どうかしましたか?」
達大 :「いえ。ちょっと勘違いしてて、吃驚しただけです(バツの
悪そうな笑顔)」
美味しそうに麦茶を飲む。
達大 :「なんだか──静かで落ち着きますね」
言いながらも興味津々という感じで店の中をまた見渡す。
環 :「はい。来る人も少ないから話し込んだりは向いてないで
すけど(また奥へ)」
こんにちは?
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達大 :「──うん。いいな、こういう店」
奥のほうに上がり口があり、そこに調度のような民具のようなものが何点か。
達大 :「──勝手に上がったら、マズいよな。だよ、ね」
上がり口付近の障子(?)に話し掛ける達大。
障子 :「……」
達大 :「──無口だねぇ」
言いながら視線は目鼻だちだけ整えた人形のようなものへ。
達大 :「──?(目をこらしてよく見る)」
達大 :「まさかオシラサマ──な、わけないよな(自分の台詞に呆
れて苦笑い)」
人形 :「はてさて」
達大 :「──あ、聞こえました? どちらのご出身ですか?」
人形 :「わしゃよく知らんよ」
達大 :「はぁ。なんと呼ばれてました?」
達大 :「その──持ち主というか作り主の方には」
人形 :「なんとって、別に何も」
達大 :「はぁ」(ずずっ、と麦茶を)
人形 :「ここの娘だか誰だったかの友達が適当に作ったもんだし」
達大 :「あぁ、そうなんですか。こう、そこにちょこんと鎮座さ
れてると何やら謂わくありげな雰囲気が出てたので」
達大 :(ずずっ)
人形 :「はあ。なんだかころころ取り替えてるからこっちからし
たら忙しいもんだが」
達大 :「取り替えてる? あぁ、その他の皆さん方ですか」
いただきますとごちそうさま
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環 :「おまたせしました……(訝しげな顔)」
達大 :「あ、どうも」
達大 :「──なかなか良いお品を置かれてますね」
環 :「あ、あれは姐さんが友達からもらったらしいです」
達大 :「──うん。道明寺も美味しい」(ぱくつきながら)
環 :「ありがとうございます(ぺこり)」
達大 :「お姉さんというと──あの、色白のお嬢さん?」
環 :「……そうです」
達大 :「実は、お姉さん──名前も伺わなかったんですが──か
ら、こちらのお店を伺いまして」
達大 :「そうか。なかなか良い趣味をされてますね(にこにこと、
両手で茶碗を包むように持ちながら)」
環 :「あ、そうだったんですか。姐さんの友達だったなら(狼狽)」
何か粗相がばれたらアレなので狼狽する環。
達大 :「あ、いえ。たまたま喫茶店で少しお話した程度ですから」
達大 :「ちょっと冷房が効きすぎで寒かったのと、あんまり色白
だったのとで──」
達大 :「雪女ですか?なんて思わず聞いてしまったら、苦笑もな
く否定されました」
環 :「姐さんはジョークのセンスがアレですから……」
達大 :「いえいえ。僕の冗談が下手なせいでしょう」
にこにこと笑って、団子を一口。
達大 :「さて。ゆっくりくつろいだし、そろそろ仕事に戻ります
(残りを一通りたいらげて)」
達大 :「あの──餡菓子を幾つか適当に包んでいただくことはで
きます?」
達大 :(満足げにお茶をずずっ)
環 :「はい。こちらで選んでかまいませんか?」
達大 :「えぇ。お任せします」
環 :「かしこまりました(奥へ)」
達大 :(甘さもちょうどいいし。これなら左子さんも右子さんも食
べられるだろうから、お土産に持っていこう)」
達大 :(──猫丸の分も忘れちゃいけないけど)
環 :「おまたせしました」
達大 :「どうも。うん、お任せして正解でしたね」
達大 :「さて。じゃぁ、失礼します」
受け取り、勘定をお盆に載せる。
達大 :「またいずれ」
環 :「はい。またどうぞ」
時系列と舞台
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2003年晩夏、金仙にて。
解説
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達大さん金仙に登場。そして。
関連作品
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