[KATARIBE 26725] [HA06N] 特別企画:いろはお題『そ その他の人々』

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Date: Tue, 16 Sep 2003 19:35:34 +0900 (JST)
From: 月影れあな  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 26725] [HA06N] 特別企画:いろはお題『そ その他の人々』
To: kataribe-ml@trpg.net
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2003年09月16日:19時35分34秒
Sub:[HA06N]特別企画:いろはお題『そ その他の人々』:
From:月影れあな


 今日はこれで最後〜

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特別企画:いろはお題『そ その他の人々』
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そ その他の人々
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 ぼんやりと街を見る。
 通り過ぎて行く人の群れ。人の大半は、他の人にとっても風景の一部でしか
ない。注目される事もなくただ過ぎていくその他の人々。なんとなくため息が
出る。
 その姿が、自分達のそれと重なって。
「そう、注目されてはいけないのだ」
 言葉にしてそっとつぶやくと、余計にうんざりとした気持ちになった。それ
は業である。永遠の時を生きる者に科せられる。注目を集めてはいけない。奇
異の目を受けてはならない。ただ、日常の風景の一部から逸脱する事は許され
ない。
一所に留まる事すら、それには許されないのだ。
「そう、あの群集のように在らなければならない」
 羊の群れ。羊の群れ。
 黒い羊は自ら白いペンキに塗れよ。
「許されない事なのか。日常を、果てることの無いぬるま湯の日々を望むのは」
 永遠は無い。何処にも無い。あるのは虚ろな終わりの連続。それだけ。
「せめて、一時の安らぎを……」
 唐突に、肩を揺らす感覚が結夜を現実に引き戻す。
「おい」
 ふと見ると、待ち合わせの相手がそこにいた。苦笑して、謝罪の言葉を呟く。
「すまぬ、遠い所に行ってた」
「別にいいけどな。結夜がトリップしてんのはいつもの事だし」
 諦めたように言うと、友人は結夜の肩を叩き、せっついた。
「ほら、さっさと立て。本屋案内してくれる約束だろ」
「ん」
 軽く頷いて立ち上がると、結夜は己の自転車の元へと駆け寄った。


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# なんか、結夜自分の世界に浸りすぎ。
# ちなみに、ここに出てくる友人Aは健一郎じゃありませんので悪しからず


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