[KATARIBE 26478] [HA06P] エピソード:『万引きは犯罪です』(前編)

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Date: Sun, 3 Aug 2003 23:11:52 +0900 (JST)
From: みぶろ  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 26478] [HA06P] エピソード:『万引きは犯罪です』(前編)
To: kataribe-ml@trpg.net
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2003年08月03日:23時11分52秒
Sub:[HA06P]エピソード:『万引きは犯罪です』(前編):
From:みぶろ


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エピソード:『万引きは犯罪です』(前編)
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登場人物
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 楽鈴寺 光太郎(がくりょうじ こうたろう)
      :ぱわふりゃーな美少女霊能探偵。 
 当麻 漣(たいま れん)         
      :男には自分の世界がありそうなワトソン君。
 薇 真紀(ぜんまい まき)     
      :ふにゃ娘。今回は、推理には加わらず横で騒ぐ役。

時系列と舞台
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 高一 七月下旬 放課後 コンビニ

殺意は突然に
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  セミが街路樹で、まもなく始まる夏休みをことほぐように歌っていた。
  漣は学校近くのコンビニの冷蔵庫を睨んでいた。
  平和だった。
  だが、現実はいつも突然襲ってくる。
  漣の場合は、後ろからのダブルライダーキックだった。

  冷たい硝子との口づけ
  真昼の星のブラウン運動
  夏の思ひ出
  曹達水

  奈落に落ちかけた意識を引き戻す。加害者を、今年の10大ニュースに選
 ばれるような方法で虐殺すると決意。
  振り返れば、光太郎と真紀が嬉しそうに立っていた。

 漣      :「……貴様ら」
 光太郎    :「油断してるあんたが悪いッ」<びしぃ
 真紀     :「悪いッ」<ふにゃん
 漣      :「ほう」

  漣は二人を抱き寄せて腹部にストマッククローをみっしりと決め、しかる
 後に光太郎の右腕を高々と差し上げた。

 真紀     :「うごおぉ」
 漣      :「ウィナー。光太郎の方が腹部のたるみが少ないようだ」
 光太郎    :「おーほっほっほ、当然ねっ……てあんたマジで一回死に
        :なさい!」

  光太郎の身体がくるりと回った。遠心力と体重をロス無く乗せた肘が、螺
 旋の軌跡を描きながら漣のこめかみにヒットする。

 漣      :「……」

  セリフすら許されず、悪は倒れた。

 真紀     :「うわー、ひかりちゃん、さざなみ君の足がみたことない
        :ような痙攣を起してるよ」
 光太郎    :「ちっ、やわね。真紀、あんた昆虫採集の生き返る薬注射
        :してあげなさいよ」
 真紀     :「それはとどめっすか?」

  《ポリネシアの珊瑚礁の風景》〜しばらくお待ちください〜

  復活の過程や、出入り禁止にすべく飛んできた店員をまるめこんだりする
 場面は割愛。それでは引き続きお楽しみください。

 真紀     :「なにぼーっとしてたの?」
 漣      :「うむ。午後の活力を得る一杯としてコーヒーをあがない
        :に来たのだが。『タヒチアンココナッツブレンド』と『泥
        :水よりうまい』と『羅武・闇の色』と、どれがよいと思う
        :かね?」
 真紀     :「がーん。さざなみ君思ったよりセンス悪いね」
 漣      :「えらい言われようだ」
 光太郎    :「思ったよりというか、そのまんまじゃないの?」
 漣      :「貴様らには開発者の崇高な冒険心が理解できんのだ。で、
        :わざわざ俺を殺しに来てくれたのかね?」
 真紀     :「違うよー。これを買いに来たんだよ。おいしいよ? さ
        :ざなみ君も買う?」

  真紀は新発売のコンビニデザート(280円)を手にしていた。

 光太郎    :「わざわざあたしが出てきたんだから、まずかったら許さ
        :ないわよ」
 真紀     :「だーいじゃうぶ。まーかせてっ」
 漣      :「ふむ。慰謝料として奢りたまえ」
 光太郎    :「こっちの慰謝料と相殺ね。ああ、まだ足りないわ」
 漣      :「ほう」
 
万引き?
--------

  光太郎と漣は慰謝料算定計算について口論を始めた。少しあきれながらそ
 れを見ていた真紀はあることに気付き、漣と光太郎の袖を引っ張る。

 真紀     :「ちょいちょい。あの子達、万引きしてるよ」
 光太郎    :「むっ。よし、つかまえてゆするわよ」
 漣      :「待て。貧乏そうな小娘をゆすって危ない橋を渡る必要は
        :ない。それよりコンビニ側に知らせて今後の便宜を図らせ
        :るべきだ」
 真紀     :「あー。この人たちわー」

  再びヒートし始める二人をよそに、万引き犯の女子高校生二人連れはコン
 ビニを出て、自転車にまたがろうとする。
  と、店員が扉を開け、女子高校生につめよった。

 漣&光太郎  :『しまったー、出遅れたー』<店内
 店員     :「ちょっと、君達、鞄の中を見せてもらえるかな」
 女子高校生A :「ハァ? 何言ってんの?」
 店員     :「いや、君ら化粧品を万引きしたでしょ」
 女子高校生B :「してねーよ。つーか、ショーコあんのかよ」
 店員     :「あー、防犯ビデオに写ってるから。ほら見せて」
 女子高校生A :「てめーの見間違いだろ? 見てもいいけど、なかったら
        :どうすんだよ」
 店員     :「うるさいな、ほら」<強引に鞄を見る
 女子高校生B :「何すんだよ」
 店員     :「……あれ」
 女子高校生A :「どーすんだよ? あ?」
 店員     :「ば、ばかな。あれだけ盗ってたのにどこに……」
 女子高校生B :「あーあ、疑われて傷ついたなー。店長呼んでくる? ボ
        :クー。あはははっ」

  店員は釈然としないように女子高校生たちを見ている。鞄じゃなくて衣服
 に隠したのかもしれない。だが、この状況で彼女らが協力するとは思えない
 し、もし見つからなかったら致命的だ。そして、二人が着ているのは薄く露
 出の多い服だ。小物ならともかく、かさばる化粧品類を数点隠しおおせると
 は思えない。

 真紀     :「ふにゃー。確かに盗んでたのに……。あんなに強気だな
        :んて、服に隠したわけじゃないのかな?」
 漣      :「ふうん」
 
  漣は化粧品棚を一瞥した。盗まれたか、もともと在庫切れなのかは不明だ
 が、確かに香水や口紅の類が相当空いている。これらを盗んだのは、まず間
 違いないだろう。だとしたら、あの服の中に隠すのは困難なように思える。
  
 漣      :「彼女らが物を盗った後、誰かが近くを通ったりしなかっ
        :たかね?」
 真紀     :「んー、ああ、あの背広の人と出口ですれ違ったよー」
 
  漣が真紀の指差す方を見ると、20代後半とおぼしき背広姿の男がレジで
 弁当を持って興味深そうに事の成り行きを見ている。
  外では「とにかく一度店の事務所へ」と譲らない店員と、口汚く罵り、帰
 ろうとする女子高校生の押し問答が続いている。

 漣      :「さて……」

読者に挑戦☆
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 さて問題ですよー。女生徒たちはどこに盗品を隠したのでしょー。なんつて。




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