[KATARIBE 26284] [HA20P] エピソード : 『戦場の跡に佇む者』

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Date: Fri, 20 Jun 2003 21:07:01 +0900 (JST)
From: ハリ=ハラ  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 26284] [HA20P] エピソード : 『戦場の跡に佇む者』
To: kataribe-ml@trpg.net
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2003年06月20日:21時07分01秒
Sub:[HA20P]エピソード:『戦場の跡に佇む者』:
From:ハリ=ハラ


ども、ハリ=ハラです。

当麻君と御厨君の対話を切り出してみました〜

色々くちゃくちゃと加工しているので、確認&自己紹介、お願いします〜

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エピソード:『戦場の跡に佇む者』
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登場人物
--------
当麻漣  :
御厨浩一郎:

生物室
------
 漣      :「確かにここだ」

ぐるりを見回す。
ついこの間まで、異界の巣食っていた空間。

 漣      :「……消えているな」

そして、今はなんの変わりも見られない空間。

 漣      :「仮説1。消した。仮説2。結界の類。仮説3……」
 御厨     :「……何してるんだい?」

入り口から声をかけてくる、この間、異能者として知り合った男。
胸糞の悪い……『願い』に巣食う……妖物を滅した際に、成り行きで共に戦っ
た相手。

 漣      :「妙に生臭いにおいがするので。発生源の調査です」
 御厨     :「臭い、か……この残り香みたいな雰囲気かな?」

相手は時空使い。この空間に残る違和感を感じているのだろう……
だが、こちらの能力は、まだはっきり知られてはいない。

 漣      :「いや、そのまま匂いですが」
 御厨     :「まあ、生物室だしね」

お互いに誤魔化しあう。

 漣      :「そうそう、御厨さんご存知ですか」

かえるのフォルマリン漬けの瓶を取ってしげしげとながめる

 御厨     :「なんだい?」
 漣      :「夜になると、ここの棚の瓶の一つが眼球のフォルマリン
        :漬けになるそうです」
 御厨     :「……へえ、涼しくなりそうな話だね」

手に持つ瓶に、男の視線が注がれる。

 御厨     :「本当のところはどうなんだろうね」
 漣      :「さて。単なる怪談の一つでしょう。特に興味は」
 御厨     :「怪談、か――」
 漣      :「目玉を取られた女生徒が追いかけてくるとか、異形のもの
        :が次の目玉を求めて徘徊するとか――
        :まあいろいろ考えるもんです」

放課後――日はまだ落ちないが、生駒の山にかかってふと薄暗くなる――

 御厨     :「そうだね
        :……然し、噂は何も無いところから生まれるとは限らない
        :調べてみようか、その話」

――静かな空間、全ての雑音が遠い世界

 漣      :「ふふん……ごめんですな。あるはずがないし――ああ、
        :そうでもないのか――本当なら、またあんな化け物が出る
        :んでしょう? 娯楽には刺激が強すぎる」
 御厨     :「僕も無いとは思うし、もしまたあんな事になるのなら危
        :険だね」

静寂

 御厨     :「でもね」

ふっと息を吐く音が響く

 御厨     :「好奇心が抑えられないんだ、どうしてもね」

ことり、とフォルマリン漬けを戻す。

 御厨     :「馬鹿だよね――馬鹿げてる」
 漣      :「力があるのなら――試せばよろしい」
 御厨     :「そうするよ」
 漣      :「本当は、思う存分振るいたいのではありませんか?」
 御厨     :「否定できないね」
 漣      :「今、あなたは俺の命を握っている。絶対にばれない形で
        :葬れる。恨みも何も無いけど、そうできる事実」
 御厨     :「…………」
 漣      :「誰も見ていませんよ……どうして耐えられるのです?」
 御厨     :「さあ、ね。僕にも良く分からない」
 漣      :「……それだけですか」
 御厨     :「……上手く言葉に出来ないんだ」
 漣      :「引き金を引く前に」

出て行く。すれ違いざまに肩をぽんと叩き

 漣      :「見つけてください。銃弾はあなたを貫きます」
 御厨     :「………」

男は顔を向けず、ただ立ち尽くす
微動だにせず、静かにたたずむ

先程よりさらに暗くなった光

運動部の掛け声

やけに遠く聞こえた

解説
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 答を持っている当麻君と、答を探している御厨君。
 悩む者の対話です。

$$
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ちょっといぢり過ぎですかね……


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