[KATARIBE 26264] [HA20P] エピソード:『偽りと偽りと、優しさと』

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage


Index: [Article Count Order] [Thread]

Date: Wed, 18 Jun 2003 01:15:17 +0900 (JST)
From: みぶろ  <furutani@mahoroba.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 26264] [HA20P] エピソード:『偽りと偽りと、優しさと』
To: kataribe-ml@trpg.net
Message-Id: <200306171615.BAA29538@www.mahoroba.ne.jp>
X-Mail-Count: 26264

Web:	http://kataribe.com/HA/20/
Log:	http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/26200/26264.html

2003年06月18日:01時15分17秒
Sub:[HA20P]エピソード:『偽りと偽りと、優しさと』:
From:みぶろ


みぶろです。
なし崩しに真相当てセッションとなったログをエピソードに直して見ました。

**********************************************************************
エピソード:『偽りと偽りと、優しさと』
=====================================================

登場人物
--------

 当麻 漣(たいま れん) 
  :探偵倶楽部員。理屈屋。時々渋いらしい。
 薇 真紀(ぜんまい まき)
  :家庭科部員にしてフロッグスレイヤー。細かい事に拘らない。
 躑躅 操(つつじ みさお)
  :なぞめいた美女。けっこううぶらしい。実は最も奇行が少ない部類に属する。


舞台
----

 校庭

時系列
------
 高一 六月上旬 放課後
**********************************************************************
承前
----

  真紀と藻々は宙から水の滴る樹の根元で、蟇蛙の妖異と戦い、これを倒す。
  翌朝、真紀は蛙の死骸を拾ったと偽り、漣に見せる。それが妖異である事
 を看破した漣は、誰が戦ったのかを調べるために件の場所へ行く。
 #セッションリプレイ『虚空ヨリ滴ル雫』を参照ください。

本文
----

 漣      :「……ふむ」
 漣      :「確かに……戦闘の痕跡が」
 真紀     :「ね、すごいよねー」
 真紀     :「ここらへんに転がってたの」(ふみふみ)
 漣      :「ほー」
 操      :「――どうしたんですか、こんな所で?」
 真紀     :「でね、ここらへんに欠片がばらばらっと」
        :(てをぶんぶん)
 漣      :「うむ。この娘が蟇蛙の死体を拾ってきたのだ。むやみと
        :何でも拾う子だ」>操
 真紀     :「むぅ」
 操      :「あら…それは物騒ですね」
 漣      :「しかしこれは、大風の痕跡ともみえる。だれかが蛙の死
        :体を埋めようとして、」

  話しながら、ちらちらと漣の方を伺っている<操

 漣      :「途中で風が吹いて壷が落ちて割れた。やる気をなくした
        :ので途中止め。こんなところでは?」

  真紀が異能者であることを知らない漣は「夜光虫」で調べる間に、なんで
 もない方向に持っていこうとする。

 操      :(くすくす)「…面白い」
 真紀     :「ひどっ」
 漣      :「(大物とみた/探せばいるものだな/惜しい……)」
 漣      :「几帳面だが、粘りに欠ける。そんな人物像だな」
 操      :「推理がお好きなんですね」
 真紀     :「探偵部だしねー」
 漣      :「習慣ですね。当ろうが外れようが、考えること」
 操      :「あら…それは素敵な事です」
 漣      :「前頭葉も身体器官である以上、訓練によって能力は向上
        :するはずです」
 真紀     :「うあ、まだ地面がぬかるんでる」

  ていていっとドロのついた靴を振ってる

 操      :「きゃっ…」<はねた
 漣      :「お供えの水も用意していたか。やはり几帳面」
 操      :「…(ふきふき)…お供え、ですか」
 漣      :「墓前には水がつきものでしょう」

謎の提起
--------

 漣      :「問題は、何故行為者は蛙の死体を遺棄したか」
 漣      :「ちょいと倉知淳じみた日常ミステリだな」
 操      :「それは…どんな方でしょう?」
 漣      :「ああ、ミステリ作家ですよ。殺人じゃなく、ふとした日
        :常の謎をメインに書いてます」
 真紀     :「うー。とりあえず、ワケわかんないよ?」
 操      :「難しそうですね」
 漣      :「(間違いなく異能戦闘だ/ならば勝利者はなぜ死体を始
        :末しない/勝利者も人外?/素人?)」

回想シーン
----------
 真紀     :「ね、ね、さざなみくん。面白いもの見付けたんだー」

  じゃーん。と蟇蛙を見せて

 真紀     :「すごいでしょー」
 真紀     :「昨日校庭でへんな木見つけたんだけど、今日の朝来たら、
        :その下に落ちてたの」

現場検証
--------

 漣      :「ぜんまい君。ヘンな木と言ってたが、どの辺が?」
 真紀     :「なんかぴちょんぴちょんって、水が落ちてきてたんだけ
        :ど……」
 漣      :「ああ、それは変だな(昨日も一昨日も、雨は降っていな
        :い)」
 操      :(木に触れて頬を擦り付ける)「…普通の木、ですね」
 操      :「…どの辺りから、垂れてきたの?」>真紀ちゃん
 真紀     :「御厨君が近くで見てたけど……えーっと……このへん」
        :(穴のそばに立って、上を指してぴょんぴょん)
 操      :「穴の上なの?」
 真紀     :「たぶん」
 操      :(……彼も、か)「…うーん」

  考え込み始める操

 漣      :「壷はどこに落ちていた?」
 真紀     :「この辺にばらばらばら」
 漣      :「ふうん」
 真紀     :「うー、彩ちゃんに調べてもらったほうがいいかな〜」
 漣      :「まて。探偵部で分からずにオカ研にいかれたとなっては、
        :光太郎にどれほどなじられるか」
 真紀     :「だって、なんか変な占いとか出来そうだし」
 操      :「…オカルト研究部と、仲が悪いの?」
 漣      :「いやとくに。シェアの問題ですね」
 操      :「ドライなんですね」
 漣      :「梅雨時には得がたい男でしょう?」
 真紀     :「座布団ぼっしゅー」
 操      :(くすくすくす)「…お上手ですね」

  そんな貴方が――という目で、推理中の漣を見つめている操

 漣      :「(どのみち消去法は使えないか/妖物なら高確率で食う
        :/素人としても放置するかどうか――)」

  そして、穴や壷に異能反応を見つける

 漣      :「(これは――あの蛙の妖物は壷に封印されていたか/壷
        :は封印呪物だろう/ならば人が掘り起こした……)」

フラッシュバック
----------------

 真紀     :「ね、ね、さざなみくん。面白いもの見付けたんだー」
 真紀     :「すごいでしょー」
 真紀     :「昨日校庭でへんな木見つけたんだけど、今日の朝来たら、
        :その下に落ちてたの」

真相
----

 漣      :「(普通なら死体は始末する……なぜ持っている、ぜんまい
        :……)」

  漣の顔色がすっと一瞬変わり、また戻る

 真紀     :「???」
 真紀     :「さざなみくん、蟇蛙嫌いだった?」
 漣      :「好きな人間をつれて来い。とっくりと説教してやる」
 真紀     :「ハカセ君」
 漣      :「やはりあれだな。墓を作ろうとして失敗路線だな。心優
        :しく几帳面だがずぼら」
 真紀     :「連れてこよっか?」
 漣      :「うーん、毒島はどちらかというと、生きてるもの全てに
        :筋違いの愛を持ってそうだ」
 真紀     :「あはは」
 真紀     :「んー、なんか、さざなみくんって変わったもの好きそう
        :だから」
 漣      :「で、蛙の死体かね。なんだかへこみそうだ」
 真紀     :「探偵さんだし、びば謎って感じで」」
 漣      :「探偵は医者と同じく、出番が無いほうがいいのだ」
 真紀     :「んじゃ、こっちの壷と石は、彩ちゃんへのお土産にしよ
        :っと♪」
 漣      :「真実が常に美しいものとは限らない」
 漣      :「好きにしたまえ。俺は帰る」

  ちと疲れた面持ちで歩き始める

 操      :「……?」<良く状況がつかめないな、という風に
 真紀     :「うん、じゃあ蛙さんよろしくね」

  はい、と差し出す真紀

すべてを、隠そう
---------------

 漣      :「貰ったもんは俺の自由だぞ」
 真紀     :「食べても良いよ(あはは)」
 漣      :「蛙の黒焼きといえば……魔女あたりが好みそうだ」
 真紀     :「カレーに入れることもあるよ」
 漣      :「金輪際、お前のカレーは食わん」
 真紀     :「高いんだよー、食用がえる」(ぷー)
 操      :(くすくす)
 漣      :「庶民派のくせに生意気を。では」
 真紀     :「むー。じゃーね」
 操      :「…それでは、私も」

  漣の姿が見えなくなったところで、壷のかけらと石がさらさらと溶けるよ
 うに消えていく。
  夜光虫が食べている。蛙の死体を。そして木の下の力の痕跡を。すべて。

 真紀     :「ありゃ?」<袋ふりふり
 真紀     :「ありゃー……空っぽになっちゃった……」(ぱたぱた)

 漣      :「次はもっとうまくやれ……真相は隠しておいてやる……」

 真紀     :「ふに〜」
 真紀     :「ま、いっか」


解説
----

 真相を知ってても、論理的にキーワードを探すゲームにする事で、けっこう
楽しめるようです。そちらのログも力が余ってたら流しまする。


 ---------------------------------------------------------------------
http://kataribe.com/ 語り部総本部(メインサイト)
http://kataribe.com/ML/ メーリングリストの案内
http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/ 自動過去ログ
Log:	http://www.trpg.net/ML/kataribe-ml/26200/26264.html

    

Goto (kataribe-ml ML) HTML Log homepage