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Date: Mon, 07 Apr 2003 02:57:45 +0900
From: Motofumi Okoshi <motoi@mue.biglobe.ne.jp>
Subject: [KATARIBE 25983] [HA06P] エピソード:『闇夜の戦い(仮)』
To: KATARIBE ML <kataribe-ml@trpg.net>
Message-Id: <20030407025744.CATFC0A8268B.59448493@mue.biglobe.ne.jp>
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Web: http://kataribe.com/HA/06/P/
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MOTOIです。
健一郎がちょっと怪奇系の話に首を突っ込めるように、
ちょっとだけ異能を開放してみました。
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エピソード『闇夜の戦い(仮)』
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登場人物
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十条健一郎(じゅうじょう・けんいちろう)
:PCを媒体とした異能を持つ高校生。
十条健二郎(じゅうじょう・けんじろう)
:健一郎の弟。健一郎の異能を知っている。
六兎結夜(りくと・ゆうや)
:
バージョンアップ
----------------
その日の健一郎は非常に機嫌が良かった。自分にとって念願であったPC購入
をついに果たしたのだから。バイトの給料をケチりにケチった甲斐があったと
いうものである。
健一郎 :「これで、家でも作業ができる〜」
待ちきれずに、IC水島で初期セットアップを済ませてしまったノートパソコ
ンを自分の机に置く。
健一郎 :「まずは、ソフトの更新を仕上げてしまお」
PCは買ったものの、ネット環境は全く整っていない十条家である。ネットに
は今のところ繋げない……いや、繋ごうと思えば繋がるのだが、電話代で親に
文句を言われるのはかなわない。仕方なく、ローカルでできる作業をすること
に決めた。
健一郎 :「あと1時間もすればできるやろ」
とはいっても、今まで地道に学校のPCで作業をしていたので、この作業はも
う仕上げを残すのみとなっていた。よって、健一郎が予告(?)した通り、1
時間で作業は終了した。
健二郎 :「……アニキ、飯やで」
健一郎 :「ん、丁度今終わったところや」
健二郎 :「……何しとったん?」
健一郎 :「ソフトの更新。バージョンアップや」
健二郎 :「……ああ、『現実を操作する』ってアレか?」
健一郎 :「そ。今回は、『千里眼』のバージョンアップや。これで
:肉眼で見えんものが見やすくなるわけや。幽霊とかな」
健二郎 :「……へぇ」
健一郎 :「なんや、そっけないなぁ。信じてへんのか?」
健二郎 :「……いや、そういうわけちゃうけど。アニキの能力はこ
:の目で見させてもろたし。それより、飯やで」
健一郎 :「あいよ、じゃ、いこか」
突拍子もないことを言う兄弟だが、すべて事実である。健一郎の作ったソフ
トウェアは、『現実を操作する』ことができるのだ。わかりやすく言うと、健
一郎は、PCを媒体として千里眼能力や念力を使えるのである。ただ、それを知
るのは、弟の健二郎以外にいないのだが……今のところは。
異変
----
さて、食事を終えた健一郎は、ダッシュで自室に戻り、再びPCの電源を立ち
上げた。
健一郎 :「早速、テストといこか」
ちょうど、知り合いの一人が、「○○公園で幽霊を見た」とか言っていたの
で、新機能の霊視機能のテストを兼ねて、その○○公園を覗いてみることにす
る。十条家から300mほど離れたところにある、ごく普通の児童公園だ。
健一郎 :「どれどれ……おお、映った映った」
○○公園が画面に映る。今のところ、幽霊はもちろん、人の影もまったくな
いようだ。しばらく様子を見る。
健一郎 :「別に何も起こらんなぁ……ん!?」
30分ほど観察を続けると、画面に異変が起こった。誰もいなかった公園に、
獣のような影が2つ姿を現したのだ。画面を拡大してみると……
健一郎 :「お……狼!?」
それらは、紛れもなく狼であった。それも、ただの狼ではないことを、新し
く搭載した霊視機能が語っていた。普通の動物とは明らかに違うオーラが溢れ
ていたのである。
健一郎 :「な、なんやねん、こいつら……」
そのまま画面に見入っていると、さらに異変が起こった。先程の狼の一匹が、
影に姿を変え、公園の一角に消えたのである。そして、もう一匹の狼も、同じ
ように影となって、別の一角に消えた。あまりに現実離れした光景(といって
も、健一郎の技能も現実離れはしているのだが)に、健一郎は戸惑いを隠せな
かった。
健一郎 :「……ちと、出かけてこよ」
少々の恐怖心はあるが、こんな珍しい現象をこの目で見ないわけにはいかな
い。そう思った健一郎は、ノートパソコンを手に持ったまま、家を飛び出した。
深夜の戦闘
----------
公園のすぐ近くまで来た健一郎は、公園には入らず、隣の駐車場の車の陰に
隠れた。公園とは低い柵で区切られているだけなので、ここからならすぐに公
園に飛び込むこともできるだろう。
健一郎は、再びノートパソコンを開いた。画面内の公園は暗くてよくわから
なかったが、先程の変なオーラはばっちり映っていたので、見失いようもなか
った。
健一郎 :「さっきのやつ、まだ公園にいるみたいやな」
5分、10分と時間が過ぎるが、オーラは動く気配がない。そして15分が
経過した頃。突如、画面に先程とは別のオーラが2つ出現した。健一郎は、画
面の明度を調整して、そのオーラの正体を探ろうとする。
健一郎 :「こ、これは……結夜!?」
オーラの正体を見て仰天する健一郎。無理もない、普段はボケとホラだけで
生きているようなクラスメイトが、こんなに大量の、それも普通の生物とは違
うオーラを発しているのだ。
健一郎 :「何を話しているんや……?」
結夜と、もう一人の男は、なにやら話しているようである。それも、一触即発の雰囲気であった。そして。
健一郎 :「……!!」
いきなり、戦闘が始まった。が、相手の男はどうやら怪我をしているらしく、
次第に結夜によってその力を弱められていく。そして、5分もしないうちに、
その男は膝をついてしまった。
健一郎 :「……あいつが、あんなに強かったなんて……」
結夜の戦闘能力に唖然とする健一郎。だが、画面を見ると、先程の(影に化
けた)狼のオーラの1つが、結夜の背後から接近していた。
健一郎 :「まさか……結夜に襲い掛かるつもりか!」
そう思った健一郎は、とっさに車の陰から飛び出し、叫んだ。
健一郎 :「結夜!! 後ろから何か近づいとる!!」
結夜 :「何!?」
健一郎の声に、後ろを向く結夜と、驚愕の表情を浮かべる相手の男。次の瞬
間、先程の狼が姿を現し、結夜に襲い掛かった。が、結夜は、その狼を素手で
地面に叩きつけてしまった。狼はもう動けないようだ。
結夜 :「まさか、罠を張っていたとは……危ないところだった」
男 :「くっ、仲間がいたとは……」
そう言うと、男はその場に倒れこんだ。
何故?
------
結夜 :「……健一郎、何故ここに?」
結夜は、一番見られたくないところを見られたと思い、魔眼による洗脳の準
備をした。
結夜 :「健一郎、こっちを見ろ」
が、健一郎は、PCの画面を見たまま動かない。やがて。
健一郎 :「結夜、もう1匹おるで!」
結夜 :「何!?」
結夜は、「敵は3体」だということを思い出した。
健一郎 :「あのジャングルジムのそばの、木の陰に隠れとる!」
それを聞いた結夜は、健一郎の言葉通りに影を攻撃した。はたして、そこに
は結夜の「敵」が潜んでおり、攻撃は的確に「敵」を捉えていた。「敵」はそ
れっきり動かなくなる。
健一郎 :「うん、もういないみたいや」
結夜 :「……そうか」
一安心する結夜だが、まだ疑念が残る。自分でさえ感知できなかった「敵」
を、「一般人」であるはずの健一郎が見つけ出してみせたのだ。それも、正確
な位置を把握していたのだ。
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ここで、一度切ってみます。
続きは自分が書いてもいいし、れあなさんが書いてくださってもいいです。
SRA関係は自分にはわからないことも多いし、結夜くんの台詞も
うまく考えられなかったので、雑になっているかもしれませんが
ご容赦のほどを……(汗
それほど問題にならない程度に異能を晒したつもりですが、
問題になるようでしたらアドバイスお願い致しますm(_ _)m
motoi@mue.biglobe.ne.jp
Motofumi Okoshi
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